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昨日は、驚くことばかりだった。おかげで、あまり眠れなかったのだ。眠い。だけれど、私から、声をかけれたのだ。まぁ、はじめは、菜乃なのだけれど…でも、ありがとうと言えた。大きな進歩なのでは?
昨日が夢じゃなければいいな。なんて、ポケットにいつも忍ばせているお守りに言った。このお守りは私にとって大切なものだ。だから、絶対になくしてはいけない。優しく手で包み込む。触り心地があの日と同じだ。安心する。これだけは、変わらない。
いつもと同じ風景、いつもと変わらいはずなのに、すごくワクワクしている。仕方ないだろう。昨日の事があったのだから。そうだ!今日は、私から声をかけよう。おはようって。大丈夫。お守りがある。昨日のこともある。きっと菜乃だって緊張したり、心配したりしたんだろう。そう思うと、勇気が出た。私にもできる。
私にとって、この道は今までとは違う思いで歩くのだろうか。そう考えると、この先を考えるのが辛かった気持ちが嘘みたいになくなって、楽しい気持ちが生まれた。こんな気持ちが私にあることが、嬉しかった。まだ、私に気持ちはある。死んでなんかいない。
学校につく。玄関へ向かい靴を脱ぎ入れる。色んな所から、、生徒の声が聞こえる。騒がしいな。皆、どんな思いで来ているのだろう。なのはもう来ているのだろうか。菜乃の靴箱を探す。菜乃、菜乃、菜乃、菜乃…あっ、あった!靴はなかった。よし、心を落ち着かせれる。さてと、教室へと向かう。窓が目に入る。あれ?おかしい。窓から見てみると、電気がついていない。鍵持ってくればよかった。でも、一年生の下駄箱に他の子の靴があったはずだ。扉が鍵がかかってないか確認する。扉の手が入るくぼみに、手を入れる。鍵はかかっていないようだ。とりあえず、教室に入ろう。扉を開ける。すると、他の子たちもいた。なんだ?男子がこっちに目を向ける。すると、一人が近づいてきた。彼は口を開き、
「びっくりしたか?」
と聞いてきた。最近は、急なことが多いな。私も口を開き、
「別に、下駄箱とか話し声とかでいることくらいわかる。」
あぁ、可愛げのない態度。笑えばよかった?なんて言えば正解なの?きっと、前の友達と距離を感じる理由にこんな部分も入っているんだろう。私は、相手の求めてる言葉を探してしまって、自分の言葉があまり言えない。でも、素直に言えたのは、菜乃が初めてかもしれない。菜乃は、私にとって大切な人になるのだろうか。そうだといいな。そんなことを考えていると、後ろから、何してるん?と聞き覚えのある声がした。それは、菜乃だった。私は、即座に振り向き
「おはりょ、よう」
焦りすぎて噛んでしまった。顔がほてるのを感じる。あつい。菜乃の方に上目使いで目をやる。すると菜乃は、
「ふふっ、おっ、ふふっおはよう」
笑って返してくれた。菜乃の笑った顔が可愛くて、見惚れてしまうほどだ。そんな私達を見て、彼はまた、同じ言葉を菜乃に言った。すると、菜乃はするわけないときっぱりと言った。でも、優しい声だった。他の子たちからしたら、普通なのだろう。だけれど、私からしたら、すごいことだと思う。その言葉を聞いた瞬間、心が飛び跳ねた。憧れだな。この感情は。
話しかけてきた、彼に目線を戻す。目があう。すると彼は、すぐに元の席へ戻る。なんにもなかったかのように、男子と話をする。菜乃は、電気をつけてから、自分の席へ。私は、ゆっくりと自分の席へ行った。夢じゃなかった。嬉しいな。
少し時間がたってから、先生が来た。ホームルームが始まる。委員会からのお知らせや、先生の話を聞いて、ホームルームが終わる。今日も、楽しくなりそうだな。
昼休み、菜乃と話をしているとき、朝の彼が話しかけてきた。
「あのさ…朝はその…」
「何?朝のことがどうかした?」
「…朝は失敗したけどな、また驚かしてやる!」
えぇ、そんな言い切った顔されても困る。そして朝みたいに、またすぐに戻る。何なんだ?菜乃がニヤニヤとこっちを見てくる。
「良かったじゃん。話し相手増えるかもね」
「うーん、仲良くなれるかな?」
「不安なの?大丈夫だよ」
「だって、あの人に嫌われてるっぽいし…」
「嫌われてるんじゃないよ。あれはね……やっぱりやめた!秘密!」
「えー。気になる。」
「あとね、あいつの名前広海っていうだよ。」
「こうみくんっていうだ。」
なんて、ワイワイしながら時間は、5時限目にさしかかっていた。
帰り道、家が逆方向だから、一緒に帰れず校門で別れた。
「バイバイ!」
私は菜乃に、元気よく言った。
「バイバイじゃなくて…」
私に向かって菜乃が言った。なんだろう?
「またねでしょ!」
「そっか、そうだね!またね!」
「うん!」
そして私は、帰り道を足でなぞるように帰った。
楽しかったな。