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あるところに一つの高校がありました。人も少なく、のどかな自然が見られる場所でした。そんな高校に入学した人の物語。
キーンコーンカーンコー ン
チャイムが鳴りました。今日は入学式です。日本のどこかにある小さな高校で、生徒の数は少ないです。どうやら2人の生徒が言い争ってるようです。
「今日は俺の勝ちだな」
「何を言ってるんだ僕の勝ちだね」
どうやら、学校に着く時間を競っていたみたいです。
「俺のほうが1秒速かったし」
そう言って相手を睨むのは中山颯太。
「そんな事言うなら僕だって」
相手を睨み返し反論するのは松山来斗。背が高く、少し長めの髪が特徴のこれまた美少年でした。2人は長い間睨み合っていました。すると、そんな2人に対して怒っている女子がいました。
「あんたらねえ、高校生にもなってまたそんな事言いあってんの?」
この二人と同じ中学の花本凛。ショートカットで、強気な性格の持ち主で、これまた美人でした。
「…だいたい、今何時かわかってんの?」
「あっ…」「その…」
時計の針は8時24分を指してました。
「ずっと待ってたんだけど。 『どっちがつくのが早かったか』って。せっかく早めに来てたのに許さんよ?」
「「すいませんでした!」 」
どうやら、凛には敵わないようです。
「以上、86名の入学を認めます。」
入学式の途中、誰にも気づかないような声で話す2人がいました。
「暇だな」
「長いな」
前後に座っていた颯太と来斗は、長い入学式に飽き飽きしていました。
「来賓式辞」
「まだあんのかよ」「はあ、時間の無駄だ」
2人は完全に限界を迎えてました。何かをして気を紛らわそうかと思っていました。
「なぁ、しりとりするか?」
颯太は少し振り返り来斗を見ていった。
「いいぜやろう」
そうして入学式のなかしりとりが始まりました。
「りんご」「ごま」「ままごと」「トンボ」
「皆さんがご入学されたことを大変うれしく思っています」
長々と続く式辞の中でしりとりは続いてます。
周りの視線も気にせず、2人はだんだんと声が大きくなっています。
「ポーナス」「スリッパ」「パンツ」「ツーリング」
お互いに手を緩めません。睨み合うことは出来ないので、言葉で煽っていきます。
「俺はまだまだ言葉が出てくるぞ?お前の弱い脳みそと違ってな!」
「は?僕だってそれくらいは出てくるよ。バーカ」
だんだんヒートアップしてきました。
「やめてくれないかなマジで恥ずかしい」
そんな2人を見ながら凛は同じ学校の奴らだと思いたくなくなっていました。
来賓の声に混じって2人の声が聞こえてくるようになりました。
「…以上で終わります」
「やっと終わったか」
「もうすぐ終わるか?」
2人の頭の中は早く終われでいっぱいでした。
「校歌斉唱」
「もうすぐ終わるな」「よっしゃ」
2人は喜んでいました。
「あの先生かわいいな」
「な、かわいいな」
ピアノの前に立った女の先生を見て盛り上がっていました。
ピアノを弾き出して曲が始まりました。
川の流れは緩やかに
時は流れて変わりゆく
学舎(まなびや)広く高く立つ
優しい心持ち続け
至高の未来へいざゆかん
「やっと終わったぜ!」
「開放的だなあ」
颯太と来斗は今にも駆け出しそうだった。
「…あんたら、今すぐ帰らると思わない方が良いと思うよ」
「中山!松山!ちょっと来い!」
「ほらね。行ってらしゃっい」
カンカンになった先生が二人の名前を呼びました。こっぴどく叱られた二人は、魂が抜けたようにうなだれていました。
そんな颯太、来斗、凛の3人の変な学校生活の始まりでした。