※擬人化、三重×愛知(少しにしようとしたら結構ガッツリになった)、駄文
皆は、もし温泉旅行券2人分が当たったら、誰と行く?
兄弟?友達?恋人?
因みに俺はどっちもいないから友達
悲しい奴とか言うな
え?なんでこんな質問してんだよって?
それは…
と、言うのも最近抽選に応募するのにハマって、どうせ当たらないだろうと思って応募した温泉旅行券2人分が当たってしまったのだ。
でも、俺は兄弟もいない、恋人もいない可哀想な都道府県。
誰か付き合ってくれる友達はいないかと考えてみた
滋賀は京都の世話があるし、岐阜も仕事が大変そうだ
と、なれば残る選択肢…それは…
「お前って事だ、愛知」
「はぁ?」
深夜1時の居酒屋、もうそろそろお開きという所で親友の愛知に温泉旅行の提案をしてみた
「何を言ってるんだ三重よ、私は三大都市を持つ都道府県だぞ?そう簡単に休みが取れると思っているのか、うつけ」
反応は…分かってはいたが、流石中部の王様なだけあって、かなり冷たかった
「頼むよ、俺他に行ける奴いないんだよ…」
「…」
そう言ってみると、愛知は少し考え始め、こう呟いた
「….金平糖」
「は?」
そう、金平糖、と呟いたのだ
「食いたいの?」
「あぁ、沢山買ってくれたら行ってやってもいい」
此奴…中部の王様の癖に中々可愛いチョイスしやがって…
「分かった。大量に買ってやるから」
「ほう、ま、ならいいぞ」
温泉なんて興味無い、金平糖があればどうでもいいみたいな反応をしているが、俺の目は誤魔化せない、温泉の話の時、目を輝かせていたのを俺は見た
「んじゃあ、来週の土曜日な、詳しい話はメールで送る」
「分かった」
そんなこんなで、俺らは居酒屋で解散した
その日の夜、俺は寝れなかった
いやいやいやいやいやいや、確かに恋人はいないって言った。だけど、好きな人がいないとは言ってないだろ?愛知の事も、普通の親友って感じで紹介した
本当は、俺は愛知がどうしようもないくらい好きだ
昔、俺は東海にいた。今は近畿だけど、諸事情あって東海に居候させてもらっていた
その時だ、その時に狂わされた
てか、東海の奴ら…つっても、静岡と岐阜だけど、あの二人も綺麗に王様の虜になってるつまり、東海はみーんな愛知になにか狂わされてんだな、面白いことに
つーわけで、来週の土曜日まで吐きそうになるくらい緊張してばかりだった
まともに飯が喉を通らなくて、大阪にクッソ心配されたけど、まぁ大丈夫だろう
土曜日になって、朝の6時に名古屋駅に集合した
「お、愛知!こっち!!」
「分かってる…」
少し…というより大分眠そうな様子の愛知。その愛知は何かを抱えていた
「ん?何抱えてんだ?」
「…分からんのか…?」
愛知が抱えているのは赤い見た目で服を着ている人形
その服には飛騨と書かれていて…ん?飛騨?
「お前それ…さるぼぼ…?」
「そうだが…」
愛知が抱えていたのはなんと大きなさるぼぼ
さるぼぼとは、岐阜県飛騨地方に古くからある人形の事だ
「何でそんな物を…」
「岐阜がくれた」
「やっぱりか…」
重度の愛知信者の岐阜は、自分の所の愛知が気に入りそうな物をすぐにプレゼントする。今回のさるぼぼもそういう事だろう
「中々可愛くてな、つい連れてきてしまった」
「!」
昔はしょっちゅう見せてくれていた優しい笑顔を、さるぼぼに向け、さるぼぼの頭を撫でる愛知
…何故、今俺は人形風情に嫉妬しているのだろう
「…愛知、そろそろ行こう」
「ん、分かった」
俺達が目指すのは長野
遠い所まで行けると思っていたが、まぁまぁ近い長野で神は悪戯好きだなと思ってしまった
数時間、バスに揺られながら長野へと向かっていく
「へぇ…長野だったんだな」
長野について、愛知の第一声はそれだった
「あぁ…旅館まで10分くらい歩くぞ」
「分かった」
地図を見ながら愛知を導く様に先頭に立つ
10分間、世間話をしながら歩いていたら想像より早く旅館へ着いた
「ほぉ…中々綺麗ではないか」
少し大きな古民家の様な見た目の旅館
秋ということもあり、紅葉が沢山落ちている
「んじゃ、さっさとチェックインしてくるわ」
「…外で待つのか?」
「綺麗な景色だろ?目に焼き付けとけ」
愛知を1人外に残し、俺はせっせと旅館の中に入る
旅館に入りチェックインを終えると、外で待っている愛知の元へ向かった
「愛知、チェックイン終わったぞ」
「嗚呼…分かった…」
愛知の目が見た事もないほどキラキラしている
(意外と子供っぽいんだな…)
そんなに外の景色に興味を持っている姿を想像できないタイプだし、珍しい気持ちなんだろう
「ほら、早く行くぞ。明日も見れるだろ?」
「そう…だな…」
名残惜しそうに俺の後を着いてくる愛知に少し申し訳なくなりながら、旅館の中に入った
「…..部屋は?」
「えっと…あ、あそこの細石ってとこ」
廊下の奥の部屋のドアを指さす
「細石…?小石とかそこら辺の意味か…」
「そうだな」
「…変な名前…」
「言うな!」
木の匂いが凄くする部屋に入って、荷物を置く
「なぁ、愛知?風呂の時間まで何しとく?」
さるぼぼを抱きしめながら、窓から見える景色を眺めている愛知に問い掛ける
「…何って?」
「トランプとか持ってきたけど」
リュックの中に入っているトランプを取り出し愛知に見せる
「…三重、貴様に質問攻めをする」
景色を眺めていた愛知は、俺の方を向いてそう言った
「体重とか聞くなよ?」
「貴様は女子か?まぁよい、まず1つ目」
ゆっくりと俺の隣に陣取ると、さるぼぼを撫でながら愛知は俺に1つ目の質問を始める
「貴様は…私が死んだらどうする?」
「最初から不謹慎だな!?」
初っ端から不謹慎極まりない質問をしてきた
まぁ、答えは決まっているが
「そうだな…お前の隣で自殺する。あ、後お前と死因が同じだといいかな」
「…ふーん…」
自分から聞いてきた癖に余り興味の無さそうな態度だ
ちょっとムカつく
「じゃあ次、もし私が貴様に死にたいと言ってきたらどうする?」
「まーた不謹慎だな!?」
少なくともさるぼぼを撫でながら話す内容ではない気がする
「そりゃあ…心中を提案する…かなぁ…?」
「心中…まぁ、先程の質問の返答を考えるとだと思ったが…」
「何か悪いか」
「いや、別に…逆に嬉しい…かも…な…」
「…..は?」
正直、信じられなかった
だって…だって…
彼奴がこんな事で嬉しいなんて言うと思ってなかったから
「…じゃあさ、今度は俺から質問やら問題やら出ていい?」
「構わない」
「じゃあ…味噌カツの発祥は?」
「私を舐めているのか?お前」
「味噌カツが有名って散々言われてる都道府県は?」
「私…だな」
「泣いていいか?」
「なんかすまん…」
そう、味噌カツの発祥の地って…
俺やねん!!何が名古屋発祥じゃぶちのめすぞ!!!!
と、この様にしょっちゅう爆発してしまうのでこの機会は普通に嬉しかったと言える
「んじゃ、次」
「もう気まずいのはやめろよ」
「分かってる」
愛知に釘を刺されたが…
少しだけ、気まずくなる質問をしよう
俺は愛知の抱き締めているさるぼぼを指さす
「俺が最初にそいつを抱きかかえてるお前を見た時、なんて思ったでしょ」
「…さるぼぼを…?」
さるぼぼを見つめながら、愛知は考え始めた
数分経って、やっと答えがでたようで、声を上げた
「可愛い…と思ったのか…?」
「不正解だ」
その答えまでもが…いや、辞めておこう
「む…では正解は?」
「正解はなぁ…」
俺は愛知が抱きしめているさるぼぼを無理矢理引き剥がした
「ちょッ…!?」
そして、グイッと愛知に近付く
「嫉妬したんだ、さるぼぼに」
「は、はぁッ…!?」
何が何だか分からないと言った愛知を他所に、俺は更に続ける
「俺、嫉妬とか殆どした事無かったから知らなかったけど…」
「み、三重…?」
「すっげぇ不快だわ、黒い渦みたいなのがずーっと体の中で暴れてるみたいで、吐き気するし頭いてぇし…」
その瞬間、俺は飛び掛るように愛知を抱きしめ、耳元で囁いた
「俺以外見て欲しくねぇって、俺以外に笑顔見せて欲しくねぇって思った」
「み…え…」
「なぁ、さるぼぼなんかより俺の方がいいだろ?」
「ッ…!」
少し愛知が震えてる
それが分かった瞬間、俺は我に返った
「!…ご、ごめん愛知!!今俺すげぇ気持ち悪かった気がする…うわッ…ぁ…マジで…ごめん…土下座する…」
俺は愛知から離れ、ガチ目に頭下げて謝罪した
「ッ…!…?…!?…!!??…?…!…!??!…///」
「…あ、愛知…?」
頭を上げて愛知の方を見ると、まるで紅葉みたいに顔を真っ赤にしていた
「愛知…?風邪ひいた…?」
もしかしたら風邪でもひいたのかもしれないと思い、愛知のおでこに手を当ててみる
「へぁッ…///」
「ん?風邪では無い…?」
おでこに手を当ててみても、熱がある時ほど熱くはなかった
「ビックリした…ごめんな愛知…」
「い、いや…次からは…その…気を付けろ…?」
「トランプするか…?」
「い、いや…ゲームが良い…」
「分かった…」
それから俺達は、温泉の時間までずっと歴史モノ(どうやら戦国時代だけは嫌らしいのでほかの時代)のゲームをしていた
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うん、続き欲し
うん好きッッ!!(急な告白)