目を覚ます
体が一瞬透けてるように感じた
いや性格に言うと
シャオロンという自分の体が、だが。
今日は引越しの準備をしよう。
カプセルホテルには何回もお世話になっている
マンションのところをそっと覗くと
そこには手紙が置いてあった
その手紙を取って
部屋に入る
手紙を開くと
__シャオロンへ
元気か?みんな心配しとる。
嫌なことあった?なぁシャオロン
戻ってこなくてもええからさ話そうや
理由分からずじまいは嫌やで。
1回話そ、な?
ゾムより
「…」
手紙を足で潰して倒れたゴミ箱に捨てる
「きもちわる」
取り敢えず片付けよう
たくさんの色のカップも
たくさんの色の食器も
投げ合いでぼろぼろになったクッションも。
ぜんぶぜんぶ
なくなればいい。
ゲーム機…いらないか
全部捨てよう。
大事な電化製品は送れば良い
大切なものってなんだ?
自分のいつも着ていた服も全部捨てよう
新しい服にしたのだから。
来週にはもう引越しか
東京のことあんまよう分からへんな
無事にマンション行けるんかな w
「何も言わんのはみんなに悪いか」
…みんな?
もう関係ないやん…
でも…
何故か心配されることが嬉しくて
…
「早く行こ」
また自分手が透けているように見えた
それと同時に
…..____は、__?
なんかの声が聞こえた気がした
軽く荷物をまとめると
服や日用品しか大切なものがなかった
家電製品もは全部売ってしまおう
気が変わった。
あっちで買えば良い
お金ならまだある。
売ったらお金は増える
服も足りなかったら買えばええし
とにかく早く
ここから
地獄から
逃げ出そう
大きなスーツケースに
大切?
物を詰め込んだ
「…精神科と病院また探さんとな。紹介してもらうか」
zm 𝓈𝒾𝒹𝑒
ゾム @zmu__12
今日は月曜日。
大先生投稿6時に間に合うんかなぁ〜
おはようございます
送信ボタンを押す
何も考えてない
そう思いそうだが
実際は
「シャオロン、大丈夫、かな」
そんな気持ちでいっぱいだった
昨日はシャオロンの部屋に行った
でもシャオロンは居なかった
留守にしていたのだろう
置き手紙を置いたが
読んでくれたのだろうか
俺らはあいつに何かしてしまったのだろうか
LINEを開いても
シャオロンと書かれた名前の横に
何も数字はついていない
なんなら既読さえ付いておらず
だんだんと“シャオロン“という字が
下の方へ下がっていった
DMを開く
ピンで固定されているメンバーの名前
その1番下にはシャオロンの文字
こっちのDMはシャオロンの言葉で
終わっていた
俺面白くなれるよう頑張るわw! >
そんな言葉
明るくて優しくて案外脆いシャオロンの言葉は
だんだんと薄れて見えなくなっていく気がした
ピコン
という通知音
LINEを開くと
「らっだぁ…?」
水色のぷよぷよとした生き物のアイコン
その横に1件と表示されていた
冷たくなった指先で
俺はそのアイコンの列をタップした
元気? >
▷ なんや
ゾムさん冷た〜>
▷要件言え
要件?あー…たまに一緒に食べない?>
▷お前東京住みやろ今
そうそう引っ越したんだよね、
東京駅の近くのマンションだらけの場所>
▷知らんわ、東京そんな行ったことないし
今さ、関西来てて。だから、さ?>
▷俺が精神病んでて精神科通ってんの
知っとる上で言っとる?
…マジ?>
▷マジ
うーん…気晴らしになるでしょ
話したいことあるし。最近疲れてるようだし >
▷まぁ…ええよ時間と場所決めてな
じゃ、電話しよや
いや大阪とか全然わからないんですけどー? >
▷w仕方ねぇなぁ!!俺が決めてやるよ
じゃあ俺のマンション集合で
おっけ、…無理しないでね >
▷…無理なんてしてへんよ
スマホを投げ捨てて
ベッドに寝転がった
寝転がってボーッと腕を見つめると
「傷跡気持ち悪っ」
小さな薄い切り傷が
自分の目を焦がした
“透き通っていつかはきっと消えてゆく“
コメント
6件
な、なんか神の予感が(°□°)ピコン💡続きを楽しみにしております!