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僕は周りを再度観察してみる。
前の席の女の子も中学からの組らしい。
一番前の女の子は動きからして持ち上がり組。
出席番号3番なのに一番前の席なのは役員候補なのだろう。
この学校はなかなか厳しい。
クラスも出席番号も成績順だ。
成績順にA組、B組とクラス分け。
そしてクラス内の出席番号も成績順。
席順も今は出席番号順だ。
ちなみに僕は2番。
つまり僕より成績が上なのは1名。
目の前に座っている女の子だ。
わりと小柄。
少し茶色い髪のポニーテール。
横の髪を少しだけ束ねないでそのまま肩くらいに伸ばしている。
向こう向きなので顔は見えない。
服も制服の長袖ポロシャツだし、
黒縁の眼鏡をかけているのだけはわかるけれど。
と、僕が彼女の事を考えていたからという訳ではないだろうが。
彼女が僕の方を振り返った。
内心ドキリとしたのは何とか態度に出さずに済む。
「どうも。初めまして。栗原彩香と言います」
「初めまして。仲代悠です」
とっさにそう返したが、返事はそれで良かったのだろうか。
栗原さんの顔を見る。
小さめの顔。
丸っこくて大きい目。
可愛いと言っていいだろう。
目を合わせるのが恥ずかしくてちょっと視線を下に向けた。
栗原さんは続ける。
「周りが内部進学でグループ出来ていて。私の周りでは仲代君は違う感じだったので、つい話しかけてしまったんです。仲代君も中学からですよね」
「ええ。栗原さんも」
「ええ。ちょっとお金に余裕が無くて、奨学金に釣られたんです」
思わず親近感を覚える。
「同じ。僕も奨学金。どうしても地元の公立に行きたくなくてさ」
「とすると、30パーセントの呪縛の仲間ですね」
30パーセントとは無償奨学生の条件だ。
1年生は総数70人だから21番以内。
これをキープしないと無償奨学金から外されてしまうのだ。
「まあ生活費まで面倒見て貰えるんだから仕方ないけれどさ」
奨学金には寮での生活費も含まれる。
「でも必要最小限らしいですけれど」
「くれるだけありがたい」
「そうですね」
そんな事を話しているとチャイムが鳴る。
8時20分。
ホームルームの時間だ。