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「…おい聞いてんのか。顔色が紙より白いぞ」
中也の声が霧がかかった太宰の意識を叩き起こした
ヨコハマの古びた倉庫街
潮風が吹き抜ける中、太宰は珍しく軽口も叩かず片手を下腹部に添えて立ち尽くしていた
「なんだかお腹で小さな怪獣が暴れてるような気分なんだ」
「それもすごく足の遅い重たい怪獣がね」
太宰は冗談めかして云ったがその声は薄く震えている
普段の任務で負う傷の痛みなら彼は鼻歌交じりに耐えられる
だがこの内側からジワジワと掴まれるような鈍痛はどの戦闘経験にも当てはまらなかった
「怪獣だぁ?妙なもん食ったんじゃねぇのか」
「さあね。でも心臓の鼓動に合わせて腰まで鉛を詰めたみたいに重い…少し座らせて」
太宰が力なく地面に崩れ落ちそうになるのを中也は舌打ちしながらも素早く方を貸して支えた
中也の体温が伝わった瞬間太宰は無意識にその熱源へ寄り添う
「ちっ、熱っぽいな」
「手前さては無理してやがったな」
〈日常に役立つ知識:予兆期の過ごし方〉
太宰が感じている重だるさはホルモンバランスの変化で水分をため込みやすくなることで起こります
食事の工夫…この時期は塩分を控えめに。むくみが軽減されて腹部の張りが楽になります
リラックス…いつもと違うと感じたらそれは体が休めというサインを出している証拠。アロマを焚いたり好きな音楽を聴いたりして自律神経を整えるのが一番の薬
「太宰。これはただの風邪じゃねえぞ…………おい!」
太宰の視界がチカチカと明滅する
貧血の気だるさが全身を支配し中也の呼ぶ声が遠のいていく
中也は焦燥を隠せず自分の外套を脱ぐとそれを太宰の細い体にぐるぐると巻き付けた
「中也重いよ…君の愛が重すぎる」
「黙れ青鯖。冷やして余計悪化したら首領に報告できねぇだろうが」
中也は乱暴な言葉とは裏腹に太宰を背負い上げる
このときの二人はまだ知らない
多くのはじめてに頭を抱えることになることを
静かに…だが確実に太宰の体の中で初めての嵐が渦巻き始めていた
この小説では皆さんの日常生活で役立つような知識を全話に挟んでいこうかなと思います
全女子の皆さんの役に立てたらなと思います
それでは