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「え…ニュート?」
丸い瞳がテセウスを数秒捕まえて、口を開く。
「…テセウスのエッチ…♡」
「っ!」
「びっくりした?♡」
どうやら今の真顔は演技だったようだ。
「っな…ニュート!?全くお前は…!」
ニュートは怒ってなどいなかったという安心感と、突然そんな事をされた焦りと
普段全く冗談を言わないニュートがこの状況で言ってきたことへの至極軽い怒りで
感情がめちゃくちゃになる。
「ふふっごめん…ちょっと今日のテセウスが面白くて…」
そう言ってニュートは、まだ僅かに肩を震わせている。
兄の気も知らずに。
「面白い?僕はずっと気が抜けないんだぞ」
「力を抜いてって…僕に言ったのに?」
「ニュートは抜いてもいいが、僕は大切な人の身体を扱うわけだからな」
またテセウスは甘い言葉を吐く。
彼も怒っているわけではなかったが、急にこんな事を言われては笑っていられなくなってしまう。
「…ご、ごめん…好きだよテセウス…♡」
「え?どうしたんだ急に」
謝って終わるだけでなく、ニュートは一言足した。
突然の言葉だったがテセウスはいかにも嬉しそうに、愛おしそうに笑う。
「テセウスって…本当に僕のことを大事にしてくれてるな…って思って」
「当たり前だろう?恋人を大切にしない奴がいるもんか」
「そうだよね…♡」
日常的にしている会話を、今この状況でもしている自分たちが面白くて
つい笑ってしまう。
「それと…わかってるのか?お前は今、僕の指が入ったまま喋ってる」
証拠を伝えるために、指をクイッと動かされた。
「んっあ♡」
一瞬の刺激に、ほのぼのとした雰囲気から
また大人の快感に引きずり込まれる。
「可愛い…♡」
「はぁっ♡え、えっと…恥ずかしいから…一回だけ言うよ…?」
早くテセウスの指でイってみたい…♡
初めはあれだけ恥ずかしがっていたニュートが
今ではそう思うばかりだ。
「ん、いいぞ」
「…もうちょっと奥…かな」
言った通り、指が少し深く入る。
「んっぅ♡ちょっと…右…」
着実にそこへ近づく指先、ニュートの鼓動が激しくなる。
「…もしかしてここか?」
テセウスが指を曲げる。
「んああぁっ♡」
突然部屋に響き渡るほどの声を出した。
「っ!?///むぐっ…」
ニュートは咄嗟に手のひらを口に押し付ける。
自身も、こうなるとは思っていなかったらしく
自分の声に驚いていた。
「…ははっ♡今のすごかったな」
「え…え…?///」
いまだに混乱しているニュートを見て
「そんなに気持ちいいのか?♡」
テセウスももう止められないというように指を動かす。
「あっ♡だめっ♡なんっ…かっ…んぁっ♡おかひっ…♡」
「何がおかしい?」
「ひゃんっ♡じ…自分でするより凄いっ♡感じすぎちゃう…よぉっ♡」
身体をビクビクと震わせ、明らかに感じているのがわかる。
「ちゃんとわかるぞ、僕の指をギュッて締めつけて…よっぽど気持ちいいんだな…♡」
そこを刺激するたびに締まり、愛おしい。
テセウスはいつまでも見ていられると思った。
「ひぃっ♡んんっ♡そこばっかりしないれっ♡」
「気持ちいいなニュート…♡」
「はうっ…くひっ…ぃっ♡」
あまり歯を見せて笑うことすらないニュートが、
歯をガチッと合わせ食いしばっている。
この表情から、必死に感じている事を隠そうとしているのがわかる。
「こら、声を我慢するのはダメだぞ?」
「やだっ♡聞かれちゃう…でしょ?♡んんっ♡くっ…♡」
恋人が我慢をしている姿はとても興奮する
しかしテセウス的には出せるなら我慢などせずに出して欲しいと思っていた。
「それなら…こうするしかないな」
「へ…?♡」
何をするのか、聞く暇も与えられないまま。
テセウスの「こうする」事が始まってしまった。