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それでは、
どうぞ。
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病室の扉をそっと押す。
空気は静かで、時間でさえも止まっているみたいだった。
美咲は眠っていた。
目を閉じた顔は、本当に世界で1番美しくて。
寝息の音さえ、私には愛おしく感じられる。
🤍「…今日も学校、いつも通りだったよ。」
小さな声で話す。
手を握りながら、私は一方的に、今日起きたことを話す。
友達との笑い話。
授業中に先生に怒られた事。
帰り道で見た何でもない普通の景色の事。
美咲はもちろん答えない。
返事は無いけれど、聞いてくれるような気がして、それだけで少し胸が温かくなる。
窓の外の光が揺れて、君の髪をそっと撫でる。
光の中で浮かぶ横顔は、やっぱり息を呑む程美しい。
涙が零れそうになるのを、ぎゅっと堪える。
🤍「授業をサボってさ、屋上に行ったこと覚えてる?」
声が震えるのを感じながら、私は言葉を繋いでいく。
笑いながらふざけた君の顔。
怒って拗ねた君の顔。
全部が愛おしくて、全部が切なくて。
目を閉じたままの君を見て、胸が詰まる。
🤍「、目覚めてくれないよね。」
微かな声で呟く。
届かないと分かっていながらも、言わずにはいられなかった。
手を握る力を少し強くする。
🤍「でも安心して。」
🤍「もうすぐ、そっちに行くから。」
end.