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コメント
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おぉ✨️すごい
うわあ、一気に14人も出てきて一瞬「覚えられるかな」って思ったけど、色違いのフードや萌え袖でキャラが立ちまくってて全然迷わなかったです! みんなそれぞれ天災級の異能を隠してるのに「一人ぼっちの不安」っていう共通の弱さを持ってて、そこを要みたいな太陽みたいな子が溶かしていく流れがすごく温かい。隠し合ってるのに気づいてる同士っていう絶妙な距離感、これからどう転んでいくのか続きが気になりすぎます。
### 第一章:浅草・裏御門通りの合流
「私立 烏鷺ノ宮魔導寄宿学院」の入学案内書が届いた時、彼らはまだ「自分は天涯孤独の身だ」と信じ込んでいた。
かつて世界の理を揺るがした超名門の血を引きながらも、それぞれの事情でバラバラに育ち、己の異能を隠して生きてきた少年たち。
名誉なことではあったが、周囲に知り合いは誰一人としていない。
未知の環境へ放り込まれることへの圧倒的な孤独と不安が、彼らの胸を重く締め付けていた。
東京、浅草。観光客で賑わう雷門の裏手、古いお札が貼られた路地を三度曲がり、特定の数式を呟きながら壁を通り抜ける。
するとそこには、近代的なビル群の合間に、大正浪漫と中世ヨーロッパが混ざり合ったような奇妙な石畳の商店街「裏御門通り」が広がっていた。
「……はぁ。指定の教科書、どこで売ってるんだよ。人が多すぎてイライラする」
不安を隠すように冷徹な優等生の仮面を被り、ため息をついたのは遼太だ。
水色のコートを着た彼の前に、「うわっ、ごめん!」と、正面から歩いてきたピンクのコートの少年がぶつかった。
「……前を見て歩けよ」
「そっちこそ! 僕の優秀な頭脳が買い出しのルートを計算してたのに、狂っちゃったじゃないか」
眼鏡のブリッジを生意気に指先で押し上げながら文句を言ってきたのは渉だった。
しかし、渉もまた、手にした案内書を不安げに何度も見直しており、自分と同じ「一人ぼっちの焦り」を抱えていることが遼太にはすぐに分かった。
「……君も、烏鷺ノ宮の入学者?」
「え? あ、うん。そうだけど……君も?」
「あぁ。僕は遼太。……その、よければ、指定の店まで一緒に行かないか? 僕も道に迷っていて」
「……僕は渉。ふん、一人で行くよりは、君を案内してあげる方が効率的だしね。一緒に行ってあげるよ」
ぶっきらぼうながらも、お互いに「一人じゃない」という安堵感が胸に広がる。
二人は自然と隣に並び、下の名前で呼び捨て合う最初の相棒になった。
同じ頃、通りに面した古本屋の隅では、茶色のフードを抱えた翅が、完全に気配を消して縮こまっていた。
「地味なモブとして平穏に生きたい」というのは建前で、本当は誰も知り合いがいない空間が怖くてたまらなかったのだ。
そんな翅の領域に、「ボリボリ」と呑気な音を立ててズカズカと踏み込んできた少年がいた。
「わあ、君も烏鷺ノ宮の制服を買うの? ボクは溯! このポテチ食べる?」
黄色のフードを被った溯が、満面の笑みで袋を差し出してくる。
「……え? あ、いや、俺は……」
「ボクも一人で寂しかったんだよねー! はい、これ半分あげる。今日からボクたち友達ね、翅!」
「……お前、警戒心なさすぎだろ。……でも、まぁ、溯、よろしくな」
人懐っこい溯の笑顔に、翅の張り詰めていた緊張がすっと解けていく。
そんな風に、あちこちで一人の不安を抱えた少年たちが、偶然の引力で二人組の絆を結び始めていた。
黒のフードを手に、無言で結界の数式を睨んでいた怜の隣には、いつの間にか「怜、マップ見せて」と優しく微笑む白のフードの泰輝が寄り添っていた。
紫のフードを被って周囲の魔力配置を不安げに観察していた大翔の隣には、「俺が前衛に立つから安心しろ」と大きな荷物を代わりに持ってくれた賢太がいた。
しかし、まだ全員がバラバラの二人組。お互いを遠巻きに見つめ、緊張の糸が張り詰めていた裏御門通りの中心で、衝突が起きる。
「あはは! ねお兄さん、その古文書、僕が先に目を付けてたんだけどなあ。譲ってくれない? 烏鷺ノ宮のルールで『人殺しは厳禁』だからさ、死なない程度に痛い目見せることになっちゃうよ?」
黄緑のフードの秀兎が、誰も知り合いがいない不安を満面の笑みと殺意で隠しながら、古本屋の店主を脅しかけていた。
そこに、同じく一人でイライラしていた灰色のフードの蹴介が、驚異的な脚力で地面を踏み鳴らして割り込む。
「ああん!? 譲るわけねぇだろ、俺が先に手に取ったんだよ! 笑顔で怖いこと言ってんじゃねぇぞ、秀兎! 蹴り喰らわせるぞ!」
「いいよ、やってみなよ、蹴介。完全に黙らせてあげるから」
一触即発の空気が流れ、周囲の人間が息を呑んだその時。
「おいおいお前ら! 仲間割れしてんじゃねぇよ!!」
大剣の入った木箱を背負った赤のフードの少年――要が、二人の間にドスンと割って入った。
要は入学前から、この場にいる全員が一人で不安を抱えている同級生であることを察していた。
だからこそ、最初から誰にでもフレンドリーに、全力で手を差し伸べる。
「ほら、蹴介も秀兎も、美味いもんでも食って落ち着け! 遼太も渉も、そっちの怜も泰輝も、みんなこっち来いよ! 俺たちはみんな、今日から同じ学校の仲間だろ!」
要の豪快で温かい笑顔が、裏御門通りの張り詰めた空気を一瞬で融解させた。
京太郎@ドラマ部門1位獲得
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麗太
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「ふん、要が言うならいっかー」と秀兎が本当の笑顔に戻り、蹴介も灰色の袖を捲りながら「チッ、要の顔に免じてやるよ」と不器用に応じる。
物静かに本を読んでいたライトブルーの倫太郎も、戦闘狂の圭介に肩を組まれ、ぶっきらぼうな瑠偉も「ふん、要がそこまで言うなら……」とポテチの袋を差し出した。
要という太陽のような存在を中心に、14人の孤独だった少年たちは浅草の裏路地で一つの大きな「輪」となり、お互いを下の名前で呼び捨てにする最高の仲間へと変わっていった。
### 第二章:運命の「組み分け」と、隠された真の力
九月、新学期の朝。
霧深い山奥に聳え立つ「私立 烏鷺ノ宮魔導寄宿学院」の大講堂には、張り詰めた緊張感が漂っていた。
大正浪漫と厳かな中世の建築が融合したような空間の天井には、4つの寮を象徴する巨大な旗が静かに揺れている。
新入生たちの前に置かれたのは、鈍く黒光りするブロンズ製の「運命の天秤」だった。
生徒が天秤の皿に手をかざすと、その者の魔力の性質、血流、そして魂の傾向を天秤が読み解き、4つの寮――漆黒の「黒曜寮」、白亜の「白鷺寮」、深紅の「紅蓮寮」、そして深緑の「翡翠寮」のいずれかへと強制的に組み分ける。
「……おい、全員めちゃくちゃ注目してるぞ。最悪だ」
列の途中で、遼太が水色の萌え袖の先で顔を覆うようにして呟いた。
相棒の渉が、ピンクの萌え袖をぶらぶらさせながら生意気な口調で応じる。
「しょうがないよ、遼太。僕たちは名門の直系だし、成績トップ合格だからね。でも……僕たちの本物の魔力がバレたら、それこそ学園中が大騒ぎになっちゃうから、今はただのガリ勉の優等生を演じきらないと」
この14人は全員が天災級の異能や冷徹な暗殺術を持っているが、学院での平穏な生活のため、全員がその真の力を完璧に隠してこの場に臨んでいた。
「次、千導 渉! および、如縣 遼太!」
壇上の教師に呼ばれ、二人は同時に一歩前へ出た。
お互いに顔を見合わせ、魔力を極限まで低出力に偽装して天秤の皿に手をかざす。
キィ……と天秤が静かに傾き、放たれたのは漆黒の魔力の光だった。
「千導、如縣――『黒曜寮』!」
「よし、遼太! 計算通り、同じ寮だね!」
「あぁ、渉。一人の不安から始まったけど、お前と同じ寮になれて、正直ホッとしてる」
二人は小さくハイタッチを交わし、黒曜寮の席へと向かった。
仲の良い相棒同士は、その偽装した魔力の波形すらも同調させ、同じ寮を勝ち取ったのだ。
続いて壇上に上がったのは、溯と翅だった。
翅は茶色の犬耳フードの下で完全に気配を消し、普通の地味な生徒Aになりきっている。
溯も黄色の猫耳フードを揺らしながら、お気楽なマスコットの笑顔で天秤に触れた。
二人ともマッハの体術や空間断裂の殺気は1ミリも外に出していない。
ガシャリ、と天秤が動き、緑の光が弾ける。
「鷹神、飛影――『翡翠寮』!」
「わあ、翅! ボクたち翡翠寮だって! 自然がいっぱいでポテチが美味しそうな寮だねえ」
「……静かにしろ、溯。モブとしての平穏な寮生活が送れそうで良かったよ。お前と同じ部屋なら、一人の寂しさで死ぬこともなさそうだしな」
次に壇上へ進んだのは、言葉を交わさずとも完璧に意思通ができる怜と泰輝の二人だ。
怜は網膜の電算画面で天秤のシステムをハッキングし、自分たちの偽装魔力が最も美しく配置されるように裏で逆演算を仕掛けていた。
泰輝も白の犬耳をぴこぴこさせながら、完璧なサポートで怜のハッキングを隠蔽する。
「御門、白金――『白鷺寮』!」
「完璧な計算だ、泰輝」
「うん、怜。これで同じ談話室で、夜遅くまで次の作戦会議ができるね」
その後も組み分けは順調に進んでいった。
全戦域スキャンを隠したクールな大翔と、肉体硬化闘気を内に秘めた不器用な賢太は、二人揃って『白鷺寮』へ。
いつも不機嫌なツンデレ暗殺者瑠偉と、魔拳を隠して不敵に笑う戦闘狂圭介、そして物静かな氷結魔術師倫太郎は、揃って『紅蓮寮』へ。
そして最後に残ったのは、あの危険な二人組だった。
「あはは! 蹴介、ボクたちどこの寮かなあ? どこでもいいけど、蹴介と離れるのはちょっと寂しいかも」
「笑顔でキモいこと言うな、秀兎! 俺はお前と同じ寮になったら、毎日そのサイコパスな言動にツッコミを入れなきゃいけないから、今から胃が痛いよ!」
狂犬の脚力と、現役殺し屋の無音葬送をそれぞれ完全に隠蔽したまま、二人が天秤に手をかざす。
天秤は激しく揺れたのち、深紅の炎のような光を放った。
「大土(大神)、石田(石神)――『紅蓮寮』!」
「あーあ、やっぱり同じ寮かよ!」と頭を抱える蹴介だが、その口元はどこか嬉しそうだ。
秀兎も「よろしくね、蹴介」と黄緑の萌え袖をパタパタさせて満面の笑みを浮かべた。
そして、最後に一人で天秤に向かったのは、最初から誰にでもフレンドリーだったクラスの親分肌、要だった。
要が手をかざすと、天秤は眩い光を放ち――
「橘――『紅蓮寮』!」
「おおお! 瑠偉も圭介も倫太郎も、蹴介も秀兎も同じか! よろしくな、お前ら!」
要が豪快に笑いながら紅蓮寮の席に飛び込むと、寮の垣根を越えて、14人全員の間に「誰も一人ぼっちにならなかった」という温かい絆の灯が灯った。
### 第三章:最初の実技授業と、十四人の「沈黙」
バタン、と重い扉が閉まった瞬間。
それぞれの談話室へと案内された少年たちは、浅草の買い物でできた特別な相棒たちと、ようやく二人きりで息を抜いていた。
黒曜寮の談話室では、渉が「疲れたぁあ! 魔力をコンマ単位で逆演算して隠すの、めちゃくちゃ精神使うんだけど!」とピンクの萌え袖をソファーに放り出し、遼太も「僕だって機能性を損なうこの制服にはイライラする」と、水色の萌え袖を振り回しながらソファーに深く腰掛けていた。
翌朝、時計塔が午前8時の鐘を鳴らす頃、高等部1年A組の生徒たちは、広大な「第一演習場」へと集められていた。
大正浪漫を思わせるレンガ造りの円形闘技場のような演習場。
その中心で、担任の老魔術師が冷酷な声で告げる。
「これより、今後のあらゆる学園任務の基本となる『長期固定の十四人合同授業班』を編成する。名前を呼ばれた者は前に出よ」
黒曜寮、白鷺寮、紅蓮寮、翡翠寮。
それぞれ異なる色の制服パーカーを身にまとった新入生たちが息を呑む中、あの浅草で出会った少年たちの名前が次々と読み上げられていった。
「――如縣、千導、御門、白金、橘、氷狼、桐生、真壁、鳴神、宇佐美、鷹神、飛影、大土、石田。以上、十四名。第一班」
「よっしゃあ! また全員一緒だな!」
赤の犬耳フードを弾ませて、真っ先に中央へと歩み出たのは要だった。
満面の笑みで周囲の仲間たちに手を振っている。
要の呼びかけに応じるように、他の十三人も一歩ずつ前へ出た。
お互いに顔を見合わせたその瞬間、十四人の間に、ピリッ……とした無音の衝撃波が走った。
(……待て、なんだよコイツら。ただものじゃないぞ)
灰色の萌え袖を捲り上げながら進み出た蹴介の背筋に、冷たい汗が伝わる。
彼の戦闘直感は、目の前のメンバー全員から底知れない、異常なまでの肉体強度と魔力密度を敏感に感じ取っていた。
それは、蹴介だけではなかった。
(……この僕の逆演算をすり抜けるような、不自然なほどに綺麗に抑制された魔力回路。全員、本当の力を完璧に偽装しているな?)
ピンクの萌え袖をいじりながら、渉の眼鏡の奥の瞳が鋭く光る。
隣に立つ遼太もまた、水色の萌え袖の中で拳を握り締めていた。
全員が、空間の重力を一瞬で歪ませかねないほどの「質量」を内に隠し持っていることを察知したのだ。
(……黒の御門、白の白金。この二人の生体波形、完全に同期していて隙がない。……隣の紫の鳴神、アイツはさっきから瞬き一つせず、僕たちの死角を全てスキャンしている。……オレンジの真壁、あの構えは全身に硬化闘気を巡らせているプロの前衛だ)
怜は網膜の電算画面でクラスメイトたちのデータを読み解こうとするが、すべての数値が異常なまでの低出力(中の下)で均一に固定されていることに逆に恐怖を覚える。
泰輝も、白の犬耳を微かに震わせ、全員の尋常ではない魔力調和に息を呑んでいた。
(……あそこにいるネイビーブルーの氷狼、黄色の鷹神、茶色の飛影、ライトブルーの宇佐美。……あの足運び、完全に『現役の暗殺者』のそれだ。気配を消しているつもりだろうが、僕の全戦域スキャンからは隠しきれていない)
紫のフードを深く被った大翔は、静かに賢太の背後に隠れながら、彼らの座標を脳内でロックしていた。
その視線に気づいた瑠偉は不機嫌そうにそっぽを向き、溯はポテチを口に放り込み、翅はモブになりきって縮こまり、倫太郎は本片手に鋭い視線で周囲の魔力残滓をチェックしていた。
そして――。
「あはは! 要、また一緒の班で嬉しいなあ!」
黄緑の猫耳フードをパタパタさせながら走ってきた秀兎。
その満面の笑みの奥から、コンマ1ミリだけ漏れ出た本物の殺し屋の殺気を、その場にいる全員が確実に捉えていた。
普通なら、この場で「お前、何者だ」と互いに武器を抜き合ってもおかしくないほどの、怪物たちの集まり。
しかし、十四人は誰一人として、その違和感を口にはしなかった。
なぜなら、自分自身もまた、本物の力を完璧に隠しているから。
(……いや、詮索するのはよそう。僕が力を隠しているように、彼らにも事情があるはずだ)
(……烏鷺ノ宮の絶対鉄則は『人殺し厳禁』。コイツらがどれだけ凶悪な裏の顔を持っていようが、ルールを破らない限りは、俺の大切な仲間だ)
浅草の買い出しで生まれた特別な絆。一人の不安から救ってくれたこの十四人の関係を、たかが正体の探り合いなんかで壊したくない――全員が心の奥底で同じことを想い、沈黙を選んだ。
「よーし、お前ら! 最初の授業、気合い入れていこうぜ!」
何も気づいていない(ふりをしている)要の豪快な声に、十三人は不敵な、あるいは苦笑混じりの笑みを浮かべて頷いた。
### 第四章:不殺の旅路、その前夜
烏鷺ノ宮魔導寄宿学院の洗礼は、あまりにも唐突に、そして苛烈に下された。
十四人の授業班が結成されたその日の放課後、彼らの魔導端末を一斉に届いたのは、学院長直属の緊急任務の通知だった。
『高等部1年A組・第一班。これより学院の敷地を離れ、西方の霧深き渓谷に現れた【特級魔獣】の討伐、および周辺地域の治安維持を命ずる。なお、本任務に教官の帯同(監視)は一切なし。完全な自立行動とする』
烏鷺ノ宮の洗礼――それは、入学してすぐに新入生だけで外の世界へ放り出す、伝統の「魔物討伐旅」だった。
しかも、学校が定めた絶対の鉄則は変わらず適用される。――「人殺しは厳禁」。
どれほど凶悪な魔物を相手にしようとも、決して命を奪ってはならないという呪縛。
「……先生の監視なし、か。思ったより早く、その時が来たね、遼太」
黒曜寮の談話室の隅で、渉がピンクの超ロングな萌え袖の先から魔導端末を覗き込み、眼鏡のブリッジをくい、と上げた。
普段の生意気なガリ勉優等生の顔の奥に、冷酷な魔術演算師の冷徹さが覗く。
「あぁ、渉。僕たちの本性を、他の奴らに隠し通すには丁度いい機会だ。……まぁ、あの十四人の中に、本当に『普通の生徒』が何人いるかは怪しいけどな」
遼太は水色の猫耳フードを弄りながら、不敵に口元を歪めた。
全員が何かを完璧に隠していることは百も承知だった。
旅立ちを明日に控えた夜、十四人はそれぞれの寮の談話室で、真の力を隠した旅の支度を進めていた。
白鷺寮の談話室では、怜が網膜経由で地形データを完全ハッキングし、泰輝が白の犬耳を揺らしながら微笑む。
大翔が遠く離れた渓谷の魔力配置を空間スキャンし、賢太はオレンジの萌え袖を捲り上げて巨大な旅用防具の紐を黙々と締め直す。
翡翠寮の談話室では、翅が地味なモブAに徹して小さな革鞄に荷物を詰め、溯が黄色のフードの耳をぴこぴこさせながら、大量のポテチをソファーに並べていた。
紅蓮寮の談話室では、要が赤の犬耳フードを弾ませ、背中の巨大な魔剣の錆を落としながら「派手に行こうぜ!」と叫んでいた。
瑠偉が不機嫌そうに毒づき、圭介が緑のフードの下で魔力を拳に爆縮させて獰猛に笑う。
倫太郎がライトブルーのフードの下で、男らしく氷結系の魔導書を鞄に収めていた。
秀兎が黄緑の猫耳フードをパタパタさせながら可愛い小石(弾丸)を蓄え、蹴介が灰色の萌え袖を捲り上げながら「お前は笑顔で物騒な弾丸を蓄えるな!」と絶叫していた。
十四人全員が、他のみんなから発せられるただものではない雰囲気を100%察知していながらも、あえて何も言わないまま、夜が更けていった。
――翌朝。
朝霧が立ち込める学院の巨大な正門前に、色とりどりの犬耳・猫耳フード、そして超ロングな萌え袖の限定制服パーカーを身にまとった十四人の少年たちが集結した。
教官の監視すら届かない、魔物と危険が渦巻く外の世界。
お互いの天災級の真の実力を隠し合い、普通の同級生のフリをしたまま、彼らの初めての不殺の討伐旅が、今まさに始まろうとしていた。
「よし、全員揃ったな! 第一班、出発だ!!」
要の豪快な号令とともに、十四人は朝靄の向こうへと、一歩を踏み出した。