コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
「おはよう」
いつも通りの朝、8時に家を出て学校についたら友達に挨拶をして、雨の日なんかは教室で髪をクシでとく女子が多くなる。そんな代わり映えのない日常、風景に、10何年もずっとこうだとそろそろつまらなくなってくる。
「ユキ?」
「ん?なに?」
「またボーッとしてたよ」
「ごめん」
今、自分の目の前にいるのは橋田マユカ。彼女は昔ピアノをやっていたからか驚く程に指が細く長い。そしてメガネをかけている。成績は上の方なのだろうか。そんな先生に好かれるタイプの友達。バンッ背中に衝撃と痛みがはしる。
「ユキのことだからまた何か考えでたんでしょ!」
振り返るとそこには本条カナミがいた。彼女は運動ができて歌が上手い。でもペーパーテストは下の下。まぁ、自分も言えないけど。彼女は音楽と体育の先生に好かれるタイプ。
「何?」
少し不機嫌そうにして言葉を返した。
「あれ?今日頭痛いの?」
自分の質問に対する答えの代わりにそんな言葉が帰ってきた。
「別に、」
頭は痛いがその後がめんどくさくなりそうなので適当な言葉だけを返した。
「そうだ!ユキは部活どこに入るかきめた?」
「え?部活?」
「そう!私は美術部」
マユカらしいな。そう思った。
「私はバスケ部!」
カナミはバスケ部か、
「ユキは?」
マユカが美術でカナミはバスケ部、自分は?
「女バレ、かな、」
その時ハマっていた漫画がバレー漫画だったのでそう返した。
「へー」
「ユキ運動すきだったっけ?」
好きなはずがない。カナミにそう返したかったけど、運動部を選んでしまったてまえ、そんな言葉は返せない。そう思った。
「うん、好きだよ。」
少し変な間が空いたがそう返した。
「ユキ!」
マユカが興奮した目付きでこちらに話しかける。
「何?」
なんのことか分からずいると。
「あ、ご馳走様です」
とカナミが言う。そんなカナミが見る方向に目を向けると、そこには、クラスの中で1番の長身秋村翔とクラスの中では小さい方の池田海斗が仲良さそうにというかほぼイチャつくレベルでじゃれあっていた。
「神か、」
自分の口からそんな言葉がもれた。それもそのはず自分達3人は腐女子である。だから、あんな光景を目にしたらまぁ興奮する。だって尊いもん。
☆
「行ってきます」
誰もいない家にそうつぶやいて家を出た。
ガシャン
重たいリュックを自転車のカゴに乗せて塾へ向かう。ギッギッと古びた鉄の音がする。こぐ足を止め、自転車に身をゆだねると冷たい風が頬をなでる。チリチリチリと規則正しい音を立てる。そして、考え事をする。この時間だけは周りに人がいようが1人だけな気がしてリラックスできる。
☆
「ユキ!遅かったね」
「ちょっとね、」
自分の目の前には紅月ユキがいる。そう、自分と同じ名前なのだ。苗字は違うけど、
「始めるよー!」
先生が授業開始のアイズを出す。
ほんとに、
毎日つまんない。