3話 不思議ナ青年
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?「 伊吹様、失礼します 」
ガラッ
?「 おはようございます。朝食のお時間ですよ 」
私「 んぇ….?」
?「 初めまして。今日から伊吹様のお手伝いをさせて頂きます。私、文子( フミコ )と申します。」
文子「 これから宜しくお願いします 」
私「 お手伝い….?」
文子「 さぁ、旦那様がお待ちです。着替えをお持ちしましたのでこちらへ…. 」
私「 あ、ちょ、自分で着替えれますから 」
文子「 遠慮なさらないで 」
私「 え、えぇ 」
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私「 …. / ゲッソリ 」
美凰『 ん?なんだその変な顔は? 』
私『 ちょっと色々あって…. 』
文子「 伊吹様、こちらがお食事処です 」
私「 あ、はい 」
和田「 伊吹さん、おはよう 」
私「 おはようございます 」
和田「 よく眠れたかい?」
私「 はい、 」
和田「 それは良かった。今、今後の少し話をしてもいいかい? 」
私「 大丈夫です 」
和田「 まず、君は明日から──中学校へ通うことになった 」
和田「 編入手続きも済んである、先生方へ事情は説明済みだ 」
和田 「 何か困ったことがあれば、私かフミさんへ言ってくれ 」
私「 はい、ありがとうございます 」
和田「 制服は ….フミさん、あとで頼めるかい?」
文子「 かしこまりました 」
和田「 会合は17時から。16時までは自由にしてて構わないよ 」
私「 分かりました 」
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文子「 こちらが夏服になります 」
私「 セーラー服…. 」
文子「 サイズを確認したいので一度着てもらってもよろしいでしょうか? 」
私「 あ、はい 」
・
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文子「 ふふ、とてもお似合いですよ 」
私「 そうでしょうか 」
文子「 会合へは制服での参加と聞いておりますので、本日はそのまま過ごしていただいて大丈夫です 」
私「 あ、じゃあ辺りを散歩してきます 」
文子「 かしこまりました。旦那様にお伝えしておきます 」
私「 ….あの 」
文子「 ? 」
私「 文子さんも祓い屋関係なんですか?」
文子「 いいえ、私はただ旦那様にお仕えしている者です。」
私「 そう、ですか 」
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私「 じゃあ 行ってきます 」
文子「 はい、お気をつけて 」
タタッ ( 走
私「 ハァッ ハァッ 」
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私はただ自分の感覚に任せて道を進んだ
後先など何も考えずに__。
ただ ただ、ひたすら走った
私( 空気も景色も、東京と違って綺麗なのに )
なぜ こんなにも苦しいのだろう
私「 ….ッ 」
喉が痛い、走るにも足に限界がきた
?「 おい君、大丈夫か?」
私「 ? ジーー 」
?「 ? 」
私( 何だろう、不思議な感じがする )
私( 和田さんと似たようなモノが…. )
?「 おい、本当に大丈夫か?」
私「 は、はい ケホケホッ!! 」
?「 あ、ちょっと待ってろ 」
?「 ほら、水 」
私「 すみません…. えと 」
名取「 俺は名取、名取周一だ 」
私「 ….名取さん、お水ありがとうございます 」
名取「 あぁ、それはいいんだが 」
名取「 その制服、⎯⎯中学か?」
私「 多分そうです 」
名取「 多分?」
私「 昨日、東京から引っ越してきたので 」
名取「 へぇ、この時期に珍しいな 」
私「 そう、ですね 」
名取「 ….悪い、おかしな事を言った。忘れてくれ 」
私「 いえ 」
名取「 一応聞くが、君はもしかして迷ったのか?」
私「 ? 」
名取「 ──中学はここと反対方向だが 」
私「 あ、私はただの散歩で 」
名取「 じゃあ家は近所か?」
私「 ….. 」
・
・
・
名取「 はぁ 」
名取「 自分の家が分からないなんてあるのか、普通?」
私「 ごめんなさい…. 」
名取「 とりあえず交番に行くか 」
私「 私、居候なんですけど 」
名取「 …. 」
私「 ? 」
名取「 ダメ元でも行くしかないな 」
私「 あ、名取さん、今って何時ですか?」
名取「 え?….15時だけど 」
私「 15時…. 」
私( 私、3時間も走ってたの….!? )
名取「 何か用事でもあったのか?」
私「 会合が…. あ ッ! 」
私( 祓い屋の人だけが集まるんだっけ )
名取「 会合….?」
私「 あ、えと 」
名取「 …. 」
名取 「 もしかして、君は見えるのかい?」
私「 ….え?」
私「 見えるって、なにが?」
名取「 例えば “ 妖怪 ” とか 」
私「 ….妖怪なんているわけないでしょう ニコッ 」
名取「 そうか、そうだよな 」
そう言った後、彼は自分の右腕を私に見せた
私「 ….!」
私( なに、この黒い痣?トカゲかな )
キョロッ
私「 う、動いた ッ 」
名取「 ニコッ ….見えるんだね?」
私「 え”、?」
名取「 試して悪いが、これは妖が見える人にしか分からないモノなんだ 」
私( は、嵌められた….!! )
私「 卑怯者!」
名取「 ハッ、なんとでも言えばいい 」
名取「 それより君の親代わりの人の名前は?」
私「 言う必要はないでしょう?」
名取「 俺も会合へ行くんだ 」
私「 ! 」
名取「 これで意味は伝わった?さ、名前を教えてくれ 」
私「 …. 」
名取「 まだ何か?」
私「 個人情報だもん 」
名取「 じゃあどうすれば教えてくれるんだ?」
私「 ….友達なら 」
名取「 友達?」
名取「 ふ、あはははは ッ!」
私「 な、笑わないでよ! 」
名取「 いや、悪い悪い クスッ 」
名取「 友達になれば個人情報を教えてくれるってことだな?」
私「 まぁ 」
名取「 さっきも言ったが 俺は名取周一、今年で19歳になる。一応祓い屋だ 」
名取「 あと、周一でいい 」
私「 し、周一さんは祓い屋なの?」
名取「 まだまだ見習い程度だけどな 」
私「 ふぅん 」
名取「 ….祓い屋は嫌いか?」
私「 ううん、嫌いじゃないと思う 」
私「 分からないから苦手 」
名取「 じゃあ、今日知ればいい話だな 」
私「 ….誰も教えてくれないよ 」
私「 和田さんですら 何も教えてくれない 」
名取「 和田さん?」
私「 あ 」
名取「 そうか、和田さんなのか 」
私「 …. 」
名取「 和田さんの番号なら控えがある、迎えに来てもらおう 」
私「 ….はい 」
名取「 ….?」
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名取「 はい、はい…. 」
私「 …. 」
私( 後で怒られる、かな )
名取「 え?俺がですか? 」
名取「 いや、ですが ⎯⎯⎯⎯ 」
名取「 ….分かりました、はい、失礼します 」
名取「 全く、困ったな 」
私「 ? 」
名取「 和田さん、熱を出したらしい 」
私「 ….え?」
名取「 それで提出しなければならない書類を君に任せたいと。」
名取「 和田さんの式が今、こっちに向かっているらしい 」
私「 式?」
名取「 契約をして祓い屋に仕える妖のことだ 」
私「 名取さんにも式がいるの?」
名取「 俺はまだいない 」
私「 ふぅん」
この時、私はふと思った
美凰も式というモノに当てはまるのか__ と。
・
・
・
名取「 来たか 」
式「 主の命により参りました。これを 」
私「 あ、はい 」
式「 この書は的場様にお渡し下さいとの言伝です 」
式「 では。」
私「 的場様….?周一さん知っていますか?」
名取「 …. 」
私「 周一さん?」
名取「 よりによって的場誠司か…. 」
私「 周一さんの友達ですか?」
名取「 友達 ッ? 誰があんな奴….」
名取「 あ、時間がないな ….まずは会場へ行こう 」
私「 はい 」
名取「 そういえば、名前は?」
私「 ….羽澄伊吹 」
名取「 伊吹か、よろしく 」
私「 よろしくお願いします、周一さん 」
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祓い屋 名取周一に出会った伊吹。
“ 13歳の少女 ” 伊吹は名取と共に会合へ向かう
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︎︎ ︎︎︎ ︎︎︎ ︎︎︎ ︎︎︎ ︎︎︎ ︎︎︎ ︎︎︎ ︎︎︎ ︎︎︎ ︎︎︎ ︎︎︎ ︎︎︎ ︎︎︎ ︎︎︎ ︎︎︎ ︎︎︎ この名の者は一体__??
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コメント
3件
新作一気に読んでしまうくらい面白かったです!!!ちょうど見るか悩んでいるアニメのだったから驚いちゃいました!!!