コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
「待てよ、ネタばらしってどういうことだよ? ……おまえ、もしかして何か企んでたのか? いきなり俺に電話寄越したりして、何かと思ってたら……」
本当のことを明かす気はないらしい流星の顔を、銀河がじっと探るように見やる。
「別に、なんでもいいんじゃん? おまえみたいなのには、荒療治も必要ってことで。
じゃっ、お姫様を救うナイトが現われたんで、敵役は消えるんで。
これで、めでたし、めでたしだろ?」
茶化すように言って行きかけた流星が、通り過ぎざま私の耳元へ唇を寄せると、
「俺も、実はけっこう本気だったんだぜ? なんてな…」
本音とも冗談ともつかない口ぶりで告げて、ニッと唇の端で笑った──。
「……あいつと、何があったんだよ?」
流星がその場を立ち去ると、銀河が口をひらいた。
「うん……」と、口ごもる。
「ちゃんと教えろよ。俺にも意味がわかるように」
そうだよね、流星が悪役を買ってまで、銀河との取っ掛かりを作ってくれたのに、このまま黙ってたってなんにも始まらないし……。今度こそ、銀河としっかりと話さないとダメだよね……。
「……。……あなたの過去を教える代わりに、デートしようって……」
意を決してわけを話すと、
「なんだよ、それ!」
と、銀河が声を荒げた。
「ごめんね。本当に、ごめんなさい! 私が悪かったの。あなたの過去を、流星から聞こうだなんて……」
申し訳なさに頭を下げて、顔も上げられずにいると、
「それで……聞いたのかよ? 俺の過去は……」
銀河に低い声で切り出された──。