※自己解釈
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一人しか居ない教室で、鉛筆の音が聞こえる
進路希望用紙には書いては消したような跡が残っていた
進路が決まらないのだ
「いいか、わが一族は必ず支配者にならなければならない」
どうしても脳内に浮かび出てくる
猿山「…はぁ」
思わずため息をつく
一日に一度必ずフレーズ
俺には一族の誇りや使命なんてものに興味が無い
しかし毎日言われている間に染み付いてしまったのだろうか
決まらない…全く決まらない…
俺の悩みがどこかにぶっ飛びそうな大声が聞こえる
学生A「ーーーー!!!」
学生B「ーーーーw」
…ったく、うるさいな
学生A「あ、てかさ、天乃って知ってる?」
学生B「知らねぇよ、誰ソイツ」
天乃…あぁ、久しぶりに聞いたな
天乃とは俺の幼馴染だ
泣き虫で、無邪気で、仕方なくて…
まるでお世話係かのようにずっと一緒にいた
猿山「…っ」
天乃を思い出している間に、一つ嫌なことを思い出してしまった。
天乃には無邪気と言う言葉が一番しっくりくる
…でも、その無邪気さは牙をむく
小学生の頃、親のいい所について調べる宿題がでた
猿山「あー…めんどくさい宿題」
天乃「ん?そう?」
猿山「めんどくさいだろ、ほら」
天乃「ん〜?全然めんどくさくないじゃん!」
猿山「…は?」
天乃「だってさ〜、ーーーーー」
猿山(どうしてそんなにスラスラ出てくるんだ?なんで?どうして?)
彼の目は太陽のように明るく、穢れを知らないような、そんな目だった。
猿山(…あぁ、そうだ、俺とコイツとじゃ環境が違う。)
猿山(…憎い)
仕方ない、今思ったら仕方ないことなんだ
天乃は無邪気だ、だから俺の環境なんてわからない。
…それが一番タチが悪いんだけど
俺はぐちゃぐちゃになった進路希望用紙をカバンに入れ、教室を出た
家に帰ると、手を握りしめたような爪の跡が残っていた___
コメント
12件
好きです(唐突) 表現力の秀才ですね!?
わぁ…☆僕が兄さんに提供する予定のネタよりも素晴らしいの出されちゃった(^ω^)ドナイシヨ