「あっ……、ああっ、ヴィンセントっ……」
ライラはヴィンセントに激しく穿たれていた。
ヴィンセントは彼女の指に自分の指を絡ませ、きつく握る。
「んあっ、あんっ……、んんっ、ああっ」
ライラの甘い声に煽られ、ヴィンセントはさらに速めた。
「あっ、はげし……ああんっ……んあっ」
ヴィンセントはライラをがつがつと貪る。
ふたりはとうに快楽に溺れ、行為に夢中だった。
「ヴィンセント……、ああああっーーーーー」
「っ……」
その瞬間、ふたりは同時に達した。
ライラは背をのけ反らせ、 ヴィンセントは熱いしぶきを彼女の痙攣が止まらない子宮口に注ぎ込む。
ライラが息つく暇もなく、ヴィンセントは素早く自分のものを抜いた。
ライラの局部から愛液と白濁が混ざったものが大量にあふれるが、構わず彼女を四つん這いにする。
そして、すぐに再び彼女を貫いた。
「ああぁああっーーーーー」
何度目かもわからない絶頂がライラを襲う。
ライラの腕はがくがくと痙攣し、身体を支えきれなくなってシーツに肘を突いた。
その上からヴィンセントは四つん這いになり、抽挿を再開する。
「ああっ……、きもちい、あんっ……あっ」
熱杭はライラの奥深くまでぐちゃぐちゃに穿った。
ライラはシーツをぎゅっと掴んで快楽に耐える。
そうしなければ、頭がおかしくなってしまいそうだった。
ヴィンセントは彼女のシーツを掴む手を包み込むように握る。
「あっ、ああっ……、ヴィンセント……」
ライラは嬉しくなって無意識のうちにヴィンセントの肉棒をきつく締めつけた。
「っ!」
ヴィンセントも快楽が増し、抽挿をさらに速める。
「ああんっ、はげし……っ、あっ、あっ」
寝台がぎしぎしと軋む音、肌を打ちつけ合う音、ふたりの荒い呼吸音、ライラの甘い喘ぎが部屋を埋め尽くす。
「あんっ……、んんっ、ああああっーーーーー」
「ぐっ……」
刹那、ふたりは同時に達した。
ライラの華奢な身体は痙攣し、視界ではちかちかと白い光が弾ける。
ヴィンセントはライラの中にたっぷりと白濁を注いだ。
度重なる射精で、ライラの中はもうこれ以上入らないほど満たされていた。
長い射精が終わると、ヴィンセントは彼女の耳に口づける。
「ライラ……、愛してる……」
ヴィンセントはライラを後ろから包みこむように抱きしめた。
もう慣れた温もりに嬉しく思いながら、ライラは首だけ彼の方を向け、ふわりと笑む。
「わた、しも、愛してる……」
ライラの心からの言葉に、ヴィンセントも笑みを浮かべた。
ふたりともこの上ない愛と幸福で満たされる。
互いが愛おしくて、大好きで、たまらなかった。
そしてふたりは交接を再開した。
ふたりの甘い行為は、朝になってもしばらく終わらなかった。
ヴィンセント・シュヴァーツは、シュヴァーツ侯爵家のひとり息子として生を受けた。
次期侯爵として、幼少期から勉強、馬術、剣術、礼儀作法などを叩きこまれ、苦しくて退屈な毎日を送っていた。
真面目で優秀なヴィンセントは両親や周りの人々から過度な期待を受けた。
毎日毎日、重圧に押し潰されそうだった。
そんなヴィンセントの日々に、一筋の光が差しこんだのは、突然のことだった。
ヴィンセントが八歳になる年のある日。
ライラという少女と引き合わされることになった。
聞けば、使用人であるイリスの娘で、自分より二つ下なのだという。
交友関係を心配した親同士が相談したとか何とか。
当時のヴィンセントはどうでもよく、くだらないと感じていた。
ライラと実際会うまでは。
彼女を一目見て、ヴィンセントは衝撃を受けた。
華奢で小柄な身体、濃いめの褐色の長い髪、白磁のような滑らかな肌、菫色の大きな瞳、整った目鼻立ち、愛らしい唇。
一瞬で心を奪われた。
俗に言う一目惚れだった。
ヴィンセントが見惚れていると、ライラは恭しく一礼した。
「はじめまして、ヴィンセントさま。わたしはライラ・ステイラーといいます」
ライラはそう言って一礼から直った。
その美貌には、笑みが浮かべられていた。
よく見ると表情には陰りがあり、瞳は淀んでいた。
一年前に父親を亡くしたばかりらしいから、まだ傷が癒えていないのだろう。
……彼女を元気づけたい。
彼女の明るいところを、光の部分を引っ張り出してみたい。
ヴィンセントは会ったばかりの少女に対してそんなことを思った。
それからヴィンセントとライラの友人関係は始まった。
週に何回か、ライラは侯爵邸に来るようになった。
ヴィンセントが文字の読み書きを少し教えたり、本を読んだり、庭園を散歩したり、食事したり、お茶したり。
一緒に過ごすうちにライラは心を開いていき、出会って一年後には、ヴィンセントの姿を見つけると駆け寄ってくるようになった。
そんな、ヴィンセントが九歳になった年のこと。
ライラはそれまで欠かさず来ていたのに、一週間全く来なかったときがあった。
ヴィンセントはまず、自分が何かしてしまっただろうかと疑った。
しかし心当たりが特にない。
であれば体調不良だろうか。
イリスに尋ねたところ、やはり高熱を出して寝込んでいたらしい。
ヴィンセントはイリスの許可を取って見舞いに行くことにした。
侯爵邸から歩いて数分、ライラの暮らす家はあった。
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