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流星の荒療治って事ですね。 友達を思っての事なんでしょうね😊
「大好きな…ねぇ?」
くくっと押し殺した声で笑われて、自分でも気づかずに言ったことにボッと顔が真っ赤になった。
「ようやく白状したのかよ? おまえも、銀河に似て、たいがい素直じゃなくて、めんどくせえよな?」
「……ようやくって、どういう……」
流星の言葉の意味がわからずに聞き返そうとした、その時────
「何してんだよ! おまえっ!」
流星の背後から声が飛んできた。
「あっ……!」こちらに走ってくる姿に、目を見張る。
銀河が、私たちの元へ駆け寄って来ていた──。
「やっと、来たのかよ…」
“ようやく”、”やっと”という流星の言葉に、違和感が一層強まる。
「……理沙に、何してやがる!」
「見ての通り……」
口にした流星に、銀河が拳で殴りかかる。
「おおっと…! 二度もおまえの拳を食らってたまるかよ!」
流星が銀河の拳を片手で止める。
「……俺が、憎いか? 理沙に何してたのか、もっと教えてやろうか?」
「てめぇ……」
抑えられた拳を銀河が力ずくでギリギリと押し込んでいく。
それを全力で押し返しながら、
「憎けりゃ、本気になれよ? 本気で、理沙を俺から奪ってみせろって!」
挑発するかのように、流星が声を上げた。
そのセリフに、ふいに、頭の中で全てのピースがはまった気がした──。
まさか、流星の言っていた”いいこと”が、そういう意味合いだっただなんて……。
「おまえなんかに、言われる筋合いはない!!」
銀河が私の手を引き、身体をそばに引き寄せると、
「大丈夫か……何もされなかったか?」
そうやさしく声をかけてくれる。
「大丈夫……だけど、銀河、違うの……流星は……」
言いかけるのを遮って、
「ネタばらしは、しないでもらえるか?」
唇に指の一本をかざすと、
「それに……俺も、楽しませてもらったしな。ま、本音を引き出すのに多少手荒なマネもしたから、あとは慰めるなりなんなり、銀河の好きにすれば?」
銀河へそううそぶいて、流星がわざとらしくへらりと笑って見せた。