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城の奥、二人の部屋。
側近達が声を殺し皆泣いている。
誰もケイシに声をかけず、ただその場に跪き、主の最後の瞬間に立ち会おうとしている。
誰もがケイシが今からする事をわかっていた。
ケイシは出口のない悲しみと苦しみに押し潰されそうになりながらも、心の奥で決意を固める。
(もう、戦も復讐もいらない……俺は、ただお前と……)
ケイシは今からリーシの元へ逝くことを皆に告げた。側近達は嗚咽をあげながらも必死に訴える
「殿!殿!セイカ様とユイ様はどうされるのですか!しかもお二人と会いもせずに!」
ケイシの顔が静かに微笑んだ
「二人のことは、お前達に任せた。お前達がついていれば安心だ。
だから…だから…どうか俺を早くリーシの元へと逝かせてくれ…ひと時も離れていたくないんだ……」
ケイシの決意を覆す事ができないことは皆がわかった——
冷たい夜風が窓から差し込む。
「リーシ……行こう……俺も、そちらへ……」
ケイシは呻き声ひとつ出さなかった
その瞬間、ケイシの体も力を抜き静かに横たわった。側近たちは声を上げず、ただそっと跪き、主の最期を見守る。
カンジュの大将軍ケイシが今ここに死んだ。
二人の愛は側近たちの胸に永遠に刻まれ、光として残った。