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夜ー居酒屋
席につくなり、佐久間は若干ニヤニヤしながら間髪入れずに口を開いた。
佐ーなんで翔太のこと好きになったの~?
逃げ道は用意されていなかった。
目黒は諦め素直に口を割る。
目ー昨日
自然と、昨日のことを思い出す。
目しょっぴーが一人で練習してるのを見たんだ
二人の表情が、少し真剣になる。
目ー誰もいないところで、何回も同じとこやってて。うまくいかなくて、ちょっと悔しそうで
言葉を選びながら、続ける。
目ー俺、勝手にしょっぴーは強い人だと思ってたから、ああいう弱い顔、初めて見て、ちょっと驚いた。
阿部ちゃんが、静かに言った。
阿ーそれで?
目ー出来なくてもそれでも諦めてなくてさ。ちゃんと前向いてるのが、すごくかっこよくて
一拍置いて、はっきり言う。
目ー好きになった。
阿ーなるほど~
佐ーなるほどねぇニヤニヤ
佐ーそりゃ好きになってもおかしくないねぇ
阿ーでもなんかいいじゃん
阿部ちゃんの声は、優しい。
阿ーちゃんと自分の気持ち、言葉にできてる
料理が運ばれてくる。
俺は箸を取って、少し照れながら笑った。
昨日好きになって、今日それを認めただけ。
それなのに、世界はもう少しだけ、特別に見えていた。
少し間が空いて、佐久間くんが箸を置いた。
佐ーで
佐ーこれからどうすんの~?
目ーどう、って?
阿ーこのまま想ってるだけでいくのか、
それとも、何かするのか
急に“作戦会議”っぽい空気になる。
阿ーまぁめめの場合、無理に動かなくても自然に距離は縮みそうだからなあ
俺は少し考えてから、正直に言った。
目ー今はさ、好きって気づいただけでいっぱいいっぱいで
阿ーうん
目ーなにかしよう、っていうより……
一緒にいられる時間を大事にしたい
阿部ちゃんが、ほっとしたように笑う。
阿ーそれでいいと思う
そのとき、ふと思い出したように、阿部ちゃんが声を出した
阿ーあ!!
目ーん?
佐ーどした?!何事!?
阿ー廊下でめめたちと話してたとき
空気が一瞬だけ、止まる。
阿ー舘さんに聞かれちゃってた……
佐ーえ~?!?!
目ーえ
思わず声が出た。
阿ーどこまで聞いてた?って言ったら名前がでたとこまで、って…
目……まじか
佐久間くんが、面白がるように笑う。
佐ー蓮の恋心、第三者に観測されちゃったかぁ
目ーやめて?笑
そう言いながらも、心臓が少し早くなる。
阿ーでも
阿部ちゃんが、すぐに付け足す。
阿ー 一応釘は指しといたし舘さん何か言うタイプでもないとおもうけど…
阿ー配慮が足りなかった。ごめん
目ーまぁ俺隠す気無かったし…笑笑
こっちが巻き込んでんのに責めるとか無いから謝らないで!
その言葉に、阿部は少しだけ安心した。
――この時点では、誰も知らない。
宮舘はこのときなにを思っていたのか。
宮舘の瞳に映るものを…。