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あすたside
電話から帰ってきた優真さんの口から聞き慣れた名前が飛び出してきた
あす「つ、つきのとごんざぁ!?」
じお「あのお二人もいるんですか…!?」
知り合いですか?と問われ
もげそうなほど首を縦に振る
あす「なんで二人が…?」
こむ「どうせ彼奴等のことやし迷惑でもかけてお詫び〜とかやろ」
ゆー「きゅーちゃんとそーちゃんならあり得る」
絶対そうだと言わんばかりの優真さんから察するに
その仲間の二人の人間性がわかる
こむ「まぁ知り合いなら気まずないやろ、行こや」
そう言われるがまま、僕達は森を歩いていった
つきのside
お詫びがしたいということらしくて
麗さんが電話をしにそそくさと離れていく
想さん曰く
明るい仲間だから大丈夫、らしいが…
つき「‥ごん、どう思う?」
想さんに聞こえないように耳打ちする
ごん「裏があるわけでもなさそうだし、何よりこれは本当に素だと思うから安心していいとおもうけど…」
こそこそと話していた僕達に想さんはこういった
そう「もし僕達が危ないことしだしたら殺してもらっても構わないっすよ」
さらっと言っているがとんでもないことだ
それほどに信用してほしいのか
遠くから麗さんの声が聞こえる
れい「そーちゃん!オッケーだって!」
そう「了解っす〜!」
その声に返して、再び僕達の方を向いて言う
そう「ついてくるのは、君たちの自由っすよ」
嫌だって言うなら、帰り道くらいなら教えてあげるっす
そう少し落ち着いた声でいう想さん
つき「あ…僕達は…」
4人、森の中を歩く
ねむろside
車をしばらく走らせた先
D国の国境を超え、更に向こう
せい「たくぱん、電話」
たく「あ?…ああ、はいはい」
一言二言だけで会話を済まし携帯を操作し始める
たく「あ、もしもしゆーまくん?」
電話先の相手と会話を始める
聞いていいのかよくわからなかったが、
車という環境下で電話を始めるということは聞いてもいいってことだろうと開き直る
たく「そう____、回収___…うん、わかった‥オッケー」
舗装されていない故揺れまくる車内で聞き取れたのはそれだけ
電話を切った拓人さんが少し声を張り上げてこちらに言う
たく「今から俺等の家に行くよ、そこで一旦色々話そう」
ねむ「あ、はい。わかりました」
そろ「おっけーです!」
元気があってよろしい、と頷き
再び前を向く拓人さん
なんでこの人たちをこんなに信頼していしまうんだろうなんて考えは押し込む
眠気の奥でなにか言っている気がするが、よく聞こえない
俺は襲ってきた睡魔に抗わず、瞼を閉じた
あすたside
優真さんたちについて行ってついた家
辺りは薄暗くなっていて今日はもう帰れそうにないなとはるさんに電話だけしておこうとすると
ぎめ「すまんな、俺等色々あってここで暮らしてんの隠しとるからさ、宿に泊まるって体にしてくれんか?」
そういう義盟さんの指示に従って、
はるさんには宿に泊まるっていう体で連絡を入れた
一応理由を聞いたが悲しそうな顔をして何も答えてくれなかった
昔メメリ国に住んでいたんだという二人としばらく話をしたりしていると
木でできた扉が叩かれる
??「こむさ〜ん!」
??「ただいまっす〜」
つき「お、おじゃましま〜す…」
ごん「こんちわ〜…」
ピンク髪の人と恐竜の被り物の人
そして見慣れた二人
あす「あ、つきごんだ」
そういうとこちらに気づいたらしく、ひどく驚いた様子だった
つき「え!?あすじお!?なんで!?」
あす「なんでって…聞いてないの?」
こむ「きゅーちゃん、ちゃんと二人に伝えたんか?」
??「え?…ッあ…」
どうやら伝えそこねていたらしい
こむ「紹介するな、こっちのピンクは麗、んで恐竜が想」
そう「よろしくっす。あすたさんとじおるさんのことは二人から聞いてるっす」
じお「よろしくお願いします。」
れい「つきの君、ごん君こっちの筋肉モリモリな方がこむさんで、あっちのシュッとしてる方がゆーまくんだよ!」
こむ「よろしゅうな!」
ゆー「あと二人いるはずです。今日中に帰るとは言ってたので明日紹介しますね」
とことん賑やかな人たちだなと、渡されたカップを握りしめる
はるさんたちもきっと気にいる
いつかまたはるさんたちを呼んで遊びに来ようかな
そうして、湖畔の家で一晩を明かした
明け方だった
扉が乱雑に開けられる音、ドタドタという数人が入り込む音で目がさめた
泥棒か、強盗か、もしかしたら山賊!?
ビビりながら恐る恐るリビングを覗くとオレンジ髪のガラの悪そうな人と
フードを深く被った明らかな輩二人
聞き取れないが小声でなにか話している
もう少し近づけば聞けるかな…
そう一歩足を出すと
扉が軋む音がなる、静かだった家にやけに響いた
ゆうらりとこちらを振り向く二人組
見つかった、殺される
あす「ひ‥」
あまりの恐怖に喉が鳴ってしまう、息が止まる
義盟さんを呼ばなくちゃと思うが足がすくんで動けない
フードの男が此方に歩み寄ってきた
??「あ…ごめん起こした?」
だけどかけられた言葉は思ったよりも優しくて、落ち着いたものだった
あす「えっと‥いえ…大丈夫…です…」
差し出された手を取って立ち上がる
気づけばフードの男の後ろにオレンジ髪の男も居た
??「俺は拓人、話はゆーまから聞いてるよ。よろしくあすた君」
??「俺は天才清太様、よろしくな」
たく「突然で悪いけど、ゆーまに伝言しててくれない?忘れ物したから行ってくるって」
せい「あと、こいつら頼む。俺らの部屋使ってええし」
そう言って指ささた先には眠りこけているそろもんとねむろ
これを運ぶのは骨が折れそうだ
たく「ごめんね、それじゃあ」
そう言ってあっという間に飛び出していってしまった
あす「あ…は、はい…」
俺のどもった声だけが、虚しくその場に響いた
次回『帰国そして』
うっかりで「拓人」って書かなきゃいけないところを「たくぱん」って書いたりしちゃうからすげぇ怖い