これは、d!様の二次創作(軍パロ)です。
ご本人様には一切関係ございません
エセ関西弁、捏造注意
その他の注意書きはプロローグを参照ください
でははじまります
rbr「……、もし大先生が残るなら、俺も残るよ」
ぴたりと空気の時が止まった。
sho「…、な、」
やっとの思いでshoが口を開く。
その瞬間、耳をつんざくような轟音。
その音は、破壊の始まる音。
平穏を壊す音。
自分が、最も嫌いな音。
とっさに全員を家の奥へ押し込む。
窓ガラスが、普段よりずっと恐ろしいものに見える。
gr「tn氏!」
俺を呼ぶあなたの声がする。
『ガガ…、ガ…、えー、ただい…、我が国は攻撃を受けており……ガガ…』
どこからかラジオのかすれた音声が聞こえる。
rbr「は…?」
呆然と玄関に立ち尽くす若い彼らを見て、そこから離れろと叫ぶがもう届かない。
何とかギリギリで反応したzmが全員の手を引いて後をついてくる。
だけど、どうもこの街全体が今戦火にあるらしい。
突然の攻撃に当然ながら防衛態勢を取れるはずはなく、夏の夜空に花火ではない炎がきらめいている。
kn「え、これ、家出たほうが良いん、?」
sho「わ、わかんないけど、でも逃げるって…」
tn「多分駄目や。港はもう制圧されたか封鎖されとる」
utとrbrは完全に腰を抜かしており、まともに動けそうな状態ではない。
……、いや、何でshoとzmは平気なん?
rbr「逃げるなら、置いていってくれ…」
自らが動けないことを知ったのか、消え入りそうな声でrbrがそう言う。
一方の大先生はさっきの轟音をもろに聞いてしまったのか頭を押さえてえづいている。
rbrの目がふいにこちらを捉える。その目は正気の沙汰ではなかった。コイツは、もしかしたら命の重みを知ってるんじゃないか。そう思えるような視線。
人、殺したことあるん?
そんな問いが脳を駆け抜ける。
いやいやいや、そんなこと聞いたらあかんやろ。
ぐるぐると考えているうちにも火は街を這うようにして覆っていく。銃の音もどんどん聞こえるようになり、この小さな街のどこにそんな兵力が隠されていたのかと驚くばかりだ。
tn「zmとshoとknは動けるんか!?」
zm「多分…!」
tn「やったら今からrbrとutを連れて港へ向かうぞ」
zm「へ?、マジで!?」
os「佐山以外の港がある。最初はそこからこっそり入国した感じやから」
rbr「それ、どこにあんねん」
kn「東の方の、でも遠い…」
gr「オッケー、tn、ht、武器を構えろ。それから他にも武器を持ってるなら、もう準備してくれ」
zm「あかん、ナイフ数本と煙幕しかないわ」
sho「え、何で持ってるん…」
zm「いや、まあ色々、まあ一本ナイフやるわ」
kn「zm、俺にも」
zm「あ、どうぞー」
慣れた動作でzmが2人にナイフを手渡す。不思議なまでに自然なその動きに驚きながら、逃げる計画を少しづつではあるが立て始めた。
***
悲鳴があちらこちらから聞こえてきて、ゴリゴリに精神が削られていく。
rbr「あの猿…」
懐にしまったノートを取り出す。昔調べた伝承をまとめたノート。
きっと、こうなったのは俺のせいなんだ。
願ってしまったから。あの血に塗れた雨の日に。
そう考えるともう今度こそダメなようで、また俺は嵐に支配された高い波の暗い海に閉じ込められる。稲光は一層激しく妖しげに空気を切り裂き、打ちつける水滴と覆いかぶさる水のうねりがずぶずぶと自分を海底へと沈めていく。
あぁ…、今、嘘、ついてるんやなぁ。
マブダチにすら本音は言えず。散々心配かけたやろなぁ。
もう、ここで死んだほうがマシなんちゃうか?
人殺しが、誠実に生きる人々と対等に向き合っていいはずがない。
あの時の感覚は今も手の中をさまよい、時々妙に生々しく掌で踊っている。
銃声も悲鳴も火の音も、今の俺には所詮波の打ちつける音でしかない。
人を殺した人は、死に取り憑かれて生きていく。
『きっと、また船は沈む』
rbr「俺のせいやっ…」
その一言がバレないように、唇を噛む。
いつもの面布で顔を隠す。それでも震える体には気づかれるだろう。
ぱたりとgrが立ち上がる。
gr「よし、出発するぞ」
目が合う。その度に、心の中を全て見透かされているような気がする。
os「いやー、立地良くて助かったわー」
tn「ホンマに。運河さまさまやわ」
os「みんな、安心してくれ。ここまで火はまわってこおへんから」
そろそろ本当にここを発つことを察したのか、武器を持っている人は武器を構え、何も持ってない人も立ち上がった。
htが玄関扉の取っ手に手をかける。
開けば熱風と悲鳴、銃声がもろに自分の五感へと吸い込まれていく。
夏の匂いがする。
きっとこれは最期に神様がくれた土産なんだ。
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あとちょっとで終わりそう。
なんか次回からグロい描写とか出てきそうなんでワンク入れといたほうがいいですかね。
戦争の写真とかみると、辺り一帯焼け野原みたいになってて、木造建築に焼夷弾が落ちるヤバさがよくわかる。
やめてほしいですね戦争は。
それでは、さようなら〜