そうして、1861年、イタリア王国の化身として、イタ王様が国の表看板になったんね。
孤児だったり、家を無くした人だったり、そう言う“訳アリ”の人達を集めて、iоの家をファミリーの家にしたんね。
いずれそのファミリーの皆は、マフィアと呼ばれる様になって、イタリアンマフィアって言われるようになったんね。でも、一応は皆根は良いやつばっかなんね。
iоは強くなきゃいけなかったんね。涙なんて、枯らしてしまわないといけなかったんね。
「はぁ~」
家の近くでうるさくしてる馬鹿共を片付けて公園の階段に座り込んでため息を吐いた時だったんね。
彼が、声をかけてきたんね。
「あの、大丈夫ですか?」
声だけでもわかるような優しさと、誠実さ、真面目さ。声と気配だけで、この人は良い人だと思ったんね。この国はやたらとナンパ癖のある人だったり、血気盛んな奴等が多いんね。その中でこんな人が居て、驚いたんね。
この目が封じられていなければ、彼の事をしっかりと見れていたのに、それだけが、今のiоの唯一の悔いなんね。
「誰なんね?」
少し驚きつつも、彼に名前を尋ねたんね。
「あ、僕はトンマーゾ・グレーコです」
良くあるような名前なんね。
「iоは、王華なんね」
「これで今日はバイバイなんね。又いつか、なんね」
そう言って、生まれつきない右腕を気にしながら左手でヒラヒラと手を降って、その場を後にしたんね。
その公園に行くと、トンマーゾは良くいたんね。何でも、自然が多くて落ち着くんだとか。そうして、彼と共に過ごす時間が増えるたんびに、心臓がドキドキして、嬉しくなって、気が付いたら、恋してたんね。
でも、人間の命と言うのは儚いもので、たった数十年で彼は年老いて、死んだんね。
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