登場人物
ツカサ…ある王国の王。何者かに殺害される。
ルイ…ツカサの重臣。容疑者。
トウヤ…貴族。
アキト…トウヤを守る騎士。何故か事件の捜査をしている。
ネネ…城のメイド。
from.アキト
城のある一室。開いたカーテンは風でなびいており、綺麗な紫を隠した。
「……この部屋、ツカサ様がくれたんだ。」
そう言って微笑むルイ様は悲しそうにも、満足そうにも見えた。
「この家具だって、ツカサ様が選んでくれたんだ。いらないって言ったのにね。」
やっぱり寂しそうに微笑む。
「……やっぱり、情があったんじゃないんですか?」
俺の問いかけにルイ様は、馬鹿らしそうに笑った。
「フフッ、そんな訳ないじゃないか。」
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「あ、トウヤ様の騎士の……」
「ん?あぁ、ネネか。」
「その…ルイ様、大丈夫だった?」
「まぁ…寂しそうではあったな。」
「そう……」
ネネは俯いた。
「ルイ様…ツカサ様の1番近くにいたから、やっぱりとても辛いと思うんだよね。」
「まぁ、たしかに…そうだろうな。」
「…もう帰るの?何か分かったこととかある?」
「あんまり。捜査っつっても、俺は戦い専門だからよ…頭使うのはどうも苦手でな。」
「そっか…なんでそんな奴が捜査してるのか謎なんだけど、出来るだけ早く解決できるように頑張ってね。」
「おう。」
……ん?
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from.ルイ
やはり、アキトくんに捜査を頼んで正解だったのかもしれない。僕の見立て…計画は完璧だ。
あとは……そろそろかな。
「……ツカサ様、おはようございます。」
「ん……?おお、どうだ?」
「今のところ完璧です。それより…本当にいいんですか?」
「何がだ?」
「その……」
「!?」
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from.ルイ
「アキトくん、また来たのかい?」
「忘れ物してしまって」
「おや?特にそんなものは見当たらないけど…」
「ツカサ様のご遺体、見せて下さい。」
「……何故だい?」
「この目で見たいんです。」
「分かったよ。地下室へ案内しよう。」
「これだよ。…あまり、何度も見たくないのだけれど。」
「この1度限りで大丈夫です。」
「そうか。」
「少し調べますね。」
「あまり触らないでおくれよ。」
「分かってます。」
「…ありがとうございました。もう大丈夫です。」
「満足したかい?それで、何か分かった事は?」
「あります。ルイ様、貴方は嘘をつきましたよね。」
「…おや、身に覚えがないねぇ。」
「具体的に僕はどんな嘘をついたんだい?」
「ツカサ様が死んだ……という嘘です。」
「狂言だったとでも言いたいのかい?ふざけているのなら怒るよ?」
「ふざけてません。けど、証拠はありません。」
「証拠がない?はぁ、君は何を言ってるんだい?」
「初めから貴方は、事件を解決する気なんてありませんよね?むしろ、解決して欲しくないんでしょう?」
「下らない妄言を……不愉快だ。」
「これには根拠があります。」
「聞かせてもらおうか。」
「俺に捜査をさせた事です。」
「……それは僕が頼んだ訳では無い。君が勝手に始めたんだろう?」
「いいえ。貴方に頼まれました。」
「仮に頼んだとして、何故それが根拠になるんだい?」
「それは俺に捜査させるなんて無謀だからですよ。自虐する訳でもないですけど、俺は頭があまり良くないですし。」
「まぁ、たしかにね。それなら、僕が調べた方が早いかもね。」
「そうです。けど、貴方はそれをしなかった。」
「ツカサ様が遺した仕事があったからだよ。」
「それなら他の人に頼めば良かった。優秀な捜査官はたくさんいます。」
「適任が君だと判断したんだ。」
「ええと、埒があかないのでハッキリ言いますね。正直に答えてほしいです。」
「僕に答える義務はないだろう?」
「あります。だって貴方は俺に協力すると言ったんですから。もしかして、嘘をついたんですか?」
「…嘘は良くないね。分かった、答えよう。」
「ツカサ様を殺したのは貴方ですか?」
「ちょっと待ってね……うん、答えは『いいえ』だね。」
「今の間は何だったんですか?」
「殺すの定義を考えていたのさ。」
「そんな考える必要あります?普通、すぐ答えられるものじゃないですか?」
「そんな訳ないだろう。そんなのよっぽど判断力がある人か、馬鹿かのどちらかだよ。」
「分かりました。質問を変えます。」
「ツカサ様は生きていますか?」
「……いいえ。」
「今の間は?」
「生きているの定義を考えてたのさ。」
「はぁ……そうですか。あえて聞かないでおきますね。」
「そうしておくれ。」
「では次。ツカサ様は貴方に恋情を抱いていましたか?」
「………………………………」
「ルイ様?」
「……こっちが聞きたいよ、、、」
もう、駄目かもね。本当に……何がしたいんだい?
ツカサ様。
.Next
コメント
7件
犯人るいくんなの!?やばいるいくん推しでもあるから少し落ち着いて見れない
そんなこと想像していないよ…!!!!!!😭😭😭 要は、ツカサはルイに「オレを死んだことにしてくれ」的なことを言って、それに従ってルイは行動してるってことだよな…🤔 そんなことを頼んだのはツカサがルイを独占したいのか…………
????やべやべやべ最高