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ギィ「夢!!」

夢「ぎ、ギィ…!」

リムル「なんか、感動の再会みたいだな…w」

夢「ごめんねッごめん…(泣)」

ギィ「あぁ、泣くな、泣くな。俺は今生きてるだろ?」

ギィは予定より少し早く、次の日の昼にテンペストに着いた。よほど心配なのか、会ってそうそう「夢は大丈夫なのか?」ときた。こいつら早くくっついたらいいのに。と思ったが口には出さなかった。

夢の傷は見た目よりも酷く、治るのに2週間はかかるそうだ。ただ、ある程度塞がってきたらしく、今日から少しなら動いていいとの許可が出た。夢は1ヶ月間ずっと寝ていた。魔王への進化で1ヶ月も寝るのは中々珍しい。まぁ、真なる魔王になるやつも少ないが…。

夢「お腹減った…」

リムル「飯にするか!何食べたい?」

ギィ「俺はなんでもいいが…」

夢「お肉食べたい!!」

リムル「肉か…食堂まで降りるか?」

夢「うん」

ギィ「もう動いていいのか?」

夢「少しならいいって」

ギィ「そうか」

本来1ヶ月も寝ていたら歩き方も忘れて、筋肉も衰え中々歩けないはずなのだが、流石は天間の上位種族。並外れた身体能力はさらに強化されていたようで、起きてすぐでもひょいひょいと歩いていた。まぁ、甘えたかったのか「抱っこ」とギィにねだっていたが…


夢「うまっ!」

リムル「だろ〜?」

意外と、元気そうで安心した。ただ、やはり今までと笑顔の作り方がぎこちない。罪の意識だろうか…。

夢が撃たれ、眠った後初めは白氷宮で匿っていた。だが、白氷宮の気温や環境はテンペストに比べれば厳しいものだ。何度か発熱していたこともあり、リムルから俺の国で世話すると引き取られた。

ギィ(後でちゃんと夢と話さなきゃな…)

夢「ギィとリムルは食べないの?」

リムル「ん〜、俺もなんか食べようかな〜」

夢「ギィは?」

ギィ「俺はいい」

夢「そっか…」

なんだその顔。なんでそんなしょぼんとした顔になるんだよ…。

リムル「ギィも食おうぜ!」

ギィ「あぁ分かった分かった。」

みんなで美味しくご飯を食べた。


夢「暑い…」

なんかぼーっとする。あの後3人でお風呂に入った。お風呂から出た後異様に頭がぼーっとする。まだ服を着なきゃいけないのに…。

夢「うぅ…」

立っているのがしんどくて、その場に座り込んでしまった。

リムル「夢?大丈夫か?」

ギィ「顔赤いな…」

夢「しんどい…」

リムル「一旦服着せるから、俺に掴まれ」

夢「うう…」

声が聞こえていないのか、それとも掴まることさえできないのかその後も、うずくまったままだった。

リムル「…ダメだな。一旦部屋まで戻るか」

ギィ「タオルで体巻いて運ぶか…」

リムル「そうだな」

リムル「夢、ちょっと動かすぞ〜」

ギィは夢の着替えを、俺は夢を抱っこして部屋に戻ることになった。

シュナ「まぁ、夢様!!どうかなさったのですか?」

リムル「ちょっとな、風呂から出たらうずくまっちゃってさ」

シュナ「まぁ…。なにか飲み物を持ってきましょうか?」

リムル「すまん、頼めるか?」

シュナ「承知しました。すぐお持ちしますね!」


シュナの手伝いもあり、さっさっと服を着せられた。さっきまでは体調が良かったのに急にしんどく…。

まだ頭がぼーっとする。

リムル「夢、飲み物持ってきてくれたけど飲めるか?」

夢「…うん…」

ギィ「ほとんど耐性切れてるな。なんかあったか?さっきまで普通だっただろ」

夢「わかんない…」

リムル「病み上がりだし、不安定なのかもな」

ギィ「傷口、開きかけてないか?」

リムル「え?!」

リムル「うわ、本当だ…!!ちょっと待ってろ!医者呼んでくるから!!」

そう言ってリムルは走って部屋から出ていった。

夢「ギィ、」

ギィ「どうかしたか?」

夢「ぎゅーってして欲しい」

ギィ「いいが、今日はいつもより甘えるな」

そう言って、横になっている私を起こして前からぎゅっと抱きしめてくれた。ギィの体は冷たくて、でも温かい気持ちになれて心地よかった。

改めて、愛されてるんだと自覚した

夢「怖かった」

ギィは私の言葉に耳を傾けるように、なにも言わない。でも聞いてくれているのは分かる。

私は話した。寝ていた間のこと。

真っ暗で世界の言葉しか聞こえなくて、どれだけ走っても出口が見つからなくて。痛くて、寂しくて、怖かったこと。ギィが大丈夫なのか確かめたかった。みんなに謝りたかった。なんでこんなことしたのか吐き出したかった。

夢「だから、ちゃんと話すから…もう少しだけ待ってくれる…?」

ギィ「あぁ、待ってやるよ。お前が話しても大丈夫になるまでな。」

そう言ってまた強く抱きしめてくれた。



転生したらスライムだった件「天間の子は幸せになれるのか?」

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