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真風菜(まふな)、子那恋(しなこ)、優佳絵(ゆかえ)、華音(はなお)の女子4人が
意外と早くから真風菜の家で勉強会をしている間
時守(ときもり)、空楽王(そらお)、礼王(れお)、鏡の男子4人はというと、たびたび遊びに行っては
「暇すぎる…」(空楽王)
だとか
「鏡ぃ〜、勉強ばっかしてないでゲームでもしようぜ?」(空楽王)
だとか言って過ごしていた。しかしこの男子4人の中で、テスト勉強始めていないのは空楽王だけであった。
あとは各自、嫌々ながらも家で多少は勉強を始めていた。そしてついにテスト期間が始まった。
「イヤベェ〜…勉強してねぇー」
と言う空楽王。
「え。ちょ、鏡、見して」
迷惑な話である。鏡はうんとも嫌だとも言わずに勉強に集中していた。
その鏡を後ろから抱きしめるようにして鏡の肩越しに教科書やプリントを見る空楽王。
「今回ヤバいかも」
とメガネを左手でメガネを挟むように掴み、少し位置を整えながら微笑みながら言う礼王。
「オレもあんま勉強してない」
と少し笑う時守。ちなみに空楽王の「勉強してない」は本当のことだが
礼王と時守の「勉強してない」は保険である。そこまでいい点を取れると思っていない礼王と時守は
いい点を取れたら「いや、あんま勉強してなかったんだけどね」と照れながら言えるし
そこまでいい点じゃなかったときは「だよね」と言える。
勉強をしている者の「勉強してない」は無敵の盾なのだ。空楽王と同じく勉強が苦手な子那恋と優佳絵は
真風菜の家で「これだけ覚えたら赤点は取らないのではないか」というのをまとめたプリントを
独自に作っており、それを必死に暗記しようとしていた。
優佳絵が部活の顧問の先生から赤点取るなよと釘を刺されていたため
早めに勉強を始めることになった優佳絵。3人が集まるなら、ということで一緒に勉強をしていた子那恋。
しかし子那恋も優佳絵も勉強が好きではない。
なので4人で真風菜の家に集まったときは、かろうじて勉強をしていたが
家に帰ったら点で勉強をしていなかった。
テストの数日前も真風菜の家で勉強したが、テストの前日ですら
〜
優佳絵は家族と夜ご飯を食べ、お風呂に入り、自分の部屋へと戻った。
部屋には勉強机などなく、ベッドの前にローテーブルが置いてあるだけ。
可愛いぬいぐるみやアイドルやアーティストのポスターはなく
女子の部屋というよりは小綺麗な男子の部屋に近い。
ベッドの足元にはハンガーラックが置いてあり、そこには普段着る制服などがかかっている。
そのハンガーラックの足元にはバスケットボールやスクールバッグが置いてある。
優佳絵はスクールバッグからクリアファイルを取り出す。
それを持ってベッドを背もたれにしてローテーブルを前にして座る。
クリアファイルから真風菜や華音に教えてもらってまとめた
「これだけ覚えれば赤点は回避できる」というプリントを取り出す。
クリアファイルとプリントをローテーブルの上に置いて
「やるか」と言わんばかりに胸を張るように、肩甲骨をくっつけるようにして首を左右に倒す。
そしてプリントを持ち上げる。
しかし2分も経たずして「休憩」と言わんばかりにプリントを置いてベッドに体を預ける。
そのまま背中で這うようにベッドに上がり、うつ伏せになり
枕元に置いてあったテレビのリモコンでテレビをつけてテレビを見始める。
しばらくテレビを見て、コマーシャルになったらスマホをいじって
そんなことをしていたら12時、0時近くになった。
ま、朝学校でやるか
と思い寝ることにした。
子那恋も家族と夜ご飯を食べ、お風呂に入り、姉と一緒にリビングのソファーで
バラエティー番組をテレビで見ながらケラケラ笑っていた。
「しーな(子那恋の呼び名)もうそろテストじゃないん?へーきなん?」
と子那恋の姉、恋呼音(ここね)が子那恋に言う。
「あぁ〜。明日だぁ〜」
「マジ?大丈夫なん?」
「だいじょーぶー…じゃね?知らんけど」
「去年も同じようなこと言ってバリバリ赤点じゃなかった?」
「ふふぅ〜ん」
謎に自慢げな、ドヤ顔をする子那恋。
「なに?バレないカンニング方法でも編み出した?」
「ちゃうわい!」
「んん〜…。なんだ?」
「ここ姉(ねえ)は妹がちゃんと勉強するって考えにはいたらないの?」
「えぇ〜。しーながちゃんと勉強?」
と恋呼音がしみじみ言ってから
「ぷっ」
っと吹き出して笑う。
「ないないないない!怖い怖い!下手なホラー映画より怖いって」
「ここ姉」
ムッっとした子那恋が恋呼音にくすぐりを仕掛ける。姉妹戯れ合う。
「はあ…で?本当のところは?」
「勉強したのだよ」
「えっへん」と胸を張る子那恋。
「…いいから。ほんとのこと教えろって」
「ガチだから。友達ん家(ち)でやってたんだから」
「え、マジで言ってんの?」
頷く子那恋。
「ヤバッ。明日隕石降ってくんじゃね?」
「ヒドすんぎ」
「じゃあ赤点はないと」
と恋呼音が言うと口笛を吹きはしないが、口笛を吹くように口を尖らせる子那恋。
〜
という感じで優佳絵と子那恋はテスト前日ですら勉強をしなかった。
そのため朝必死でまとめたプリントを凝視していた。そんなこんなでテストが始まった。
しっかりと問題を読んで解いていく者(時守、礼王、真風菜、華音)
必死に思い出して解く者(鏡、子那恋、優佳絵)
選択肢の問題をテキトーに答えて、解答欄に知っている単語をテキトーに書いて埋める者(空楽王)
そんなそれぞれの過ごし方で中間テスト期間は終わった。
「終わったぁ〜!」
勉強していない空楽王が一番嬉しそうに伸びをする。
「あぁ〜…人生で一番勉強した…」
と疲れ果てて机に頬をべたーっとつける優佳絵。
「それな」
同じように机に頬をべたーっとつける子那恋。
「どうだった?」
と華音に聞く真風菜。
「んん〜。良くはないかな」
苦笑いで答える華音。
「時守ーどうだった?」
礼王が時守に聞く。
「んー。まあ、って感じ?礼王は?」
「オレはー…。まあ、赤点はないかなってくらいかな。鏡はどうだった?」
と礼王と時守が鏡のほうを向くと、鏡は真っ白になって上を向いていた。
「あれ?逝ってる?」
「逝ってるかも」
「アンナニ勉強シタノニ、全然良ク出来ナカッタ」
と天井に吐き出す鏡。
「あらら…」
「じゃ、残念会しよーぜー!」
と鏡の肩に腕を回す空楽王。ということで学校終わり
「はい!かんぱーい!」
と満面の笑顔でグラスを上げる空楽王。
「「かんぱーい」」
「乾杯」
グラスを上げ、それぞれのグラスにカキン、コキンとあて乾杯する4人。
ファミレスで小規模な打ち上げ?を行っていた。
「いやぁ〜。とりま乗り切ったな」
と一番勉強をしていない空楽王が「やり切った」的な感じで
胸を張るように、肩甲骨をくっつけるようにする。
「空楽王は勉強したの?」
と笑いながら聞く礼王。
「じぇーぇ〜んじぇん(訳:全然)」
「なんだそれ」
笑う礼王。
「そーゆー礼王ちんは?」
「まあぁ〜…。しなくはなかったけど、棍詰めてはしてないかな」
「したんだ?」
「まあ多少は」
「ヤッバ」
「なんでよ」
笑う礼王。
「え、トッキーは?」
「まあ、多少?」
「すごっ。家で勉強できんのがまずスゲェわ」
「ハードル低くない?」
笑う時守。
「いや高ぇ高ぇ。エベレストかって」
「エベレスト」
笑う時守と礼王。
「んでぇ〜?鏡ちゃんは?勉強したのに思うように本領発揮できなかったと」
フライドポテトを食べる鏡に言う空楽王。
「あ、うん」
「家では?何時間勉強してたん?」
「…」
フライドポテトを咥えて、斜め上を見て考える鏡。
「…わかんない」
「そんだけ溜めてわかんないんかいっ」
とわざとらしくコケる仕草をする空楽王。
「いや、暇あれば勉強してたから」
とあっさり言う鏡に
「…え…」
と引く空楽王。
「キモ」
「キモいってなんだよ」
「いやキモいっしょ。暇さえあれば勉強?オレ暇あればゲームしてるか寝てるかだったぞ?」
「空楽王が勉強しなさすぎなんだよ」
「いや、ふつーの高校生なんてこんなもんっしょ」
その後もテストのことや、そこからテストと関係ないことに発展していった。
「オレもっと東京マウント?取られると思ってた」
と言う時守。
「東京マウント?」
と言ってからフライドポテトを食べる空楽王。
「あれでしょ?時守が北海道から来たから、田舎者ぉ〜みたいなの言われると思ったんじゃない?」
と言う礼王。
「あぁね?」
「いやぁ〜、まあ。いや、それは思わなかったかな」
と苦笑いする時守。
「あ、違うんだ?」
「うん。なんか、なんていうのかな。東京住んでますが?アピールというか」
「都会っ子アピール?」
と鏡が言う。
「そぉ〜…れに近いかな?」
「てか北海道も都会でしょ」
「都会…ではないと思うけど」
「大都市なのに?」
「でっかいどーなのに?」
空楽王が言う。吹雪が吹いたように寒くなる。
「大都市…でもなくない?やっぱ大阪、名古屋には敵わないでしょ」
「そうなん?人いっぱいでしょ」
「空楽王の大都市の基準よ」
「でもそうじゃね?人いっぱいいたら大都市っしょ」
「ちなみに人口だと東京が圧倒的1位で、たしかベスト5にも北海道は入ってなかったはず」
と言う鏡。
「ガチで!?」
驚く空楽王。
「たしかね」
「てか東京住んでるのが当たり前だから、なんかマウントとか取るって発想すらなかったわ」
と空楽王がソファーの背もたれに寄りかかりながら言う。
「たしかに」
「あれじゃない?東京出身じゃない人が東京住み始めて少ししたらやるんじゃない?
東京マウントって。マジで無益。しょーもなすぎる」
という鏡の考察に
「それか」
「それだわ」
と納得した空楽王と鏡。
「で、ムエキってなに?」
と小声で聞く空楽王。
「なんかみんなが温かく迎えてくれて嬉しかったわ」
と言う時守に
「なんだなんだぁ〜?デレ期かぁ〜?」
と言う空楽来。
「時守は空楽王の彼女か」
とツッコむ礼王。
「可愛いやつめぇ〜。ま、オレも礼王も鏡も、すでに時守のいつメンだから。な?」
と空楽王が礼王を見る。
「もちろん」
と微笑む礼王。
「な?」
鏡を見る。
「まあ」
「素直じゃないんだからぁ〜。この子はぁ〜」
「よーしよしよし」と犬をわしゃわしゃするように鏡の髪をわしゃわしゃする空楽王。
嬉しくて口角が上がる時守。
「しゃー!今日は鏡の残念会ということでとことん飲むぞー!」
とグラスを上げる空楽王。
「おい」
と言う鏡に
「「おー!」」
と言う礼王と時守。
一方の子那恋、華音、真風菜、優佳絵の女子4人はというと
「お疲れ様でした!」
とグラスを掲げる子那恋。
「お疲れ様でした」
「お疲れっした」
「かんぱーい!」
「「「かんぱーい」」」
と4人でグラスをあて合った。カキン、コキン、という音が響く。
テスト前に勉強していた真風菜の家でテストお疲れ様会も行っていた。
「いやぁ〜。華音様と真風菜様がいなかったら丸々赤点だったわぁ〜」
と後ろに手をついて、自分の手に寄りかかるようにして言う子那恋。
「それな」
同意する優佳絵。
「いやいや」
と手を振る真風菜。頷く華音。
「ま、返ってくるまで赤点の可能性はまだ全然あるけど」
と言う優佳絵に
「たしかに」
目を丸くして、真実に気づいたときの表情をする子那恋。
「ま、でも華音様と真風菜様と作ったプリントを覚えれば、赤点はないんだよね?」
「…たぶん?だいたい出てたよね?」
と真風菜が華音に聞く。
「うん。だいたい出てたと思う。全部暗記してたら35点くらいは取れてると思う」
「おぉ!35点も!ありがたやぁ〜」
と拝む子那恋。
「ありがたや」
と拝む優佳絵。
「いやいやいやいや」
「赤点じゃなかったらまた真風菜の家に、真風菜様と華音様に献上品持ってくるので。ね?優佳絵ー」
「もちろん」
「いや、いいっていいって」
「ご遠慮なさらずぅ〜」
そんなそれぞれのテスト最終日が終わった。