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あずき_29
えいと@1ヶ月間妹書いてます
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「放課後ラムネ1本」
ペニガキ組
姐さん(中学の頃の友達)に切ない系多すぎる言われてな?ただの青春書こうぜってなった
⚠なんでも許せる方のみ
⚠口調行方不明です
「また一本だけかよ」
放課後、いつものベンチ。
ビニール袋を覗き込んで、俺はため息をついた。
「「「いいだろ、これで足りるって」」」
「足りねぇって毎回言ってんだろ」
「早く開けよ」
「「「急かすなって」」」
カチン、とビー玉を押し込む音が鳴る。
それだけで、なんか始まった感じがする。
最初に飲むのは、だいたい俺。
「ほい」
渡されて、受け取る。
冷たい瓶を持って、一口。
しゅわっとした炭酸が喉に抜ける。
「……うま」
「「「だろ」」」
「だから一本じゃ足りねぇって」
そのままうみにゃに渡す。
うみにゃは少しだけ嬉しそうにしてから、口をつけた。
「「ん、おいしい」」
「「「俺にも寄越せ」」」
「「お前は買えよ」」
「「「俺が買ってきてんだけど?」」」
言いながらも、結局DDにも回す。
三人で一本。
それが、いつの間にか当たり前になっていた。
次の日も。
その次の日も。
「「「はい今日の分」」」
「だからなんで一本なんだよ」
「「「多いとありがたみ減るだろ」」」
「意味わかんねぇ笑」
笑いながら、また同じように回し飲みする。
暑い日も、風が強い日も、
なんとなく集まって、なんとなく飲んで。
「「今日だるかった〜、」」
「いつもだろ」
「「いや今日はマジで」」
「「「はいはい」」」
そんなくだらない話をして、
気づいたら日が傾いてる。
特別なことなんて、何もない。
でも、
その時間が、やけに心地よかった。
「「「……もうすぐだな」」」
「何が」
「「卒業じゃない?」」
少しだけ、間が空く。
「「「早かったな」」」
「「な」」
いつものラムネを開ける音が、少しだけ違って聞こえた。
その日も、三人で一本を分けた。
変わらないはずなのに、
どこか、少しだけ違った。
卒業式の日。
人が少なくなった校舎の前で、俺たちはまた集まっていた。
「「「はい、最後」」」
「ほんとに一本なんだな笑」
「「「当たり前だろ」」」
「最後くらい三本にしろよ」
「「それじゃ意味ない」」
カチン、とビー玉を落とす音。
やっぱり、この音だ。
最初に俺が飲む。
いつもより、少しだけ炭酸が強く感じた。
「……やっぱりうめぇな」
「「「だろ〜?」」」
うみにゃに渡す。
うみにゃは少しだけゆっくり飲んで、
「「やっぱこれだな笑」」
と、小さく笑った。
最後にDD。
飲み終わって、瓶を軽く振る。
カラン、と乾いた音が鳴る。
中身はもう、空っぽだった。
…終わりだね
誰が言ったのか分からない。
でも、誰も否定しなかった。
しばらく、何も言わない時間が続く。
風が吹いて、
少しだけ寒かった。
「「「……じゃあな」」」
「おう」
「「また…」」
それぞれが、歩き出す。
口の中に、ラムネの味が残っている。
しゅわっとして、少しだけ甘い。
それは、いつもと同じはずなのに、
どうしてか、
少しだけ、消えにくかった。
振り返ると、
さっきまでいたベンチが、やけに遠く見えた。
たった一本のラムネ。
それだけだったのに、
それが、全部みたいな気がしていた。