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「辞書、、、辞書、、、」
この街を歩きながら読む辞書は最高だ。だって全部みたことないものなんだから。
昔は恐竜っていう生き物がいたんだって。
虹っていう綺麗なところがあるんだって。
空は青いんだって。
でも、私は全部見た事ない。
恐竜がどんな人なのか、
虹ってどんなところなのか、
空ってどんな青色なのか。
何も知らない。多分モモなら知ってたかな?
モモは頭が良かったから。
空が赤くなることはあるのかな?今みたいに。
どこを見てこの『辞書』を書いたのかな?
最初にこの辞書っていうのを書いた人に、誰がこんなに素敵なことを教えてくれたんだろう、、、。
夢を見ているのかな?私。
こっちが夢で、辞書がホントだったらいいな〜。
「あっ!ご飯食べないと!」
私は急いで走って、床に落ちていた赤いものを食べた。
「辞書の世界も、食べ物は赤いのかな?ひょっとして、もっと美味しい食べ物もあるのかな?!」
スキップしながら空を飛ぶ。とても楽しい。
とてもとても、、、
「えっ」
誰かに腕を引っ張られたので振り返った。
「誰?」
『私はクク。よろしく。』
「なんのためにここに居るの?」
『そんなの理由はひとつに決まってるじゃない。こっから抜け出すためよ。』
「え、ここから居なくなったら、どうなるの?外はあるの?」
『ダぁー!もーうるさいな!抜け出せばもっといいとこに行けんのさ!じんせーは旅!旅はぼーけん!こういう風に決まってんの!』
驚いてしばらくぼーっとしてた。
「私がここに居るの知ってたの?」
『まあ知ってたんじゃない?知らんけど。』
「???」
『とにかく進もう!あのクソみたいな施設から一刻も早く遠くに離れよう!』
しまった。
「ちょ、ちょっと待って。忘れちゃったものがあるの。お家に。」
『はぁ?!この期に及んでそりゃないよ!お前、名前に【す】って付いてるだろきっと!』
「え、すごい!私リリスって言うの!」
『マジで酷い名前付けられたなこりゃ、で、何忘れたの?』
言ったら無駄なものと言って怒られるかもしれない。
「え、えっと、、、」
『なんだよ、早く言いなよ!』
「も、モモの写真」
ククが一瞬固まった。
『は?写真?なんだそりゃ。』
「知らないの?」
『いや知ってるけど。何でそんなもん撮ってんだよ。規則違反だったろ。』
「え、まあそうかもしれないけど、、、」
「で、でも捕まらなかったんだよ?私とモモ。」
ククはずっと考え込んでいた。
『いや、あの施設が不正を見逃すわけが無い。なんだその出来事、、、』
私たちはずっと考え込んだ。
『まあいいや。とりあえずその写真とやらを探しに行こう。ただし、見つけたら即刻この街を出るぞ。いいな?』
「うん!」
私たちはそう言って逆戻りした。