💛「いい加減にしろ!!!」
練習後、しょっぴーが岩本くんに強めに何かを言われて、黙った。見ると、しょっぴーの目には涙が浮かんでいる。
そのまま逃げるように走って練習場を出て行ったので、慌てて追いかけた。
後ろから岩本くんが俺を止める声が聞こえたけど、無視した。
人気のない控室で、しょっぴーが顔を突っ伏して泣いていた。
🖤「しょっぴー、どうしたの?」
しょっぴーはとても答えるどころじゃなさそうだ。すると、後からするりと阿部ちゃんが入って来た。
💚「翔太、戻ろう。照も言いすぎたって反省してる」
💙「あべぢゃぁぁん」
鼻水だらだら、涙でぐしゃぐしゃ、すましていれば綺麗な顔立ちをしているのに、いつも感情に振り回された表情をしているから、どちらかと言えば可愛いという感想しか湧かない。
しょっぴーは阿部ちゃんに抱きついて、おいおい泣いている。
いいところを横取りされた気分で、阿部ちゃんを見たら、阿部ちゃんはしょっぴーしか見ていなかった。
🖤「前から思ってたんだけどさ」
💚「ん?」
🖤「阿部ちゃんてしょっぴーのこと、好きだよね」
💚「好きだよ」
阿部ちゃんはごまかさない。
まっすぐな目で、俺を見返して来た。
🖤「俺が阿部ちゃんのこと好きなのは?」
💚「知ってるけど、どうしようもない」
🖤「しょっぴーと岩本くんは付き合ってるよ?」
💚「そうだね。……もういい?」
阿部ちゃんは、感情を表に出さずに腰を上げると、みんなのところへ戻って行った。しょっぴーはとっくに戻った後だ。
🖤「一方通行じゃん」
俺の口からはため息しか出ない。
コメント
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この、全部知ってる上で自分を貫く阿部ちゃんがほんと阿部ちゃんて感じする
あら切ない
一方通行、そうゆうことか