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kaede🍁
新作ー!!!!
すたーと!!
『存在という名の』
朝5時。
まだ外も暗い時間に、深澤翔太は静かに目を開けた。
「……けほっ、けほっ……」
小さな咳を漏らしながら、薄い布団から起き上がる。
深澤家は大家族だった。
今は9人家族。
高校3年生の辰哉を筆頭に、照、大介、蓮、康二、真都、亮平、そして小学4年生の翔太。
本当なら、にぎやかで温かい家族のはずだった。
でも、翔太にとって、この家は少しだけ遠い場所だった。
キッチンへ行くと、すでに亮平が薬を飲んでいた。
中学1年生の亮平は昔から身体が弱い。
兄たちはいつも亮平を中心に動いていた。
「亮平、大丈夫か?」
「ちょっとだけお腹痛い……でも平気」
照が心配そうに頭を撫でる。
辰哉は朝ごはんを作り、
康二は水を持ってきて、
蓮は学校へ連絡帳を準備していた。
いつもの光景。
誰も悪気はない。
でも――
翔太には誰も気づかない。
翔太は静かに椅子へ座った。
誰とも目を合わせない。
「……いただきます」
小さな声も、兄たちの会話に消えた。
学校。
スノー学校。
教室へ入った瞬間、クスクスと笑い声が聞こえる。
「うわ、来たよ陰キャ」
「前髪やば」
「顔隠してんのキモ」
翔太は何も言わない。
慣れていた。
反応するともっと面倒だから。
席へ座り、静かに本を開く。
でも、後ろから消しゴムが飛んできた。
コツッ。
「……」
拾って、机に置く。
また笑われる。
昼休み。
翔太は校舎裏にいた。
ひとりで座り込み、小さく咳をする。
「けほっ……けほっ!」
少し息が苦しい。
でも、誰にも言わない。
言っても意味がないから。
その時。
「翔太?」
聞き慣れた声に肩が揺れた。
振り向くと、そこには亮平がいた。
今日は中等部が午前授業だったらしい。
亮平は翔太の前にしゃがみ込む。
「またここにいたの?」
「……別に」
「咳、出てる」
「平気」
そう言った瞬間、
「けほっ!……っ、けほ……」
咳が止まらなくなる。
亮平の表情が曇った。
「翔太、顔赤い」
「……大丈夫」
「大丈夫じゃないでしょ」
亮平はそっと翔太の額に触れる。
熱かった。
でも翔太は、その手を避けるように俯く。
「……なんで来たの」
「え?」
「亮平はみんなに愛されてるじゃん」
亮平が固まる。
翔太は前髪の奥で、小さく笑った。
「俺なんか、いてもいなくても変わんないし」
その言葉に、亮平の瞳が揺れた。
「そんなこと——」
「あるよ」
翔太は静かに立ち上がる。
でも、その瞬間。
ふらっ――
視界が揺れた。
「翔太!?」
亮平が慌てて支える。
翔太の身体は、思っていたより熱かった。
そして、
「……っ、は……はっ……」
呼吸が浅い。
過呼吸だった。
亮平の顔色が一気に変わる。
「翔太、ゆっくり……ゆっくり息して」
でも翔太は、苦しそうに胸を押さえるだけ。
その時初めて、亮平は気づいた。
弟はずっと苦しかったんだ、と。
つまらなかったら、すみません、!!
コメントいいね、まってます!!
コメント
10件
初めまして😊かな? 読んでいて、泣きそうになりました 表現、上手いですね✨ 続き、読んで来ます。

続き気になります 楽しみ