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#ミステリー
鬼霧宗作
202
さなめ
538
江藤ルミエール
415
短い木刀を振りかざして雫の頭を叩きつけたのは、剣道有段者の椿華子だった。
その一撃に雫は膝から崩れ落ち、カッターを手放した。
あまりに突然の出来事に誰も止められなかった。
「華子……なんで?」
雫は苦しげに顔を歪めながら華子を見上げる。頭からは血が流れていた。
普段は控えめで目立たない存在の華子だったが、その目は普段よりも鋭かった。
「あなたがクソ真面目な部長だからよ、雫。ずっと自分の正しさを押し付けて、みんなを支配しようとしてた。その結果がこれ……はぁ」
木刀を握りしめたままの華子の声は静かだったが、その中に強い怒りが感じられた。
雫は震える声で反論しようとする。ガクガクと震えが止まらないようだ。
「私は……ただ、ただ……部長として、みんなを守りたかっただけなの……」
しかし華子はその言葉を聞き流すように続けて言う。
「守りたいなら、まずは自分のやり方が正しいかどうか見直すべきだったね。でも……もう遅いよ、雫」
教室内は完全に凍りついていた。梨々花は布を被せた星華の亡骸を抱きしめたまま泣きじゃくっていた。
「もう勝ち残ってもひーくんも星華もいないなんて! そんなの嫌っ!!!!」
自分のナップサックに入ってたフルーツカッターで首を自ら切った。
「梨々花!!!」
梨々花は星華の上に倒れ込んだ。
「……だあいおあかたあながわさがががが」
何ともいえない声を出して絶命、それと同時に布を被せられた。
ハルキや真威人も動けずにただ状況を見つめていた。
華子は木刀をそっと床に置き、ため息をついてその場に腰を下ろした。そして震える雫を冷たい目で見つめながら言葉を続けた。
「これ以上、無意味な争いはやめよう。部長として……本当はそれをあなたが言うべきだった」
その言葉に、雫はただ目を伏せるしかなかった。
「華子……」
雫はその言葉を最後に倒れた。そして兵士たちに黒い布をかけられた。絶命した、ということである。
「こんなゲーム、みんなで終わらせるべきだよ……」
華子がそう話すと、教室は静まり返った。
それに同調するようにハルキは震える手を隠しながら、思い切って口を開いた。
「……そうだよ、助かる方法、絶対あるよ」
普段は発言を控えがちな彼が絞り出した声に、部員たちが一瞬こちらを振り返る。
「珍しくお前喋るじゃん」
「ハルキくん、こういう場は平気なのかい?」
源喜や時雄が茶化すように言うが、ハルキはそれでも引かなかった。
「 今、殺し合いせずに全員でここから出る方法を探さないと……」
スダは黙って見ているだけだ。ヒントは与えてくれなさそうだ。
コメント
1件
はあ……なんて重い展開なんだろう。華子が木刀を振り下ろした瞬間、今までの控えめな印象が一変して、彼女の内心に溜まっていた怒りと諦めがひしひしと伝わってきました。梨々花の絶望も、あまりに痛々しくて……。でも、そんな地獄のような状況でハルキが「助かる方法あるよ」と声を上げたシーンに、かすかな希望の光が差した気がして、胸が熱くなりました。次、どうなるんだろう……。