テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
#なついる
さくら
15,826
天羽(そらは)🍭💚❣️🌸
5,407
優しい君
🍍×👑
🍍:「」
👑:『』
文字を入力して効果音を付けて、自分の録音素材を入れて…
黙々と作業を進め、やっと終わりが見えてきた。編集というのは大変ですごく疲れるけどファンのみんなのためと考えれば苦じゃない。
パソコンの電源を落としたその時、後ろから肩に手を乗せられた。
「みーこと」
『うわぁ!なっちゃんっ!びっくりしたぁ!』
「ふはっ、ビビりすぎ」
そう言って笑うのは俺の彼氏。すぐ弄ってくるけどすごい優しい自慢の彼氏だ。
『んもぉ…』
「ごめんごめん笑」
ポンポンと頭を撫でられる。
この仕草はなっちゃんの癖でよくされる。
なっちゃんは優しくて甘い。
『ん、ごちそうさま!おいしかったよ』
「よかった…まずかったらどうしようって思ってたからさ笑」
付き合ってから自炊をはじめてくれたらしい。相変わらず卵は割れないみたいだけど、簡単な炒め物とかは作ってくれる。最近なんかはパスタを作ってくれた。
「じゃあみことは座ってて。俺が片付けるから」
『え、いいよ!作ってもらったんやし、俺なんもしてなっ…』
「いーからいーから。ちょっと待ってて」
ポンポンとまた頭を撫でて台所に向かってしまった。
最近気になってしまう。
付き合った当初は優しいなとしか思わなかった。
もちろん優しいのは嬉しいのやけど、このまま続いてったら…無理してるってならへんのかなって。迷惑かけてへんかなって不安になっちゃうから。
「みこと?大丈夫か?」
『…ぁ、大丈夫やよ!』
「…そうか」
最近みことの様子が気になる。
前までは頼ってくれてたんだけどな…。
今まで付き合ってきた女たちからは
「扱いが雑」だとか「クズ」だとかひでぇこと言われて別れてきた。でも今になって思う。たしかに俺はクズだった。家事も全部任せて文句ばっかで、それでいて体だけ求めてた。
それでも長く付き合ってくれた女がいた。
そいつに言われたことがある。
「もし本当に大好きな人ができて恋人になった時優しくしてあげてね。大事にしてあげて」
当時の俺は別れる相手に向かって言うことじゃないだろ、とあまり深く聞いていなかった。
だが、とんでもなく大好きな人が出来た。その時この言葉を思い出した。そいつに未練があるからとかじゃなく、あの時分からなかった感覚が全て分かったような気がしたからだ。
心の底から好きってこういうことなんだと。
失いたくなかった。嫌われたくなかった。今までの元カノたちみたいにひどいこと言われて、思われて別れたくなくて優しくした。なんでもした。
それなのに、最近みことは俺が優しくするたびに少し不安そうな顔をしている。
なんでだろうか。
「大丈夫?痛くない?」
体を重ねるのは週に一回だけというルールを2人の中で決めてから、毎週土曜日の夜、こうして体を重ねている。
至近距離になっちゃんの顔があってドキドキする。顔があつい。
『いたくない…』
「うごくよ?」
ギシッというベッドの音と共に優しくゆっくりと動いてくれる。いいところを優しく擦るように動かれるとすぐイキそうになる。
『んっ…ぁ、ふぁっ』
「かわいいね」
なっちゃんが言うかわいいという言葉にはいつまで経っても慣れない。体がびくっとして中も締まるのが自分でも分かった。
『うぁ…そこっ』
「ん、ここ?」
『ぁ…んんっ』
俺がイクと必ず「かわいい」と言って中から抜く。いつものこと。
でもずっと気付いてた。なっちゃんは俺と一緒にシてもイってない。俺がイクと必ずやめちゃう。
甘やかしてくれるのも家事を率先してくれるのもなっちゃんが優しいからだって思って嬉しかったけど、これって対等なのかな。負担になってへんのかな。
やっぱり思ってしまう。思わず我慢できなくなって
『なっちゃん…俺には頼ってくれへんの、俺じゃ力不足なん?』
「みこと、?」
『なっちゃんは俺とイってくれへんの?』
なっちゃんが驚いたように固まってしまった。数秒の静寂の後、口が開いた。
「だってみことが大変になるよ?痛くなっちゃうよ」
『いいからっ!なっちゃんは優しすぎるんよ…恋人っていうのはもっとお互い迷惑かけてええもんやで?』
ほんの少し声が大きくなってしまって最後に小さく謝る。その瞬間なっちゃんがふわっと笑った。
「ごめん。こんなの恋人関係じゃないよな…なぁみこと」
『?』
「さっそく迷惑かけていい?」
「もう一回しよ。今度は最後までちゃんと」
深くて甘くて、それでいていつもより少し乱暴なキスを交わされた。
『っ…ん…ふ』
「後悔すんなよ」
ゾクゾクっと背筋に何か電気のようなものが通る感覚がした。
『ぅあ゛っ♡なっちゃ、なっちゃぁ』
「みことって奥好きだったんだな」
奥をぐりぐりと押された後に深く打ち付けられる。
『ひぅっ♡』
「どうした?図星だったの?」
答えられずにいるとなっちゃんは目を細めて笑った。
「かわい笑」
そして一際強く打ち付けられる。
『ん゛んっ!?ぃあ゛〜っ♡』
二回目の限界を迎えて全身が少し震えた。
「感じすぎじゃない?」
「どろどろのみことかーわい」
達したばっかの奥にトントンと優しく突かれた。
『んぅっ♡それやぁ…っ』
「んー?これ?」
きゅぅっと締まるとなっちゃんも眉を顰めた。
「っ…やば」
『だしてっ、?』
「ん…っ」
お腹の奥底にじわっとあったかいものが溜まる感覚に震えた。
そしていつもみたいに頭をポンポンと撫でられた。
「かわいい」
コメント
1件
読み終わりました……第3話、一気に深いところまで来ましたね。なっちゃんの「優しさの裏にある過去」と、みことの「優しさが重く感じる」気持ちのすれ違い、すごくリアルで胸が詰まりました。特に「俺とイってくれへんの?」の問いかけは、関係性を対等にしたい本音がにじみ出ていて、その後のなっちゃんの変化にゾクッとしました。ラストに向けて、二人がゆっくりと本当の距離を掴み直そうとする展開、とても好きです。続きが気になる……!