佐久間は岩本に対する自分の気持ちが強いことは分かっている。岩本に同じだけ佐久間を思う気持ちがあるか時々心配になる。
自分だけが好きで好きで。
岩本はそうでもないかもしれない。
そんなことを考えながら、稽古をしてると、フリを間違えた。
岩本ー佐久間、やり直し。
佐久間ーは〜い。
岩本ー真剣にやれ。
佐久間ーはい。
岩本はどれくらい佐久間を好きだろう。
休憩中に佐久間はぼんやり考える。
何となく、渡辺と目黒を見る。
今日は、渡辺が目黒に引っ付いていない。
ずっと見てると、喧嘩したのが分かる。
渡辺が阿部のところに行ってしまった。
目黒は、追うわけでもなく、ラウールと話している。
そこへ、阿部に連れられ渡辺が戻ってきた。
目黒が渡辺の頭を撫でている。
渡辺は、当たり前のように目黒にもたれラウールと話をする。
目黒と渡辺はどっちが相手を好きなんだろう。
想いが強いのはどっちだろう?
佐久間はLINEで渡辺に聞いてみた。
最初の頃は目黒が渡辺を想う気持ちが強かった、今は同じくらいだと思うとLINEに返ってきた。
ついでに、自分と岩本だったらどっちの想いが強いと思う?と聞いた。岩本だろうと言う。
佐久間は慌てて電話をかけた。
佐久間ー何で?
渡辺ー違うのか?
佐久間ー俺だろう?
渡辺ー照はいつも、大介が・・って言うけど?
佐久間ー照が俺のこと言うの?
渡辺ー何の話してても、いつも大介がって言うぞ?
佐久間ー照・・。
渡辺ーお前のこと、可愛いくて仕方ないって感じだけど?
佐久間ー俺といると、そんなことないけど?
渡辺ーお前が気が付いてないだけだ。
佐久間ーそんなことない、俺の方が照を好きで照は俺に合わせてるだけだ。
自分から言っておいて虚しくなる。
目黒と渡辺みたいに喧嘩もしない。
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