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「弟が居るなんて聞いてませんよ?」
俺はちょっと待てよとばかりに聞いた。
それに先生はため息をついて言った。
「あのなぁ…サーフィーは俺以外のやつを
見たことがないんだ。」
「だからお前を見たら警戒するし
お前ならそれを無視して話しかけるだろ?」
…先生は俺をなんだと思っているんだ?
俺だって人のこと考える心はあるんだがな…。
「もうちょっと…こう…信用してくださいよ〜…」
「俺だって子供じゃないんだから。」
それに先生は、からかいながら言う。
「本当か?ならちょっと
サーフィーについて話そうかな。」
「是非。」
俺は身を乗り出した。
先生の血を引く弟なんだ。興味がある。
「サーフィーはお前と同い年だ。
青色で目に赤い模様がある。
緑の瞳に鱗の形は花びらのようだ。」
先生の言う特徴に俺は違和感があった。
なんの違和感かというと色と模様だ。
先生は青色の瞳に赤紫の鱗。
兄である先生と弟の特徴が一致していない。
「失礼ですが…それは実の弟なんですか?」
「そうだ。」
実の弟なのか…
先生の母が青色だったという
可能性もあるかもしれない。
「先生の母親は青色ですか?」
「黒色だ。俺の家系には青など居ない。」
「なら何故…」
「会えばわかる。丁度もうすぐで米国だ。」
先生はとても広い大地を指差し言う。
俺は正直納得出来なかった。
サーフィーが先生以外の人と会っていないこと、
そして青色であるということ
全て納得出来なかった。
「着いた。米国なんて久しぶりだな。」
先生は、ふわりと地面に足をつけ
人目のない所へ歩いていく。
それに俺も後を追った。
ジメジメとしたコンクリートの古い建物。
そこには管理人がいた。
「BIRDのグル・グリンだ。
助手のクルルも居る。」
先生はそう言うと
本皮で出来たカードのようなものを取り出し
管理人に見せた。
「わざわざ遠い所からご苦労様です。」
「こちらを通って行って下さい。」
管理人はそう言うとドアを開けた。
中には牢屋のようなものが沢山見られた。
俺は少しこのときの先生が怖かった。
「本当にここに居るんですか?」
「……………そうだ。」
先生は遅れて返事をした。
ここではペストマスクも外している。
牢屋には奇形の動物が沢山いた。
それを見て俺は嫌な予感がした。
「ねぇ…ここ怖いんですけど………」
「眼の前だけ見てろ。横は見るな。」
俺は先生だけを見て歩いた。
視界は守られたが奇形の生物たちのうめき声が
耳に入る。その度に俺は恐怖してしまった。
「うぅ…」
俺は耳を塞いで歩いた。
するとやっと2つ目の部屋の前へ辿り着いた。
扉を開けるとそこは自然豊かな場所だった。
木は生え茂り花の咲き誇る空気の美味しい場所だ。
「先生、ここは?」
「元々使ってた庭のような場所だ。」
「懐かしいなぁ、」
先生は温かい目をして周りを見ていた。
それを見ている俺もなんだか温かい気持ちになる。
少しして3つ目の部屋へ来た。
ここは普通の人の家と変わらない。
何やら音がする。
「兄ちゃん?!」
青色の竜が玄関まで来た。
多分こいつはサーフィーなのだろう。
「おう。帰ってきた。」
先生も笑顔だ。
俺はどんな顔したらいいのだろう?
「事前に言ってよ…それと
龍と牛掛け合わせたような生物何?」
サーフィーが顔を近づけて言う。
「麒麟という…神の使いだ。
クルルっていう名前で俺の助手。」
俺の代わりに先生が説明してくれた。
サーフィーはそれに顔をしかめる。
「俺たちが神の敵とか言われてんのにソイツ何?
神の使いだって?」
なんて答えたら良いのか分からなかった。
俺は目を逸らすことしか出来ない。
「サーフィー。そいつも訳ありなんだよ。」
「お前とも関連があるから。」
「え?俺と関連??」
俺も混乱した。
関連があるなんて聞いていない。
「先生…こいつと俺になんの関連が?」
「そうだよ。初めて会ったのに。」
そう言う俺たちを見て先生は吹き出した。
「ふふ。お前の父と関連があるんだ
サーフィー、お前なら分かるだろう?」
俺はサーフィーを見た。
サーフィーは難しい顔をしている。
「…ふぅん。」
「え?どういうこと?」
サーフィーは何やら分かったようだが
俺にはサッパリ分からない。
それに俺は父のことも
ほとんど覚えていないのだ。
「俺には何となく分かったよ。
けど…クルルには関係ないと思う。」
サーフィーが先生に言う。
俺は困惑していて意味が理解出来なかった。
「そうだな…。クルル、忘れてくれ。」
「え?…はい。」
先生はサーフィーと俺を見てはクスクスと笑う。
「何か隠してるんなら言ってくださいよ〜」
「はは。お前は見たことないからな〜。」
「え?何をです?」
俺が不思議がっていると
サーフィーが話しかけてきた。
「これのことでしょ。」
サーフィーが持ってきたのは
たった一枚の写真だった。