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その夜、俺は眠れなかった。
部屋の電気を消して、ベッドに横になっても、頭の中が静かにならない。
左手。
血。
そして、昼休みの空白。
目を閉じると、廊下に倒れていたクラスメイトの姿が浮かぶ。
俺は起き上がった。
机の前に座る。
ノートを開く。
昨日、あの言葉が書かれていたノートだ。
ページをめくる。
何も書かれていない。
白い紙。
でも、見ていると不安になる。
また知らない間に何か書かれるんじゃないか。
その時、スマホが震えた。
俺はびくっとした。
画面を見る。
通知。
また、あのアプリだった。
知らないアプリ。
アイコンは黒い四角だけ。
画面を開く。
そこには、短い文章が表示されていた。
二人目、完了
心臓が強く打つ。
昨日と同じ。
俺は画面をスクロールした。
すると、その下に新しい文章があった。
次の対象:神崎ユウト
俺は息を止めた。
神崎。
クラスメイトの名前だ。
頭が真っ白になる。
その時。
頭の奥で、あの声がした。
静かな声。
「次の人だよ」
俺は首を振った。
「違う」
思わず声に出た。
「俺じゃない」
でも声は続く。
「君がやるんだ」
「違う」
「もう決まってる」
「やめろ」
俺はスマホを机に叩きつけた。
部屋が静かになる。
荒い呼吸だけが響く。
しばらくして、俺はゆっくりスマホを拾った。
画面はまだ光っていた。
神崎ユウト。
クラスの優等生。
善人みたいなやつ。
そいつが。
次の対象。
俺は急に怖くなった。
もし。
もし本当に。
俺が。
俺は急いでノートを開いた。
ペンを握る。
右手で。
書く。
大きく。
何度も。
俺は殺していない
俺は殺していない
俺は殺していない
ページいっぱいに書いた。
これで大丈夫だ。
これを見れば、俺は思い出す。
俺は殺してない。
俺は犯人じゃない。
その時だった。
手が止まった。
ペン先が、勝手に動いた。
右手じゃない。
左手。
ゆっくり。
紙の端に文字を書く。
俺は止められない。
まるで別の誰かが動かしているみたいだった。
そして書かれた言葉。
知ってるよ
全部、君がやった
俺の背中を冷たい汗が流れた。
その下に、もう一行。
左手の文字。
歪んだ字。
三人目は、明日だ