テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
五話 欲望と乱れたシーツ
PM 21:30
高級レストラン
「Athlow」
ガラスの扉が開き鈴がカランカランと音を立てる
「いらっしゃいませ」
カウンターには赤髪のチンピラのような風貌をした店員がサラダを和えていた
何故このような洒落たレストランにいるのか
あまりにも場違いだったがコウジは小さく会釈だけして例の女の元へと足を運んだ
――店内の奥
見慣れたピンク髪を揺らす美しき女性
間違いない サユリの姿だ
コウジが申し訳なさそうにお待たせと声をかけると
「えっ どうしたの…?」
サユリは瞳から小粒の涙をポロポロと流していた
「実は…コウジさんと広子さんが話しているのを聞いちゃって…もう来てくれないと思ってたから…コウジさんの顔を見たらほっとしちゃって…」
自分を見てホッとした
コウジの胸の中で今までになかった…しかし確かでこれ以上ないほどの愛おしさと庇護欲が芽生える
「サユリちゃん…」
コウジの声は微かな熱を帯びている
――
PM23:50
コウジはサユリをタクシーに乗せる
サユリは窓から顔を出し決定打となる言葉を紡ぐ
「ごめんなさい 長いこと付き合わせちゃって」
「え…あ いや…」
(それよりも…)
コウジは自然とサユリの胸元に目がいってしまう
コウジの中で音を立てて崩れていく
「私酔っ払っちゃったみたいで…今日は帰れそうにないから…近くのホテルに泊まることにします…」
サユリの口元はもう隠せないほどに吊り上がっていた
瞳の奥で底知れない色気と狂気を孕む
コウジの理性はここで切れた
この日から相談に乗って貰う場所はレストランからホテルに変わる
汚れたシーツ
触れ合う素肌
(あー楽しいぃぃぃぃ〜…!!)
サユリは優越感という言葉では到底片付けられない、猟奇的なまでの快楽に溺れていった
澪
54
コメント
1件
うわあ…サユリの計算高いところがじわじわ見えてきて怖いや。レストランで流した涙が実は全部仕込みだったっていう伏線、読み返すと「ああ…」ってなるね。コウジの理性が切れる瞬間の描写、あの「音を立てて崩れていく」感覚、すごく伝わってきた。そして汚れたシーツの猟奇的な快楽…これはもう、ここからどう転がっていくんだろう。設定の細かい仕掛けが気になるなあ。