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~冒険者ギルド~
オレとマリーとフラムさんの3人は冒険者ギルドを訪れていた。
「なんか久しぶりに来たって感じがしますね。」
オレがそう言うと、
「ここのところずっとススムさんの看病で来ていませんでしたもんね!」
マリーがこちらを見ながら言ってきた。
それは何か?
まるでギルドには来たかったけど、お前の看病があるせいで来れなかった的なことかと思ったが、聞くのが怖くてオレは聞き返すことを躊躇った。
受付にて、フラムさんのパーティ加入の手続きを行った。
毎回パーティ加入の際には加入する人の血液をリーダのギルドカードに垂らすことになっているらしい。
ギルドカードの材質は一体何だって話になるが、どうやらそれを解析するのは今度になりそうだ。
受付の奥から、一人の190cmはあるかという耳の尖った長身の男が現れた。
その男が放つただならぬ雰囲気についオレは鑑定をしてみることにした。
名前:ロンメル
種族:エルフ
性別:男
Lv.57
クラス:ギルドマスター
◆パラメータ◆
体力:367
筋力:388
魔力:499
物理抵抗力:395
魔力抵抗力:460
精神力:473
器用さ:422
素早さ:391
◆装備◆
武器:慧敏さを宿す杖(+95)
防具:精霊王の法衣(+100)
◆アクティブスキル◆
《瑠璃魔法Lv.8》《魔力増強Lv.7》《魔力制御Lv.7》《付加魔法Lv.6》《精霊召喚Lv.6》《鑑定Lv.6》
◆パッシブスキル◆
《全属性耐性Lv.7》《全状態異常耐性Lv.7》《自動魔力回復Lv.7》
◆ユニークスキル◆
《絶対零度の世界》
◆称号◆
リーヨンのギルドマスター
元Sランク冒険者
「君が天童進君だね?」
「む?なんでオレの名前を知っている?」
「簡単だよ、鑑定をしたんだ。」
「今君がしたようにね―――」
男は不敵な笑みをこちらに向ける。
こちらが鑑定を持っていることがバレている―――
「やっぱりあんたただものじゃないみたいだな。」
「ギルドマスターさん!」
「えっ、この人ギルドマスターさんなんですか!?」
マリーは驚いて、進とギルドマスターを何度も交互に見る。
「フラムさんは知っていたんですね―――」
「ああ、魔坑道のクエストの時に大分お世話になった。」
「そういえばギルドマスターに頼んだと言ってましたね。」
進は再度ギルドマスターの方を見返す。
「―――で、そのギルドマスターさんがオレたちになんの用ですか?」
「実は君たちってより君の噂を聞いてね。」
「何でもあの伝説の化け物サンドルとただ一人で立ち向かった少年がいて、さらにそのサンドルの腕を斬り落としたとかなんとか。」
「ええ、それはオレの事ですね―――」
「でも奴はそのあとすぐに腕をくっつけましたけど。」
「まさかそのことを直々に褒めに来たってわけでもないでしょう?」
「ああそうだね、実はつい2日前に獣人の国クロヴィスが魔王軍に占領されたって報告が来てね。」
「あの強国であるクロヴィスが堕ちただって!?」
フラムさんが思った以上の反応で驚く。
「その国はそんなに強いんですか?」
オレは聞いてみた。
「ああ、強いね。」
「そこに所属する兵士一人一人はBランク冒険者相当それが何万もいるって話だ。」
「さらにそこの国王は元Sランク冒険者として名を馳せたお人らしい。」
「―――で話を戻すが、ウチの国の王様が昔そこの国の王様レオ様っていうんだけど。」
「大変世話になったらしく、その御身を心配されている。」
「そこで、君たちに調査を頼みたいらしい。」
「そして、できれば国王、王族を救出せよとのことだ。国王直々の指名だよ。」
「まぁ一応聞きますが、拒否権はありますか?」
「う~ん、まぁなくは無いけど、これは君にとっても悪い話ではないだろ?」
「異世界から来た人よ。」
なんでそのことをと思ったが、この人は鑑定のスキルを持っている。
そして、恐らくその持ち前の情報網でオレについて調べたといったところか。
しかもオレが眠っていたこの短期間で―――
やはりここのギルドマスターはかなり曲者のようだ。
「だけどオレとマリーはまだEランク冒険者ですよ。」
「そんな初心者に任せて大丈夫ですかね?」
「何だそんなことか。」
「そんなの僕の力でどうとでもなるよ。」
「君とマリー君は今日からCランク冒険者だ!」
「元々2人ともそれ以上の実力は持っているみたいだしね、改めて実力試験をする必要もないだろう。」
なんだか雑に冒険者レベルが一気に上がったみたいだった。
「まぁオレ自身未央の情報が聞けるなら行きたいが他の二人はどうだ?」
「私は構いません!」
「俺も問題ない!」
何とあっさりと次の目的地が決まってしまった。
「でもそのクロヴィスまでどうやって行くんだ?」
「この街には転移ゲートがあるそこから、クロヴィスから少し離れたアクアマリノって街に転移してそこから歩いてクロヴィスまで行ってもらう。」
やれやれしょうがないか―――
二人ともやる気みたいだし
「いつ出発すればいいですか?」
「そうだねできるだけ早い方がいいから3日後とかどうかな?」
「わかりました。それまでは準備させてもらいます。」
「あっ、それから3人とも新しくパーティになるならパーティの名前を今度決めてもらうよ。」
「いつまでも名無しだとこっちとしても扱いづらいからね。」
そうギルドマスターに釘を刺されてしまったので、オレたちのパーティの名前を考えてくるという宿題を与えられてしまった。
「任せてください!いいの考えてきますよ!」
オレは笑顔で返答をした。