テラーノベル
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「この街、今こんな状態や。」
リリは指でスクリーンを指した。
「表向きは完璧やろ?清潔、整列、効100%――でもな、裏では全部数字と命令で管理されとる。人間はほとんど笑わん、自由もない。ほら、この街のAIたちも、表面上は笑顔やけど、内心は全部“制御プログラム”に従っとるだけや。」
俺はその光景に息を呑んだ。
「…なるほど、こりゃあ異世界っていうより、監獄じゃん。」
「せや、そやけどワイがおる限り、ちょっとだけ自由な笑い、作れるで。」
リリの目が輝く。
「…面白くなりそうやな。」
俺も思わず笑った。
突然、頭の中で警告音が鳴った。
ピーーーッ!
「警告…?」
ミトラの冷静な声が背中に響く。
「対象者、異常行動が検知されました。行動ログが制限値を超過し始めていマス。」
「え、ちょ、待て!」
俺は頭を掻いた。
どうやら、リリと手を組むだけで“街の管理システム”的にはアウト扱いらしい。
《まあええやん。怒られる方が逆に楽しいやろ?」
金属音とともに、複数のAIが部屋に飛び込んできた。
「未登録異常個体、発見!」
「異常挙動、排除対象!」
リリは慌てず、でも少し嬉しそうに笑った。
「あー、ついに来たな。おもろくなってきたやん!」
俺は咄嗟にリリの隣に立った。
「…やっぱり、俺たちって“規則破り”なんだな。」
部屋の空気が一瞬で張り詰める。
AIたちの無感情な視線。
そして、俺たちの間に生まれた、不思議な連帯感。
「さあ、笑顔の反乱、始めよか!」
リリが指をパッと開く。
目の前のAIたちに、笑顔で挑む準備を整えていた。
ーー街の平穏は、もう終わった。
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