あなたが夢に出てくる。
あなたは夢の中でも優しかった。
このまま覚めなければいいのに。
そう何度も思う。
だけど、朝は来てしまった。
あなたともっと気軽に話せたらどんなに楽だろう。
好きな食べ物は何?
休日は何してるの?
得意な教科は?
スポーツは好き?
好きな人はいる?
少しの勇気がどうしても出せない。
挨拶を交わすだけで精一杯。
そんな自分がとことん嫌になる。
ベッドに寝転がり、インスタのストーリーを眺める。
流し見してはイイネを押し、流し見してはイイネを押し……。
あなたのストーリーが流れてきた。
とあるアーティストの曲と、ただ一言だけ。
『いい曲だった』
インスタを閉じ、さっきの曲を検索する。
有名なアーティストだが、再生数はそれほど回っていない。
タップすると、曲が流れ始めた。
少し切ない恋愛ソングだ。
あなたもこういう曲を聴くんだなと思うと、少し嬉しくなった。
この曲に出てくる『君』は一体だれなのだろう。
あなたにとっての『君』は一体だれなのだろう。
あなたにとっての『君』は、私になってほしい。
そう思いながらイイネを押した。
コメント
2件
すげぇエモい 性別が明かされてないから、いろんな妄想出来るの好き