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ニキ。 ニキ 、⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯
sr 視点
ニキが走っていく。やっぱりシードが好きなんだろうな、って。俺まで視界がぼやけて。
でも足は止めなかった。涙を拭う。本当に辛いのはニキだから 。
「ニキ ……ッ 、」
ニキは振り返らなくて。代わりにスピードを早めて走り続ける。
辿り着いたのは学校の屋上だった。
りぃちょと付き合う、もっと前。シードも、りぃちょも、ニキも、みんなで仲良かった頃は ここで一緒に お弁当食べたなぁって
懐かしい思い出が蘇る。
ニキは肩で息をしながら、真っ直ぐ歩いて行って。
屋上の柵に手を掛けた。
何だかとても不安で。心がざわざわして。ニキの背中から目を離さなかった。
その瞬間だった、
ニキが柵に足を掛けた。
ニキの身体が半分、柵の向こう側に立つ。
そのまま乗り越えようと、もう片足を上げていて。
体が勝手に動いて、ニキの制服を後ろに引っ張った。
ドサ ッ 、!
二人で後ろに倒れ込んだ。
『なんで止めたの、』
感情の無い声。
今まで明るく話しかけてくれたニキとは程遠い声で。目に光がないような気がして。
「なんで死のうと 、ッ 」
『だって 俺、』
「……は?」
思わず声が出る。
「お前 、なにいって、」
またニキの目から涙が溢れて。本人は気づいていないようだ。
『俺ならシードを傷つけないのに。』
『なんで 、なんで……ッ ?』
ニキの目から また涙が溢れ出す。本人は気づいてないらしい。
『シードはりぃちょを選んだ 』
『じゃあ俺はもう ッ 、要らな ……ッ 、』
「俺じゃあかんの 、?」
沈黙が訪れる。
『ぇ 、は 、?』
「ニキを必要とするのが、俺じゃあかんかな、」
「俺 ッ 、は、 …ニキの事 好き 、」
『ボビー は無理しなくていいよ』
『俺の事好きな人なんて、⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯』
「…………ッ 、」
それ以上聞きたくなかった。
ニキの唇を指で塞いで
触れるだけの優しいキスをした。
「信じてや。 俺は優しいニキが好き 、やで、」
恥ずかしかったし、引かれるかもという不安が無くなった訳じゃない。今後どうなるかも分からない。
でも今はニキに伝えたかった。ニキを必要としている人がいる。好き、って思う気持ちを。
「死なんといてや、ッ 」
ニキの顔がほんの少し柔らかくなった気がした。
『……ありがとう、』
そう言って微笑むニキはとても儚くて綺麗だった。