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これは、d!様の二次創作(軍パロ)です。
ご本人様には一切関係ございません
エセ関西弁、捏造注意
その他の注意書きはプロローグを参照ください
でははじまります
ふらつく脚を懸命に動かして、はぐれないように走り続ける。
運河の反対側は、大火事だった。
あちら側に佐山港と官庁街があるから、まあ当然かと思った。俺らが住んでいたところは運河の対岸。運河が広いので火はこちらまで回ってこないようだ。
ランドセルを背負って歩いていた道は、逃げ惑う人々の悲鳴に覆われて、昔の様子とはほど遠い。運河の対岸から逃げてきた人たちは、皮膚が焼けただれてはがれたり、黒焦げになっていたり、何かと悲惨である。
うめき声をあげる子ども。
助けようとしてももう動けない親、兄弟。
抱き合いながら幸せそうに永遠の眠りについた恋人。
自分の過去の過ちは、ここまでしても尚、償えないのかと絶望する。
何度も願った。
何度も謝った。
考えるだけで頭から落下するような感覚に襲われる。
こっちにも、わけのわからない飛行機が飛んできては爆弾が破裂する音がする。
巻き込まれたらひとたまりもないな、なんてまるで他人事のように考える。
本当は留まっていたかった。ずっと変わらない世界にいたかった。
俺は確かにあの日、大先生を助けようとして人を殺した。学校の外でもいじめっ子につけ回されて、その度にぐちゃぐちゃの瞳で助けを求めてきた。
はじめは自分がやり返されるのが怖くて何もできなかったけど、どこかでタガが外れた。
後ろから怒号が飛んでくる。
W国の幹部を追っているらしいあの黒いフードの集団だ。ごっつい銃を持って、際限なしに発砲する。
それを一々受け止めて、さらには命まで奪うtnとht。zmたちも手負いの奴らを次々と小型ナイフで薙ぎ払っていく。
途端に自分の腕に熱い何かが飛び散る。
rbr「撃たれた、?」
脳はすぐに理解するがそれに体が追いつかない。
目の前に銃を持った男たちがいる。自分が狙われているんだ、と分かってしまった。
弾が腕をかすったらしい。とめどなく溢れる血。俺があの日浴びた返り血とは全く違う。
相手は今度こそ心臓に照準を定める。
銃から離れて走り出そうとする。腕に焼けるような激痛が走る。その瞬間、視界にノイズがかかったようになり、世界が回りに回っておかしくなる。 今俺の感覚は痛みしか残っていない。音が遠くなり、今自分が攻撃を受けているだろうということしかわからない。
sho「rbr!!!」
最後に見たのは、かつてのマブダチがナイフ片手に敵に突っ込んでいく姿だった。
***
港まで直線距離で約8km。
無我夢中で走り続けていると、いつの間にかもうひとつの小さな港が見えてきた。
疲れからぼーっとしていたら「sho!!」とtnに呼ばれて、すぐに我に返る。慌てて声のした方に体を向けると、みんなは自分よりも遠くに行ってしまっていた。
こちらの港は殆ど攻撃を受けておらず、逃げてきた人々で街は溢れんばかり。その人混みの中を、軍服を着た人と高校生くらいの年齢の人が一緒になって抜けていくのはどうも違和感しかない。実際周りの人たちの視線はこちらに注がれていた。
zm「チッ、目立つな〜…」
sho「何がそんなにマズいん?」
zm「いや、ん〜…」
別に、俺らだけだったらこんなにじろじろ見られることはなかったのだろう。問題はなぜか軍の人と行動を共にしているところである。
sho「疲れたぁ、はよ船乗りたい…!」
tn「はあ…、ホンマに」
tnは、腕に包帯をぐるぐる巻きにされたrbrを背負っている。体格差がすごくて脳がバグりそうだ。rbrは少し前に武装した奴らに腕を撃たれて、そのまま気絶した。すぐにそいつらはzmとtnで処したけれど、精神的なショックが他の人たちには中々大きかったようだ。
os「あれ、船どこに着けたっけ」
ht「なんか港のすんげえ端っことかじゃなかった?」
kn「げ…、めっちゃ海に出にくいやんけ…」
zm「そこはお前の操舵技術に期待しとるから」
kn「あ〜!!!」
シッマが悲痛な叫び声を上げる。その声でまた周りの視線がこちらに注がれる。余計な視線を増やすなって…。
htの記憶は正しかったようで、なるほど目立たない港の一角にW国の国旗を掲げた小さい船がある。
急いで全員乗り込んで出航の用意をする。この際出国の手続きなどどうでもいい。
昔俺らが苦労して行っていた出航のための作業は一瞬にして終わり、地元との別れの余韻を味わう間もないまま猛スピードで船は海を滑っていった。
夜明けの海が、太陽を浴びてきらりと光る。
まだ終わらないんだ。
俺達は。
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ご無沙汰中のご無沙汰。
テスト終わったと思ったら夏休みの課題が。最悪です。
若干スランプ気味なので気長に待ってやってください。
それでは、さようなら〜