テラーノベル
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45
#ntjo組
ゆかボンド
30
休日の昼。
「……みどり」
「なに?」
「今日、買い物行くぞ」
「うん」
「ただし」
俺はみどりを指差す。
「今日はお前も自分で選べ」
「何を?」
「食べ物」
「肉」
「それ以外」
「…………」
「そんな露骨に嫌な顔するな」
最近、みどりの食費が馬鹿にならない。
ドラゴンという生き物が一日にどれくらい食べるのかは知らない。
ただ一つ確かなことがある。
めちゃくちゃ食うということだ。
「だから今日は、必要なものを自分で選んでもらう」
「分かった」
「予算はこれ」
俺は財布から千円札を一枚取り出した。
「これで好きなもの買っていい」
「本当に?」
「ただし、これ以上は出さない」
「うん」
みどりは千円札を見る。
「これ、食べられる?」
「食べ物じゃない」
「…そう」
「なんでちょっと残念そうなんだよ」
スーパーにて。
俺はカゴを持ち、みどりをカバンに入れて歩いていた。みどりはカバンのチャックの隙間から顔を覗かせて。
「……さて」
「肉」
「まだ何も言ってない」
「肉」
「今日は違うものを選べ」
みどりは棚を見る。
パン。おにぎり。お菓子。ジュース。
「…………」
「どう?」
「これ」
みどりが指差した。
「お」
意外と普通だ。
「プリン?」
「うん」
「いいじゃん」
俺はカゴに入れる。
「じゃあ次」
「これ」
「?」
みどりが指差したのは――
「……ヨーグルト?」
「うん」
「好きなの?」
「たぶん」
「たぶんで買うなよ」
カゴに入れる。
「次は?」
「これ」
「…………」
みどりが指差した。
「牛肉」
「戻ってこい」
「肉」
「最初から肉じゃねぇか!!」
「お、らだ男」
「……?」
聞き覚えのある声に振り返った。
「あ、恭也」
「何してんの?」
「買い物です」
「見れば分かるわ」
「……」
恭也がカゴを見る。
「プリン、ヨーグルト、牛肉」
「はい」
「めちゃくちゃだな」
「俺もそう思います」
みどりが恭也を見る。
「恭也」
「おう」
「これ買って」
牛肉を指差す。
「俺?」
「うん」
「なんで?」
「らだ男が駄目って言った」
「そりゃ駄目だろ」
「…………」
「そんな顔すんなって」
恭也が笑う。
「じゃあ一個だけな」
「やった」
「甘やかすな!!」
レジの金額を見て。
「…………」
俺は財布を見る。
「……千円超えた」
「肉」
「肉のせいだよ!!」
恭也が横から笑う。
「俺が払うよ」
「いや、いいですって」
「いいっていいって」
「でも――」
「みどり、肉買ったし」
「そうですね」
「じゃあその分は俺からってことで」
「……ありがとうございます」
「どういたしまして」
みどりが恭也を見る。
「ありがとう」
「おう」
「恭也、いい人」
「だろ?」
「自分で言うな」
帰宅。
買ったものを冷蔵庫に入れる。
「プリンは?」
「冷蔵庫」
「食べたい」
「夕飯のあと」
「…………」
「駄目」
「まだ何も言ってない」
「顔に書いてある」
「食べたい」
「駄目」
「…………」
みどりがソファに座る。
そしてテレビをつける。
「……何見る?」
「これ」
「ゲーム?」
「うん」
「また?」
「うん」
「好きだな、お前」
「楽しいから」
「まあ、分かるけど」
俺も隣に座り、ゲームを起動する。
「今日は俺が勝つからな」
「うん」
「その『うん』なんだよ」
「勝てる?」
「勝つよ」
「分かった」
「……なんか腹立つな」
結果。
**みどり 1位**
**らだ男 2位**
「…………」
「勝った」
「…………」
「らだ男」
「…………」
「大丈夫?」
「大丈夫じゃない」
「もう一回する?」
「する」
「うん」
「絶対勝つ」
「うん」
「……笑ってる?」
「笑ってない」
「絶対笑ってるだろ」
そのとき。
冷蔵庫から音がした、気がした。
「…………」
俺は、チラリとみどりを見る。
「なんか、揺れてたよね?」
「うん」
「やっぱり?」
「肉が食べたくて震えてた」
「お前かよ!!!」
そしてまた、意識をテレビに戻す。
「ゲームしよう」
「おう」
再びコントローラーを握る。
「らだ男」
「ん?」
「プリン食べたい」
「…………」
「まだ?」
「まだ」
「…………」
「その顔やめろ」
コメント
1件
ああもう、今回も最高だったよ〜!!😭💕 らだ男とみどりの買い物、めっちゃほっこりした♡ 「肉」しか言わないみどりが可愛すぎるし、千円札を食べられるか聞くところで笑ったww 恭也の登場でさらに和んだし、「甘やかすな!!」のツッコミも好きすぎる🤣 ゲーム対決も微笑ましかった〜。プリン食べたいの顔も、全部愛おしいよ!! 次回も楽しみにしてるね⋆♡