テラーノベル
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「康二くん見ーっけ!佐久間くん、康二くんやっぱり居た!」
「集まるって言ったら此処だよな~。おっ、阿部ちゃん居んじゃん。久しぶりハマチー」
「ラーウ、とさっくん?ま~た賑やかなんが来たなぁ」
「…康二が言っちゃうんだ、それ。ラウール、佐久間、こんばんは。久しぶり。」
「いらっしゃいませ、二人とも。何か飲む?」
「ボクいつもの!あと何か食べたい、お腹ペコペコ~」
「あ、俺も〝いつもの〟。くぅ~…一度やってみたかったヤツっ!ね、ね、阿部ちゃん、俺格好イイ?」
「了解。俺チョイスで見繕うよ」
「はいはい。格好いいから、俺に凭れてないで座ろうね」
「ラウもや!椅子あんねんからちゃんと座りぃ!」
丁寧に、静かに開いた扉とは裏腹、一気に大輪の花が咲いたかの活気が店に広がった。馴染みの身長差22cmコンビだ。挨拶もそこそこに佐久間は阿部の、ラウールは向井の背中に張り付き、ちょっかいを掛け始める。
自慢のイケボイスを披露したのに軽くあしらわれ、少し拗ねながらも大人しく阿部の隣へ佐久間が落ち着く。
しかしラウールは向井の髪へ頬擦りして更に覆い被さる。致し方ない、意中の人にやっと会えたのだから。
だが、向井は致し方なくない。此方の意中の人が目の前で見…ないで料理に集中しているが、こんなにベタベタされると勘違いされてしまう。必死に藻掻きつつ懇願の囁きをラウールへ耳打つ。
「な…なぁ、ラウ。ちょい離れてくれへん?色々、そのぉ……マズいねんって」
「分かってるよ。大好きなだてさんに誤解されたくないんでしょ?」
「ばっ…~声デカいわっ!!バレたらどうすんやぁ!」
「「えっ、そこバレたらマズいの?」」
阿部と佐久間がハモって驚き、向井を見た。当の本人は頬を真っ赤に蒸気させて、纏わる腕をペチペチ叩いている。どうやらボケではないらしい。呆れて顔を見合わせる二人とは対照的にラウールは妖しく微笑み、向井の手を取り上げ甲へキスを落とす。
「~~…なに、すんね…っ!?」
「はい、ラウール。こっちは佐久間ね」
「ありがとう、だてさん。いただきます」
「にゃははっ、タイミング完璧。サーンキュ」
突然の触れ合いにキョドって向井が叫び掛けたが、絶妙な間合いで宮舘がグラスを両端へ滑らせた。スタイリッシュにそれを受け取り、漸く椅子へ腰を据えるラウール。佐久間はウインクで応え、取り上げたグラスを阿部へ傾ける。
「乾杯しよ、阿部ちゃん。…俺達の夜を祝って」
「ん?あぁ、俺達五人の夜にね。乾杯 」
「康二くん、ほら。か~んぱい♡」
「はぁ…~お前らホンマになんやねん」
全員が全員絶妙で、フライパンを振りながら宮舘は小さな笑いを零す。カチン。軽快な音の後、暫く経ってラウールが口を開いた。
「全部分かってるし、知ってる。それでもね、ボクは康二くんが好きなの。だてさんの事が好きな康二くんも引っ括めて、全てが大好きで愛おしいんだよ」
「わ~お♡言うじゃん、ラウ。かっけー!」
「素敵な言葉を聞けてご馳走様って言っておこうかな、此処は」
「………だからっ、聞かされてる俺はどないしたらいいん?ラウぅ…」
飲まないとやってれない向井が酒をチビチビ舐めつつ、惑う目をラウールへ馳せる。真っ向から慈愛の眼差しで受け止め、大人びた微笑みで向井を包む。
宮舘は敢えて無言を貫く。ホストとして、一友人として。
「康二くんの気持ちは康二くんのものだから、ボクに聞かないで。一つだけ言えるとしたら、康二くんが出した答えにボクは異を唱えないよ、かな」
「も~~う!なんやねん何回言わすね~んっ!……だて、おかわりっ!」
向井は言い放ち様一気に飲み干し、空になったグラスを前へ突き出す。見守るラウールの慈愛がますます濃くなった。そんな中、耐え切れなくなった阿部が深い溜息を吐き、佐久間の肩へ腕を回す。
「…ヤバい。今日尊いが渋滞し過ぎ。佐久間、もう一回乾杯しよう」
「…勿論、喜んで。阿部ちゃんから抱き寄せてくれんの、何気に初めてじゃない?」
嬉しさを満面に咲かせた佐久間が阿部の腰を抱き寄せた、その時。扉が開く音と同時に低い声が室内に響く。まるで地を這うようなそれは、一人の名前を疑問符付きで呟いた。
「え………阿部、ちゃん …?」
コメント
4件

絶対そうだよね🖤登場 嫉妬混じりの叫びなのかな
🖤の登場????