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それから——
翔太は毎日、病室に来た。
どうでもいい話。
大学のこと。
昔の思い出。
くだらない冗談。
話して、笑って、帰っていく。
その時間が、いつの間にか心地よくなっていた。
まるで——
昔に戻ったみたいで。
──────────────
ある日。
翔太はいつものように病室へ向かった。
廊下で、涼太の母と鉢合わせる。
母「あら!翔太くん!久しぶり〜!」
💙「あ、お久しぶりです」
💙「涼太…大変ですね。記憶喪失だなんて」
母「え?」
きょとんとした顔。
母「記憶喪失? 何のこと?」
💙「……え?」
母「記憶はちゃんとあるわよ?」
一瞬、時間が止まる。
母「それより聞いてよ!」
母「誰かが涼太を突き落としたんだって!ほんと許せなくて!」
💙「…………」
耳に入らない。
頭の中で、別の言葉が反響する。
——記憶はちゃんとしてる。
涼太……
なんで、そんな嘘ついた?
ドアの前まで来ていた足が、止まる。
ノックできない。
会ったら、何を言えばいい?
胸がざわつく。
結局、そのまま踵を返した。
今日は——会えなかった。
──────────────
一方、病室。
❤(あれ……?)
時計を見る。
いつもの時間は、もう過ぎている。
❤(今日は来ないのかな)
胸が、ちくりと痛む。
いや。
❤(今まで来てたのがおかしかったんだ)
そうだ。
期待しないって、決めたのに。
静まり返った病室が、やけに広く感じた。
つづく。
コメント
7件
続きが気になる!!

記憶喪失のフリが、バレちゃった〜😰😰どうなるんだろ〜😶🌫️😶🌫️
どうなるんだ!?😱 とっても面白いです!😌