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武道の実家にて
武道「…」
生江「どしたー?雅吉」
武道「…ももや、お前また来たのか」
辞書を手に、呆れた声で問いかける武道。
生江「まあなー。ってあれ、今日お母さんは?」
武道「ばあちゃんと出かけてるよ」
生江「そっか。じゃあこれあとでお母さん達にも渡しといて」
生江がそう言って差し出したのは、小さなホールケーキだった。
武道「妙にいつもより気合い入ってねぇか?」
生江「昨日姉ちゃんが色々作っててさ。明日雅吉ん家遊びに行くってったらこのホールケーキくれたんだよ」
武道「ももやの姉さんのか。ありがとうと伝えといてくれ」
生江「ほーい。でもでも、雅吉のお母さんってホント美人さんだよな」
武道「そうか?」
生江「そうそう。ツツジも褒めてたよ」
武道「アイツが?」
生江「うん。『しかしキレイな人だよな、雅吉のお母様は』って(笑)」
武道「そんなこといつ話してたんだ?」
生江「こないだ雅吉がドラマの撮影で居なかった時かなー 」
武道「ああ…」
最近演技の仕事が増えている武道は、こうして不在にしていることがたまにある。
生江「こないだのドラマの殺陣もめっちゃ良かったよ。迫力出ててさ」
武道「…嬉しいが、お前って急に褒め出すよな」
生江「そう?」
武道「自覚ないのかよ」
生江「そう言われてもなぁ…(笑)」
どこが気まずそうに笑う生江。
頬を掻きながら相変わらず甘ったるい笑顔を見せている。
武道「ったく…。それでももや、今日は何時まで居る気だ?」
生江「うーん、どうだろ。でもこの後一期の部屋にも寄りたいしな〜」
武道「またかよ。というかオフだって言うのにスケジュールがハードだな」
生江「オフだからこそ友だちとの友情も深めないと!」
武道「仕事でも学校でも顔合わせてるって言うのに…相変わらずすげーなお前は」
生江「それくらいオレがみんなへの愛が深いってことで」
武道「にしても、一期もよく部屋にももや入れるよな 」
生江「ん?」
武道「アイツ、俺とかツツジはもちろん、マネージャーでさえ部屋にぜってー入れさせねぇじゃん」
生江「あ〜確かにそうかも」
武道「お前だけだよ、アイツの部屋に入れんのは」
生江「多分一期、オレがなんも言わないから部屋に入れてるんだと思うよ」
武道「何も言わない?」
生江「そ。一期の部屋、汚いでしょ?多分雅吉だったらなんやかんやで掃除してきそうだし、ツツジも絶対口うるさいでしょ?」
武道「あー…まあな」
生江「けどオレ、一期の部屋見ても『足の踏み場ない』くらいは言って、あとは特に何もしないし言わないから一期も受け入れてるんじゃないかな?」
武道「それはあるな、アイツのことだし」
生江「だよね(笑)」
その頃佐藤は…
佐藤「─あ〜、悪くなかったな」
紫咲「おい一期、身の程をわきまえろ」
紫咲と共に、とあるアイドルのライブ参戦後であった。
佐藤はあくまで演出やファンサービスの研究として参戦。紫咲も同じく、研究として…は建前であり、ただのオタ活だ。
佐藤「あー、あのセンターっぽい子?あのファンサは良かったなー。今度のライブオレも取り入れよう」
紫咲「お前、もしかしてちゃっかりファンサなんかもらったりしてないよな??」
佐藤「あ?貰ったからそう言ってんだろーが。目の合わせ方といい、顔の角度とタイミングまで良かったな。まさにプロだ」
紫咲「貴様っ…」
佐藤「ほらペンラ、返す」
わなわなと震える紫咲に向かって、借りていたペンライトを突き出す佐藤。
紫咲の怒りは収まるどころか、増すばかり。
紫咲「感謝の言葉くらい言えっ!!このっ…なんでお前なんかがあの方のファンサを…」
佐藤「サンキュードルオタ」
紫咲「誰がドルオタだ!!」
佐藤「隠してるつもりなのかよ」
紫咲「隠してるも何も、最初から違うと言っているだろうが!」
佐藤「マジでお前ってバカだな」
紫咲「貴様一期っ!!」
どうやっても相性が悪いふたり、言い合いをしている時の息だけはいつもピッタリなのかもしれない。
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