登場人物
ツカサ…ある王国の王。何者かに殺害される。
ルイ…ツカサの重臣。第一発見者。
トウヤ…貴族。
アキト…トウヤを守る騎士。事件の捜査を頼まれる。
ネネ…城のメイド。
from.アキト
「ツカサ様は今どこにいるんですか?」
「……………………」
返答に困っているようだ。お得意の澄まし顔が崩れている。
「ツカサ様、生きてますよね。」
「…ううん、死んだよ。」
「頑なに認めないんですね。」
「だって証拠も何も無いだろう?君の勘だけじゃ、話す気にならないね。」
「たしかにそうですね。じゃあ、証拠集めに行ってきます。」
「どうせ何も見つからないさ。」
「だったら教えてくれませんか?」
「嫌だね。拷問でもなんでもするといい。ただ、僕は絶対に何も話さない。」
こうなったら仕方ない。一旦引き下がろう。
口論で勝てる自信がない。
「アキト、気になることがあるんだが。」
「トウヤ様?」
「その…ツカサ様は本当に、亡くなったのだろうか?」
トウヤ様まで同じ事を考えてるなんて。
「なぜそう思ったんですか?」
「昨晩、見たんだ。ツカサ様の部屋に、ツカサ様がいた。暗かったが、俺が見間違うはずがない。」
「…なるほど。ルイ様だったという可能性はないですか?」
「身長が違うだろう。少し低かった。それに、あの立ち姿……亡霊かと思ったが、きっと生きてる、」
この話が仮に本当だったとしたら、ツカサ様は不用心だ。
いくらルイ様が完璧に隠蔽しても、不用心なツカサ様ならボロを出しかねない。
そうだ。必ず綻びがあるはずだ。どこかに…
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「おい、ネネ……だったか。」
「あ、トウヤ様の騎士の、、」
「聞きたいことがある。」
「捜査に関係すること?いいよ。」
「お前、この事件の関係者だろ。」
「関係…してるっちゃしてるかな。ここで働いてるし。」
「そうじゃなくて、共犯なんだろ?」
「共犯?なによ、証拠あるの?」
「ルイ様とツカサ様の部屋に行ったんだろ?あの日。」
「うん。それが?」
「あれ、嘘だろ。お前はあの日ツカサ様の部屋に行ってない。」
「は?突拍子もない嘘をつかないで。ルイ様と私の証言は一致してたでしょ?何を疑うことが…」
「お前、ルイ様に特別な感情、あるだろ?だから手伝ったんだろ?」
「!!」
「ルイ様が話してくれたぞ。」
「嘘…ルイ様が?なんで…あんた、ルイ様に何したの?」
「お前が話してくれたら何もしねぇ。」
「……私が知ってるのはツカサ様は生きてるって事だけ。それだけだから!」
「本当か?」
「……そう、あとはルイ様に聞いてるでしょ。わざわざ言う必要ない。」
「そっか、さんきゅーな。」
「ああ、あと。ルイ様は俺に何も喋っていない。ちょっとだけ嘘ついたんだ。」
「はぁ?!?!」
「悪いな。けど、感謝するぜ。」
「……嘘、ルイ様とツカサ様を、、裏切っちゃった、」
ちょっとやり方不味かったか?いや、けどこんくらいしねぇと。
怪しいと思っただけでデタラメ言って吐かせたけど、ネネが単純で助かった。というか、ルイ様の名前が出ると動揺するんだろうな。
「ルイ様、証拠出ましたよ。」
「……ハッタリかい?」
「いいえ。ネネからの証言です。ツカサ様は生きてると。」
「!!ネネが……?!」
「ああ、俺が騙して吐かせました。本人は裏切ったつもりなんてないので。」
「……はは、なんで君に頼んだんだろ」
「さぁ?それはあんたにしか分かりませんよね。」
「もうここまでかな。もう少しだったのだけれど。」
「教えてはくれませんか?」
「ツカサ様が生きてることは認めよう。だが、それ以外は喋らないよ。死んでもね。」
本当にツカサ様への忠誠が強いんだな、、
さて、どうしたものか、、、
「ルイ、御苦労だった。」
「?!!!?!!」
「そんなに驚くこともない。ふわぁ、しかし、身体が痛いな。」
「ツカサ…様!本当に、良いんですか?」
「ああ。ありがとう、ルイ。それと、すまない。」
「ツカサ様、話してくれますか?今回の件について。」
「ああ、いいだろう。」
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コメント
7件
ああああー!!生きてて良かったぁ!!!!!!!!!!マジで亡くなったと
アキトのそういうところ私は好きよ😚ツカサはもう願いを果たしたのか、諦めたのか……………🤔
ふぁっ!!!!