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「参謀であれど、戦争屋ではない。」と教授は言う。

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「参謀であれど、戦争屋ではない。」と教授は言う。

1 - 「参謀であれど、戦争屋ではない。」と教授は言う。

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2023年04月11日

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皆さんこんにちは、ねこねこマンです!今日、何もない道で転んで履いてたタイツ破けました。ぴえん🥺

今回はエミさんの過去のお話です。

注意

⚪︎これは我々ださんの二次創作です。

⚪︎作者は国語の成績2です。

⚪︎解釈違いを起こしたら思いっきり寝てください(?)

⚪︎もちろん軍パロでございます。

⚪︎可愛いエミさんはいません。


それでは、ゆっくりしていってね!






視点 グルッペン

「はぁ〜。」

総統室、いつもの執務机で、数枚の手紙を手元に持ちながらこれでもかと言うぐらいのため息をついた。

手紙の内容は、簡単に言えば軍への勧誘を断るものだった。これはもう3回目の断りの手紙だった。誘ったのは、我が旧友である1人の男。膨大な知識と学力をもち、士官学校でもトップの成績を誇ったその男は今、ある片田舎の大学で教授をしていた。名を「アルベルト」今の名はエーミールと言う。卒業後、国を創立している間に失踪し、やっと見つけたと思ったら一向にこの誘いを「私は戦争屋ではありませんので。」と長ったらしい文の後、必ず書かれ終わっていた。そして、手紙には必ず黄色のカーネーションも添えられていた。


「あぁ、クソ〜、またかいな。」

「お。ぐるちゃん、珍しく訛り出てるで。」

手元から目を離せば、目の前には気だるげな雰囲気を纏った、この手紙を持ってきた、鬱がいた。


「あの、ハゲ茶瓶が!!!」

「いや、それにしてもその、エーミール?やっけ。そいつ何回もそんな長い手紙書いてきといて、断るんやなぁ。」

「あいつの事だ、嫌がらせだろう。ほら、見ろ。手紙の最後に必ずこれが書いてある。」


そう言い、手紙の最後を指で刺し見せれば、笑いながら「見事に振られてもうてるなw」と言われてしまった。断る理由は簡単。

〝自分はあくまで戦争屋ではなく教授である〟

と言う事らしい。どこに!!!異常に爆弾に詳しく、ポンポンとお手製の手榴弾を放り投げる教授がいるものか!!!

こうなったら、、、奥の手を使うしかない。

私は一度、狙いを定めた獲物は逃がさないのだから。自然に口元は三日月型に歪み、声は溢れて出ていた。


「うわぁ、ぐるちゃん?今すっごい悪い顔しとるで、、、トンちに怒られても僕知らんから。」

「あぁ、わかってる。そうだ、鬱。ゾムを総統室へ。仕事だ。」

「へいへい。」


適当に返事をする彼は、そっと耳元のインカムに手を当て、ボソボソと呟きながら部屋を出ていった。その後すぐに、某ゲームの匠でお馴染みの黄緑のパーカーを着た青年が乱暴なノックと共に総統室へと現れた。












視点 エーミール

目の前の大柄な赤いマフラーを巻き、カーキ色の軍服を着た、青年の後をついて歩く。数日前。講義も終わり、今日はゆっくりしようと家でのんびりしていたところに、軍からの使いの方が私の元に現れた。訪問の理由は〝軍に来てほしい〟だった。黄緑のパーカーを目元が見えないほど深く被った味方最大の脅威と謳われる彼に喉元にナイフを突きつけられれば、ついていかないなんて言う選択肢は選ぶことは出来なかった。

どうやら目的地に着いたようで数回のノックの後に扉が開かれ中に招かれる。部屋の真ん中の執務机に堂々と佇む旧友、元いい諸悪の根源と目があった。


「やぁ、久しぶりだなぁ、アルベルト。いや、今はもうエーミールだったか?」

「、、、ほんま、久しぶりやね。グルッペンさん。」


邪悪な笑みを浮かべている、彼に少し、いや、大分腹が立つが、こちらも負けじと笑顔を貼り付けた。


「お前のことだ、どうせこの軍についても知っているんだろ?」

「そうですね。あんな田舎にも、貴方方の噂は広まっていましたよ。」

「そうか、そうか。それでは、本題に入ろう。」

「、、、」

「どうして!!!この軍に来ない!!!」

「せやから!!!戦争屋やないって何度もゆうとるやろ!!!!」


バンッ!と大きな音を立てて机に手をつき立ち上がるグルッペンさんに負けじとこちらも声を張り上げる。そう、私は戦争屋ではないのだ。例え、旧友である彼に誘われていると言っても絶対にこの軍だけには、入らないと決めているのだ。


「クッソ、どこに不満があると言うのだ!!!こんな好条件他にないゾ!!!」

「全部ですよ!!!なんですか、参謀って!!ただのど田舎の大学教授には大きすぎる席です!!!」

「お前の頭脳はそれだけの価値があるって言ってんだろ!!!!この、ハゲ!!!」

「ハゲとらんわ!!!」

「はいはい、ええ加減落ち着きぃ。えっと、エーミールさん?取り敢えずそこのソファーにどうぞお座りください。ワイは紅茶でも淹れますわ。」


そう言い間に入ったのは先程案内してくれた青年だった。言われた通りゆっくりと質の良い皮のソファーに腰掛けた。執務机から立ち自分の前に腰掛ける彼は合わなくなった日から数年たっているはずなのに変わっていなかった。目の前に香りの良い紅茶が置かれる。お礼を言い座り直す。紅茶を置き終わった彼はグルッペンさんの隣に座り、2人で話をし始めた。会話を聞いていると彼は、大天使で有名なこの軍の書記長。トントンさんだったようだ。


「はぁ、お前が入軍を拒否するのは参謀の席が気に入らないからか?」

「気に入らないと言うことではありません。恐れ多いんですよ。それに、参謀ならそちらのオスマンさんと言う適任がいらっしゃるでしょう。」

「オスマンは、仮で参謀をしているだけの外交官だ。私は、オスマンは外交官の方が合っていると思っている。それでは、参謀の席が空いてしまう。お前が適任なのだ。」

「私は、教授と言う職業を気に入っているんです。」

「うちの軍は副業を認めている。」

「、、、貴方なら知ってるでしょう。私は戦闘はからっきしですよ。」

「あぁ、知っている。この軍に居れば自然とある程度の力量はつくだろう。」

「キケンナメニアウノイヤダナ~」

「わざとらしい目晒し止めろ!!!!お前ドMやろ!!!!」

「うっさいわ!!!誰がド級のマゾヒストや!!」


ああ言えばこう言う、状態でどちらも一歩も譲らない様子にトントンさんは頭を抱えていた。申し訳ないが目の前の五歳児が譲らないので仕方がないだろう。正直、迷いがあった。今言った断りの理由は本当のものだ。だが、全部目の前の彼がなんとかできるようにしている。あの大学の教え子と離れるのは忍びないが彼らは優秀だ、それほど心配はいらないだろう。何より、他の誰でもない彼の誘いだ。嬉しくないわけない。


「どうして、、、そこまでこだわる。」

「お前、まだわかってなかったのか?!」


ボソリと小さくつぶやいた声は彼らには聞こえてしまったようだ。何故か隣の赤色の彼までも目を丸くし驚いていた。


「いいか?、お前以上に知識欲があり、それほどの知識を有している物を私は他に知らない。それにその頭脳。決して固くない頭でさまざまな作戦を考えるその脳。爆弾を手作りし、私用で使う気の狂ったところ!!!この軍にお前ほどふさわしい参謀なぞ、いるはずないだろう!!」


彼の赤い瞳がキラキラと光を放つ。そのルビーのような、ガーネットの様な瞳に見つめられればむずがゆくなってしまう。目は口ほどに物を言うとはよく言った物で、彼の瞳からは、期待と信頼、情熱がありありと伝わってきた。昔から何も変わらない。自分が欲しいと望んだ人材にはあちらもこちらもと手を伸ばす。手を伸ばすことへの恐怖心なんてものは無く。彼は決して諦めようとはしない。しつこくまとわり付くそのルビーの赤は、一度見てしまえば忘れることなどできないだろう。この軍の敷地を跨いだ瞬間。あるいは、この男に目をつけられた時から所詮これは、悪あがきに過ぎなかったのだろう。


「、、、忘れたわけではないでしょう。私の実家の事。入軍なんてすれば敵対は避けられませんよ。あの人達はα国で今もなお軍人に教鞭をふるっている。」

「確かに、α国はあの2人の教えで成長し、強力だ。我々が目立った活躍をすれば、それにお前がこの軍にいるとなれば尚更全力で潰しにかかってくるだろう。」

「えぇ、あの人達は出来損ないだと馬鹿にし、ろくに親らしいこともしなかった1番下の子供の私が優位に立つことなんて許せないでしょうからね。ですから、、」

「だが、それがどうした?」

「!」

「この軍には私が選び抜いた物たちがいる。幹部だけではない。一般兵も、選び抜き、私達に置いていかれる物など1人もいない。そこにお前の頭脳が合わされば、あんな国など地図に残ることなくチリとなるだろう!!!」


張り上げた声。

興奮で赤くなった頬。

聞き入ってしまう。

魅了されてしまう。

彼のカリスマを目の前に逃げることなどできない。

私のこの、妙に色素の薄い見た目を嫌い。出来損ないと馬鹿にした、教鞭の才能だけは確かなあの両親の作ったあの軍隊をねじ伏せ、あの昔からの大国に創立数年の国が勝つと言うのだ。普通は無理だと諦め、匙を投げるだろう。だが、目の前の美しい光を放つルビーを見ればそんな弱音などどこかへ吹き飛んでしまうだろう。意地になって行った最後の抵抗も虚しく、無駄になってしまった。それでも、自然と笑みが溢れてしまうのはきっと私だけではないだろう。


「ふふふ、ええやろう。その話、乗ったるわ。〝グルッペン〟」

「それでこそだ!!!我、旧友!また共に手をとり協力していこうではないか!!」


満面の笑みで手を差し伸べる旧友の手をしっかりと掴む。この男に目をつけられてしまっては、逃げることなどできないだろう。本当は心のどこかで分かりきっていた結末に少しの意趣返しに最後

「せやけど、私は参謀ではあっても戦争屋ではあらへんで?」

っと笑ってみせた。














視点 ゾム

トントンと、エーミールと言う男が総統室に入ってから何十分かしたころ、少し肩の力を抜いたエーミールと疲れた様な顔をしたトントンが出てきた。ダクトに入り見つからない様に護衛の仕事をする。

数日前にエーミールの自宅まで行き、グルッペンの命令通りに少し強引な手を使い連れてきた時の事を思い出す。グルッペンは確かにしつこいが本当に嫌がる物をあんな形で勧誘などしない。だからきっとあの男にもこの軍に、入りたくても入れない色々な事情があり、グルッペンはそれに気づいていたのだろう。

紅茶に沢山のミルクを足した様な髪を持ち、真珠色の瞳で扉を開けたその男は勝手に想像していた見た目とは全く違い、指先が触れるだけで壊してしまえそうなほどか弱そうだった。案の定最初の誘いは断られ、次にその細い首元にナイフを突き立てれば怖がり震えると思っていた。だが実際は笑っていた。にこやかに、それはもう優しく。恐怖など感じさせない声色で、

『わかりました。着いて行きましょう。ですのでそのナイフおろしてもらってもええですか?』

と言いながらもう一度ニコリと笑ってみせた。

いつの間にか車に乗り込もうとしているその男、エーミールの背中を見る。面白そうな奴がきそうだ、と心踊った。


後に彼らが四流と呼ばれ、国中に広まるほどの相棒になるのはまた、別のお話し。












おまけ (花言葉、石言葉)

黄色のカーネーション 拒否、友情

ルビー  情熱、勝利

ガーネット 真実、友愛


ここまでお読み頂きありがとうございました!またのお話しでお会いしましょう!

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