テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
翌朝。
学校へ向かう足が、やけに重かった。
三人目。
昨夜ノートに書かれた言葉。
三人目は、明日だ
そしてスマホに表示された名前。
神崎ユウト
俺は歩きながら、何度も考えていた。
もし本当に俺が犯人なら。
今日。
神崎は殺される。
俺の手で。
教室の扉の前で立ち止まる。
深呼吸をして、開けた。
中はいつもより静かだった。
クラスメイトたちは小さな声で話している。
クラスメイトA「まだ犯人捕まってないらしい」
クラスメイトB「マジで怖いんだけど」
クラスメイトC「学校休めばよかった」
俺は席についた。
すぐ前の席に、神崎が座っていた。
いつも通りの姿。
背筋を伸ばして、本を読んでいる。
何事もないみたいに。
俺は思わず声をかけた。
俺「神崎」
神崎は振り向いた。
神崎「ん?」
俺「……今日、気をつけろよ」
自分でも変なことを言っていると思った。
神崎は少し驚いた顔をした。
神崎「どうした急に」
俺「いや、その…」
言葉が続かない。
神崎は少し笑った。
神崎「心配してくれてるのか?」
俺は何も言えなかった。
神崎は本を閉じた。
神崎「大丈夫だよ」
神崎「俺は死なない」
その言葉が、妙に引っかかった。
その時、教室の扉が開いた。
あのクラスメイトが入ってくる。
左手をポケットに入れている奴。
俺を見る。
そして小さく笑った。
クラスメイト(?)「おはよう」
俺「……」
クラスメイト(?)「顔色悪いな」
俺「別に」
そいつは神崎を見た。
少しだけ目を細める。
クラスメイト(?)「あいつか」
俺の背筋が凍る。
俺「何が」
クラスメイト(?)「三人目」
心臓が止まりそうになる。
俺「……」
クラスメイト(?)「やっぱりそうなんだ」
そいつは楽しそうに笑った。
クラスメイト(?)「君が選んだんだろ?」
俺は何も言えない。
頭の奥で、あの声が囁いた。
「バレちゃったね」
その時。
チャイムが鳴った。
一時間目が始まる。
授業が始まったはずなのに、内容は全く頭に入ってこなかった。
ずっと神崎を見ていた。
まだ生きている。
普通にノートを書いている。
でも。
もし。
俺が。
その瞬間。
頭が急に重くなった。
視界がぼやける。
教室の音が遠くなる。
黒く塗りつぶされるみたいに。
意識が沈んでいく。
最後に聞こえたのは、あの声だった。
「大丈夫」
「後は僕がやる」
そして。
次に目を開けた時。
俺は。
血のついたナイフを、左手で握っていた。