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#鬱展開
Mist-404
1,165
mogyumogyuGemi
646
東京都・新都心
ラルゴを中心に、大地は大きく陥没していた。
砕けたアスファルト。
横倒しになったトラック。
吹き飛ばされた信号機。
避難は進んでいるものの、戦場は一瞬の油断も許されない。
ラルゴは両拳を握る。
筋肉がさらに膨れ上がり、地面に無数の亀裂が走る。
Storonger(怪力)
「……潰す。」
ドンッ!!
一歩踏み込んだだけで衝撃波が発生し、周囲のガラスが一斉に砕け散る。
能研
「来るぞ!」
惣一の声と同時に、ラルゴが一直線に突っ込んだ。
狙いはソウヤ。
「ソウヤ!」
結衣が叫ぶ。
しかしソウヤは逃げない。
拳を構え、真正面から迎え撃つ。
ドォォォン!!
拳と拳が激突。
衝撃だけで道路が陥没し、周囲の車が宙へ浮き上がる。
「ぐっ……!」
ソウヤは数十メートル吹き飛ばされ、ビルの壁へ激突した。
バキィィン!!
外壁が砕け、コンクリート片が降り注ぐ。
力の差
ラルゴは無表情のまま歩み寄る。
「……弱い。」
ソウヤは立ち上がる。
腕は痺れ、呼吸も乱れている。
(まだ……届かない。)
(このままじゃ……。)
ラルゴは巨大なコンクリート片を片手で持ち上げた。
ビルの一部だ。
推定数十トン。
「終わり。」
振りかぶる。
イレイダ
「させるか!」
イレイダが一瞬で間合いを詰める。
居合。
一閃!!
鋭い一撃がラルゴの手首を狙う。
しかし、
ギィィン!!
またも筋肉が刃を受け止めた。
ラルゴは腕を振る。
「邪魔。」
衝撃だけでイレイダが数メートル後退する。
「チッ……!」
(やっぱり硬ぇ。)
ソウヤ
ソウヤは瓦礫の中で拳を握る。
(守れない。)
(俺じゃ……。)
その瞬間。
頭の奥で、誰かの声が響いた。
「焦るな。」
ソウヤは目を見開く。
(……誰だ。)
「力だけで勝とうとするな。」
「相手を見ろ。」
声は静かだった。
だが、不思議と安心感がある。
ソウヤはゆっくり立ち上がる。
人格変化
ソウヤの能力が静かに発動する。
transmigratio(人格転移)
風が止む。
周囲の空気が変わる。
ソウヤは静かに目を閉じる。
再び開いたその瞳には、先ほどまでの焦りはなかった。
「……。」
イレイダが振り返る。
「ソウヤ……?」
その雰囲気に違和感を覚える。
惣一も目を細めた。
(まただ……。)
(この人格になると、まるで別人になる。)
レイ
ソウヤは静かにラルゴを見る。
「なるほど。」
「筋肉を極限まで強化し、斬撃の威力を分散させているのか。」
初めて見るだけで能力の構造を見抜いた。
ラルゴは眉をわずかに動かす。
「……何者だ。」
ソウヤは答えない。
ただ一歩踏み出す。
その歩幅は小さい。
しかし次の瞬間。
──消えた。
「!」
ラルゴの視界から完全に姿が消える。
背後。
「遅い。」
ドンッ!!
ソウヤの掌底がラルゴの背中へ命中。
衝撃は一点に集中し、ラルゴの巨体が十数メートル吹き飛んだ。
「な……!」
タジが驚愕する。
「ラルゴを……押し返した!?」
イレイダは口元をわずかに上げる。
「やっと出てきたか。」
「その人格。」
分析
ラルゴは立ち上がる。
初めて表情に変化が生まれた。
「……強い。」
ソウヤは静かに構える。
「力比べでは勝てない。」
「なら、崩せばいい。」
その言葉には、普段のソウヤにはない重みがあった。
エピローグ
高層ビルの屋上。
グランとマランは戦いを見下ろしていた。
マランが静かに呟く。
「……あの人格。」
「普通じゃない。」
グランも僅かに目を細める。
「興味深い。」
「人格変化だけでは説明がつかん。」
マランはソウヤを見つめ続ける。
胸の奥に、言葉にできない違和感を抱きながら――。
第57話 完
コメント
1件
みぅだよ🤍🥀 第57話、めっちゃ熱かった…! ラルゴの圧倒的な破壊力に、ソウヤがただ押されるだけの展開から一転、**“人格変化”で切り替わる瞬間の空気感やばかった**。 「力で勝てないなら崩せばいい」って台詞、めちゃくちゃ痺れた。 普段のソウヤじゃない、どこか冷めてて研ぎ澄まされた“レイ”って人格、すごく気になる…。 終盤のグランとマランの会話も、なんかゾクッとした。 次が待ち遠しいよ🌙