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桜と抹茶のホイップパフェ
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#ラウール
宮ちゃん
74
#あべさく
@@ 璃 玖
4,055
阿部ちゃんとお試しの交際を始めてからの三ヶ月は、俺の33年の人生の中で、間違いなく一番幸せな時間だった。
楽屋でも、俺が「あべちゃぁん、あーん!」ってお弁当の唐揚げを差し出せば、阿部ちゃんは顔を真っ赤にしながらも、ちゃんと食べてくれる。
その仕草がいちいち可愛すぎて、俺の心臓は毎日爆発寸前だった。
ソファーの向こう側では、目黒が康二の頭を撫でていた。
撫でられた康二は一瞬で耳まで真っ赤になって、
橙「な、何やねん目黒ぉ!」と大慌てでバタバタと離れる。
それにしても、康二は本当に分かりやすいなぁ。
めめ以外のみんなには、康二の目黒に対する片思い、完全にバレバレなのに。
そんな康二を遠くから生温かい目で見守ってニヤニヤしているひーくんと舘さんの視線にも、俺は気づいていた。
すでにグループ公認で付き合っているいわふかの二人は今日も安定のラブラブだし、だてなべの二人の空気感に阿部ちゃんが後ろで密かに「尊い……!」って顔をしてるのを知ってて、俺は毎日が本当に楽しかった。
デートの時だって、繋いだ阿部ちゃんの手はいつも少し緊張したように震えていて、そのたびに「絶対に俺の手から離したくない」って、独占欲がどんどん膨らんでいくのを感じていた。
お試し期間なんて、俺にとってはただの『本物になるための助走』に過ぎなかったんだ。なのに――。
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ーーーーーーーー
三ヶ月が経った、ある日の仕事終わり。
メンバーがみんな帰って、静かになった楽屋で。
片付けをしていた俺の背中に、阿部ちゃんがぽつりと言った。
桃「佐久間。……もう、終わりにしよ? 別れよ。お試し期間、終了でしょ?」
その瞬間、頭を冷たい鈍器で殴られたみたいな衝撃が走った。
カバンのジッパーを閉める手が止まる。
心臓の音がフッと消えた気がした。
振り返ると、阿部ちゃんはいつも通りの、ちょっと冷めたような大人の笑顔を作っていた。
桃「え……? なんで、急に」
言葉がうまく出てこない。
喉の奥がカラカラに乾いていく。
緑「だって、もう三ヶ月経ったし。お試し期間、終了でしょ?」
そんなの、嘘だ。
阿部ちゃんは今、俺の前で完璧な『嘘の笑顔』を作っている。
頭の良い阿部ちゃんが、俺をこれ以上近づけないように境界線を引いたんだと分かって、俺の頭は真っ白になった。
気づけば、阿部ちゃんの一歩前に詰め寄って、その両肩を強く掴んでいた。
掴んだ指先が、情けないくらいにガタガタと震える。
桃「……俺、冗談じゃないよ?」
声を張る余裕なんてなかった。
低く引き攣った声が、自分でも驚くほど怒りを孕んで響く。
桃「本気で阿部ちゃんのこと好きなんだよ。お試しなんて思ってなかった……!」
冗談なんかじゃない。
最初から、翔太に言われたあの日から、俺はずっと本気で阿部ちゃんの恋人になりたかったんだ。
それなのに、阿部ちゃんは俺の手を思い切り振り払うと、見たこともないくらいに悲しそうに目を歪めて叫んだ。
緑「嘘つかないでよ! 佐久間は俺の気持ちなんて、何も知らないくせに……っ!」
桃「あべ、ちゃ……」
呼びかける声も届かず、阿部ちゃんは逃げるように楽屋を飛び出していってしまった。バタン、と閉まったドアの音だけが、静かな楽屋に虚しく響く。
俺は一人、その場にへたり込んだ。
阿部ちゃんが最後に言った言葉の意味が、どれだけ考えても分からなくて、ただただ絶望が胸を締め付けていく。
(俺の気持ちなんて、何も知らないくせにって……どういうことだよ……)
それからの俺たちの空気は、人生で最悪のものになった。
楽屋にいても、阿部ちゃんは俺と一切目を合わせてくれない。
話しかけることもできない。
自分の無力さと、阿部ちゃんを傷つけてしまったかもしれないという恐怖で、俺は完全に壊れかけていた。
コメント
1件
いや、もう、第7話ヤバすぎた……! 三ヶ月の幸せな日常からの、あの「終わりにしよ?」の衝撃。阿部ちゃんが作った“嘘の笑顔”の描写で胸がギュッと締め付けられた。最後の「俺の気持ちなんて、何も知らないくせに」がどういう意味か気になりすぎて、続きが待てないよ……。二人のすれ違い、切なすぎる。