もう1つの同じような新作があったと思うんですが、ラストがまとまらないので深夜に思い付いた方を書きます
もう1つの方も気が向いたらリベンジします
あとノベルを書いてみたかったんです
許してください
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーキリトリーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
その日、グレートブリテン及び北アイルランド連合は死んだ。
それからしばらくの月日が経ち、彼を国体とする国のとある地下、使われなくなったパブでは、彼を悼む「葬儀」のようなものが執り行われた。
通常、国体というモノは其の国が滅亡すると共に消滅するものである。
それ故、国体を悼むようなことは無かった。ある筈が無かった。
ただ、今回は別であった。
グレートブリテン及び北アイルランド連合王国、通称イギリスは、4つの国体に分かれている。
其の中で、代表を勤めていたのがイングランドの国体であるアーサー・カークランドであった。
しかし、彼が死んだことで他の3国体が消滅することはなく、今日も彼の「葬儀」の幹事を任されている。
また、イギリスの海に佇む海上要塞シーランド、及びピーター・カークランドも消滅することはなかった。
3国と1欠片は、彼の写真のすぐ側で紅茶を飲んでいた。
地下には、重々しい空気が流れ、世界中の国体や総理等が黒いスーツに身を包んでいた。
長時間の話し合いの末に、この狭い空間の中、ヨーロッパの国々で行われる葬儀を行うことは極めて困難である為、彼のごく少ない友人である国体の本田菊、日本で行われる葬儀の形態をとった。
アメリカ合衆国の国体であり、彼の元弟であるアルフレッド・F・ジョーンズは、彼に捧げるスピーチをした。
幼い頃の私を世話し、ここまで育て上げた彼には頭が上がらない。
会議の中では、私の意見の全てと言っても良いほどに反対をしたが、それも良い思い出である。
普段のアルフレッドとは思えないスピーチに、多くの人が涙を流した。
だが、国体は誰一人涙を流さず、濃く染み付いた隈と今にも溢れそうな涙を隠しながら作られた言葉を述べ続けるアルフレッドを見守っていた。
カナダの国体であるマシュー・ウィリアムズは、涙を流し続けていた。
彼はマシューを家族として、その日まで可愛がっていた。
マシューも彼を「イギリスさん」と慕い、彼の前で笑顔は絶えることがなかった。
本来ならスピーチはマシューの役目であったが、彼の訃報を耳にして以来彼に関することを聞くだけで涙があふれでてしまう為、スピーチは不可能と判断された。
フランスの国体であるフランシス・ボヌフォワは、マシューを支え、静かに慰めていた。
彼とは自他ともに認める「腐れ縁」であり、幼い頃の彼を知る数少ない国体である。
周りの国体に声をかけ、気持ちを晴らそうと話をし続けるフランシスには、誰もが感謝をしていることだろう。
からかわれ、頬を紅潮させ怒る彼をスマホ越しに見つめるフランシスのことは、誰も知らない。
ーー以上で、故アーサー・カークランド氏の葬儀を、ーー
ぞろぞろと、各国の首相が帰路についていった。
しかし、国体達は地下に残り、互いに疑いの目を光らせていた。
誰が、彼を殺した?
コメント
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♡♡♡っ!? 最初から最後まで表現が綺麗すぎる…´ཫ` 最後の言葉できたどんでん返し的なの… 凄い、凄い続きが気になる…