マネージャーさんが冷や汗を垂らしながら『この度は…』と口を開いた途端、タレントの彼女は『私悪くない!』と叫んだ。
『こんな大ごとになって迷惑かけて、悪くない事ないですよ!』
『だってどっかの女だと思ったんだもん!私だってこんなの聞いてないし!』
💜「あの、喧嘩なら他所でしてもらって。それより説明してください、阿部のこと」
🖤「え?」
岩本くんを見ると、そちらも既に事情は知っているようで一見涼しい顔をしているけど怒っているのがわかる。
仕事なくなりますよ!と一喝され、彼女は渋々といった様子で『あんたが言って』とマネージャーさんに投げると顔を背け、だんまりを決め込んだ。
そんな彼女の様子を見るふっかさんの目も、見たことないほど冷たい。
マネージャーさんはしばらく『自分の口からちゃんと…』と声をかけていたが、やがて諦めたように話し出した。
海外のロケで祈祷師に出会い、略奪愛のまじないを知る機会があった。
間違えると人の命や生活に関わるから素人が勝手にやってはいけないものだと言われていたが、目黒さんがずっと好きで、どうせ迷信だからと止めるのも聞かずに試した。
阿部さんが活動休止する情報と共に、眠ったきり起きなくなったという噂が流れてきた。
嫌な予感がして水面下で調査したら目黒さんの交際相手が阿部さんだとわかり、また祈祷師に連絡をとったところ同じような例もあったと聞き、素人である彼女が勝手に真似をしたことで阿部さんの生活に影響を及ぼした事が確定的になったので説明と謝罪に来た。
🖤「まじないって?」
『具体的には、彼女が目黒さんの顔を触ったと思います。接触のない所で他に前もっての儀式もありました』
🖤「触られた…すごく残って変な感じだった」
💜「それを解く方法は?」
『確認しましたが、略奪愛のまじないなので相手が解放されるのは略奪が成就してからだと言うことで…』
ここにきて、彼女が急に明るく話に割って入る。
『そういう事なんで。目黒くんが私と付き合ってさえくれれば阿部さんも起きるし、それで良くない?』
両脇とマネージャーさんからは『何がそれでいいもんか』という怒りのオーラを感じる。
俺は立ち上がって彼女と見つめ合い、それから真ん前に歩み寄った。
💜「おい、めめ」
期待に満ちた目で俺を見る彼女と、不安げに声をかけてくるふっかさん。
🖤「俺…」
『うん』
🖤「あなたのこと、心から」
💜「めめ!」
🖤「軽蔑します」
『え?』
後から聞いた話、この時は祈祷師の話していた時期的に好きな人が自分に惹かれてきて結ばれる頃だったんだそうだ。
それなら彼女の勝ち気な態度も納得だし、だからこそ彼女は鳩が豆鉄砲を食らったような顔をした。
コメント
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表めめって好きな人には一途そうだよね
さすがめめ!あべちゃん一択だよね🖤💚