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彼と出逢った場所で、「何で、愛を伝えれなかったんね?」そんな言葉がiоの頭の中を永遠にループしたんね。
そんな風に公園で一人、ひっそりと泣いてたら声を掛けられたんね。
一瞬、彼のような気がしたんね。でも、こんなはず無いって思って、顔を見上げて、気配を探ったんね。
その気配は、何処までも深い優しさと、思いやり、相手を思うが故の厳しさ、威厳、強さが有ったんね。こんな人は今までに一人しか出逢った事がないんね。
「リーダーの愛華、なんね?」
恐る恐る聞いてみると、「あぁ」と言う、短い返事が返ってきたんね。
「王華、だったな。お前、王詞みたくなりたいのか?なら止せ」
王詞姉さんみたいなちょっと冷たくも優しい声で愛華は言ったんね。
「何でなんね」
iоがそう尋ねると、愛華は「当然だ」って言ってから話を続けたんね。
「彼奴の願いは『自分みたいに不器用で、無愛想で、心を殺して、何も感じない様にしよう。なんて、して欲しくない』だからだ」
そんな事を言ってる愛華の声はちょっと、苦しそうだったんね。
「今のお前は、自分の心を殺して、涙を枯らしてないか?そんなの、彼奴が望んだことじゃない。できれば、止めて欲しい」
愛華に言われた事は全部図星だったんね。
涙が溢れそうな気がしたんね。でも、流れてはくれなかったんね。
そんな事を思っていると、愛華が此方に手を伸ばしてきたんね。気が付けば、包帯を外されてたんね。
「王華、此方を見ろ」
愛華は咄嗟に目を閉じて、反らしたiоにそう言って、iоの顔をムギュッと掴んで無理矢理目を合わさせられたんね。